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2010年5月30日 (日)

データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その22

昨夜 5/29 23:55の公表データの数字により、グラフ・図表を更新しました。

更新した図表(pdf)はこちらからどうぞ。

「100529_.pdf」をダウンロード

昨夜の農水省ニュースリリース:

「児湯郡木城町で死亡していた野生カモシカについて、念のため抗原検査(PCR 検査)を行ったところ、陰性を確認しました。」

念のためじゃなくて、積極的に調査してください!!

5/28の赤松大臣記者会見。おかしすぎて悲しい。

1.高鍋町の被害状況

100529__2

川南ほど農家が多くないので、いつの間にかかなりの被害率に達している。

(但し、もともとの飼育数については?)

2.南側への拡散スピードが落ちている

昨日も載せた表だが、5/14からの1週間は指数的に増大。その後の1週間は、ぐっとスピードが落ちた。

100529__3

5月の現地の風の気象データ

Photo

出典:気象庁HP(この図は転載禁止です。)

理由のひとつとして、風向きが南に変わったからでは、という参考資料です。

消毒など、防疫体制によってスピードが抑えられた、というのなら望ましいのですが。

3.牛の殺処分対象頭数が急増している

昨夜発表の227例目(高鍋町)は3,957頭! 牛飼育農家ではこれまで最大(子牛が多いが)。

100529_21 100529_22 100529_23 100529_24

本日の東国原知事のブログより:

「昨日と一昨日の殺処分の分は、大体が、既にワクチンを打った牛・豚が発症した分である。つまり、ワクチン接種対象家畜は、発症しようがしまいが、いずれにせよ殺処分しなければならないので、新規の疑似患畜は少ないということである。」

何を言いたいのか意味不明。休む間もないとは思いますが、すこし休まれた方が良いのでは…。

ところで、「シェパード掲示板」の「防疫作業・終了しました」というスレッドに、163例目(牛884頭)の農場の方が、

殺処分、防疫措置作業の記録を記している。

これによると、作業人員は延べ400名以上ということだから、「約0.5名/頭」ということになる。

(小さい農場では、もっと効率が落ちるだろう。)

殺処分対象の牛(感染分)で未処分の牛は約17,000頭だから、このために延べ約1万人の作業が必要だ…。

4.えびの市の清浄化確認

昨夜の発表で、抗体検査がすべて陰性、とのこと。きのうの表をちょっと修正した。

100529__4

(参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)

(参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション ※Google Earthのインストールが必要となります。

        ※「レンチ」絵ボタンの「日付と時間のオプション」のアニメーション速度を低速へ設定するとゆっくり見られます。

(参考)OIEの Disease outbreak maps

    ・Terrestrial :Foot and mouth disease を選択

    ・choose species :牛cattle、豚swine、複数選択、全選択も可

    ・地図上の宮崎をクリックすると、別窓が開く

お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。

      但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)

お知らせ>宮崎産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。

100530_mango_s

宮崎産マンゴーを買いました。小さいけど甘くておいしいです。

データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。

誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。

Kon

私がコンタンです。人が来ると気になります。お客さんは歓迎です。(この写真は転載禁止です。)

このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。

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コメント

>野生カモシカについて、念のため抗原検査(PCR 検査)を行ったところ、陰性を確認しました。

http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/FMD/kouteieki.html
1.検査法について
(1)ELISA法とは
 抗原(病原体:ウイルス等)と動物の体内で作られる免疫抗体が結合しあう性質を 利用して,抗体に結合した抗原に特殊な酵素を結合させ,判定溶液を酵素により発色 させるという検査法。簡便で,微量な抗原を検出可能であり,短時間で判定できると いう特徴がある。
(2)CF法とは 坑原(病原体)と動物の体内で作られる抗体が結合する際に,血清中に存在する補 体(抗原と抗体の反応を補完する血中タンパク質)が使われることを利用した検査法 で,補体の消費量を指標とする(補体の消費量は抗原の量に比例する)。
(3)PCR法とは
遺伝子レベルで病原体を特定する手法で,ごく微量のDNAを数時関のうちに数百 万倍にも増幅させることによって,検査材料中の病原体DNAの存在を検知する方法。 ごく微量の病原体から検知することができ,短時間で診断できるという特徴がある。

死んでいたカモシカの体にウイルスは存在していない。しかし、PCR検査では免疫ができていてウイルスが表向き消えている状態を検出できない。言い換えれば過去の感染の履歴はわからない。

ELISA法と組み合わせて初めて「清浄性」が確認される。

現在の検査手順(マニュアル)は、疑わしい症状が出ている動物のPCRでウイルスの存在を確認してからELISAで追認する。つまり、過去に感染して治癒した動物は検出できない。

抗原(ウイルス)検査だけ「念のため」やったというのは、防疫上の極めて初歩的なミス。

beachmollusc さん。

なるほど…。専門家の意見でも
「死亡家畜内にいるウイルスは物にくっついている状態と一緒で、環境中のpHの変化とともに速やかに死滅(感染能力を失う)します。 肉は熟成とともに酸性に傾きます。」

ということですから、死んでいた動物の場合は(死後すぐの場合は別として)、PCR法だけでは不十分、ということですね。

しかし、動衛研の専門家なら知らないはずはないのでは…??

知っていて、一種のアリバイ工作だと思います。

大本営としては野生鳥獣ウイルスキャリアの存在は「家畜だけの清浄化」作戦に関係ないので、あえて無視でしょう。今回の口蹄疫が治まって、畜産業が復興するためには数年かかりますから、そのころに野生動物から家畜に感染が起こっても、担当者は交代しています。

 
5/28 「防疫作業 終了しました」 (シェパード掲示板 過去ログ40)
http://www.shepherd-clc.com/rebbs/re-bbs.cgi

本日、うちの牧場の防疫作業が終了しました。
かわいい牛達がいない真っ白な牛舎は、不思議な感覚にとらわれ「きれいだな」と感じました。

20日朝、親父の口から、「症状の出てる牛が3頭いる。」との言葉を聞きました。
肥育牛舎の中央付近でした。出荷前3ヶ月のビタ欠の部屋です。

「なんで?ワクチン決まって殺処分やないの?」
この一ヶ月、最後のさいごまで牛達を守ると決意し、お酢を買い占め、車内、家庭内消毒してきたのに・・・。

163例目、884頭、うち自分の牛達、お母さん16頭、お姉ちゃん3頭、子牛達12頭。

5月8日に産まれた金星32くんは、うちで産まれたお母さん牛の初子でした。
秀菊安ー福桜ー北国7の8ー平茂勝ー安平

三重送りの方から分けてもらった安福久ちゃんも妊娠鑑定が終わり、次のエースになるはずでした。

みんな、なついてくれて自分を牛養いとして育ててくれました。
3年間無事故で来れたのもこの牛達がいてくれたからこそです。

時系列で書きます。

19日 夕方、食欲不振の部屋を発見。

20日 朝、流涎3頭、食欲戻らず。木城町役場に連絡、宮崎家保立ち入り。検体採取。牛舎、親父宅以外に移動禁止。

21日 埋設地選定、同意確認。周りの畑の所有者の方が快く承諾。仮堀、本堀作業開始。

22日 午前中、準備、午後から殺処分開始120頭(麻酔筋注、保定、静注)、
    埋設(下から石灰、ブルーシート、と体、石灰、ブルーシート、土、石灰)。仮堀、本堀。

23日 殺処分140頭、埋設。引き続き仮堀、本堀。堆肥出し、牛舎掃除。

24日 殺処分240頭、埋設。引き続き仮堀、本堀。堆肥出し、牛舎掃除。

25日 殺処分260頭(うちの31頭含む)、埋設。本堀。堆肥出し、牛舎掃除。消毒作業開始。

26日 殺処分130頭、殺処分、埋設終了。作業備品埋却用穴用意。堆肥出し、牛舎掃除。消毒作業。

27日 堆肥出し、牛舎掃除。消毒作業。

28日 牛舎掃除。消毒作業。石灰敷設。備品埋却。

のべ400人以上の方に作業してもらいました。(県職員、役場、農協、地元建設業者、家保+NOSAI+県外獣医)

目の前に本当の地獄を見ました。

牛達が力なく崩れ落ちていく姿を見ながら、歯を食いしばり、涙をガマンしてました。
うちの牛達を治療してくれた獣医さん達が牛の前で泣いていました。

大臣に見てほしかった。そうすれば、どんな悲惨なことが起こっているのか頭がなくともわかったはずです。
すぐに官僚に頭を下げて、効果的な対策を打つべきです。

現場では肉体的、精神的に極限に達しています。

発生農場を一日15軒対応するのがやっとです。
うちみたいな大規模農場は日数がかかります。

もっと現場の分かる国の職員を派遣すべきです。
もちろん自衛隊の大量投入も。 統率の取れた大量の作業員の仕事の速さはすばらしいものがあります。

今後、約20万頭の殺処分が待ってます。 自衛隊しかこの数はこなせません。

最後に、埋設地は1メートル以上盛り土をしますが、腐敗によりガスが発生し、腐敗液が噴き出します。
朝晩手を合わせにいきますが、たまりません。

これから2週間外出禁止します。うちの嫁さんに苦労をかけますが、牛養いである以上、加害者になりたくありません。
もうこれ以上はたくさんです。

体験を残そうとスレッドをたてました。
何かのお役に立てれば幸いです。

全国の皆さん、今一度、牛舎、道路、車両、車内、自宅、家庭内の消毒の徹底を。
農家間の接触は御法度です。

自分からの電話に出てくださった皆さん、本当に心の支えとなりました。ありがとうございました。
再建を目指してがんばります。

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