« データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その13 | トップページ | データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その15 »

2010年5月22日 (土)

データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その14

本日未明 5/22 2:30AMの公表データの数字により、図表を更新しました。

きのうは木城(きじょう)町と西都市でも感染の確認があり、範囲がじわりと広がりました。

   (参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション)

   (参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)

また、西都市に避難させた種牛の1頭からも感染が確認され、東京でも新聞の1面トップに

掲載されました。

   (参考)種牛の避難場所(絶対に近づいてはいけません。)

ニュースでは、本日ようやくワクチン接種がはじまったとのことです。

図表のpdfは下からどうぞ。

「100521_.pdf」をダウンロード

1.「小規模な牛飼養の農家はすごく健闘している」

川南町の状況はこちら

100521_

ところで、もともと飼育規模の大きい養豚を除いて、牛飼養農家の個別の規模と、

川南町の最初の発症(4/16)から、発症までの日数をまとめた表がこちら。

バーの長さが、規模(対数表示)を表している。

100521__2

ここまでの表では、一見、規模とはあまりかかわりなく、ランダムに発症しているように

見えるが、実は、まだ発症していない農家が212戸もあり、その平均頭数が7.2頭、

ということは、実は、小規模な農家のほとんどが持ちこたえていることを示している。

(但し、未感染の農家については、ちゃんとしたデータがないので推定である。)

また、大規模な農家でも、最初の農家の発症から、発症するまでの平均日数は、20日程度ある。

平均の潜伏期間を5日間とすれば、大きい農場でも、平均的には感染するまで2週間程度の

時間があることになる。素早い殺処分対応が有効な理由である。

2.「空気感染が始まった」

5/14から、高鍋町、新富町などに感染が広がっているが、おそらくは、空気感染

(微細なちりや水滴などに付着したウイルスが飛散して伝播)していると見られている。

(GW明け頃は、空気感染は起こっていない、というのが公式の見方だったが、

 感染家畜が殖えたために、フェーズが変わった、ということなのだろうか。)

これら、川南町より南側での牛の同様の表が下である。

100521__3

一見して、川南町よりも大規模な農家が多いことがわかる。

空気感染の場合、ランダムな確率で感染するとすれば、頭数が多いほど感染する確率も

高くなるから、そのことを伺わせる。

空気感染の場合、大きい農場からやられる、となると、一気に殺処分予定の頭数も増えて、

対応が追いつかなくなることになる。

100521__

実際にこのところ、牛の殺処分対象頭数は急増した。

お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。

但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)

お知らせ>宮崎県産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。

データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。

誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。

080429_shibazakura_2

私がコンタンです。ほんとは人混みは苦手です。(この写真は転載禁止です。)

このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。

« データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その13 | トップページ | データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その15 »

コメント

グラフ解析、ご苦労様です。

予想通りに展開してしまうのが怖いくらい、嫌ですね。

死に物狂いで家族を守ってきた小規模畜産農家の皆さんに対し、こらえきれなくなる頃を計って引導を渡すような大本営を持った不幸な国です。

補償交渉を目くらましにして不慣れな獣医師を県外から動員しても数が足らず、防疫要員をサーベイランスから外し、ウイルスの防圧といいながら増大を進めている。それをノー天気に、国際基準の防疫をやっているからだいじょーぶ、と思ったが変ですね、と言う参謀総長。

殺処分現場には無慈悲な大雨です。糞尿などが貯蔵タンクからあふれて海までドット流れ出るでしょう。サーフィン禁止令を早く出すべし。

>実際にこのところ、牛の殺処分頭数は急増した。

予定数、処分待ちですね。

大本営発表の最新発生地地図をみてきました。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/hassei22.pdf

北の日向市の南で都農町の端っこに中心点を一つ増やしたので、制限区域の二つの円が10キロ北に進み、わが家が移動「制限」区域とスレスレ(以前は搬出制限区域スレスレ)になりました。県のHPでは制限区域の広報は地図でなく住所で表示ですから、地元の人でもわからない。

搬出促進の命令に協力を励んでいた農家は突然のストップで驚いていることでしょう。

区長さんの牛舎は入ったのかどうか。微妙です。

このブログが検索で検出できなくなっているようですが、変ですね。
私のところは出ていますので、目立つようにリンクを貼っておくことにします。

beachmollusc さん。 いつもご教示ありがとうございます。
検索の件ですが、「口蹄疫 データ」「口蹄疫 図表」などではgoogleでトップに出てきます。
「口蹄疫 数字」「口蹄疫 グラフ」でも上位に出すべく、言葉を書き換えたりしているのですが、
なかなか難しいですね。あとは、もっと有名ブロガー、サイトでリンクを張ってもらえると
だいぶ違うのでしょうが…。

未確認情報ですが、農水省がFAOの専門家派遣を断ったとか…。

一般のネット・ユーザーは単純に「口蹄疫」だけで検索するでしょう。 
関連データを見たいと考えるような人の割合は少ないと思います。

FAOのこと、調べてみましたが、共同通信を騙ったガセネタか、政府が圧力をかけて抹消させたのか、さあどちらでしょう。FAOに問い合わせたらすぐ分かりますので、心ある政治家に呼びかけています。農業新聞には5月9日時点での記事があるようですが、本文が公表されていません。

The Mainichi Daily News より
http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/national/news/20100521p2g00m0dm040000c.html

Meanwhile, the Japanese government has declined a proposal by the U.N. Food and Agriculture Organization to send an expert team to contain the escalating infection in Miyazaki.
しかしながら、日本政府は、宮崎県内で拡大している口蹄疫封じ込めのため、国連食糧農業機関(FAO)が派遣を提案した口蹄疫専門家チームの受け入れを断った。(共同通信の訳)

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その14:

« データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その13 | トップページ | データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その15 »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ