データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その12
昨夜 5/19 23:50の公表データの数字により、図表を更新しました。
本日はJPEGを作ってないので、pdfでどうぞ。
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「アウトブレイクはまだ10日以上続く」
きのうの夜は、フジテレビの「LIVE2010 ニュースJAPAN」を見たのだが、キャスターが
今は対策をとるのが先だから、責任はあとで検証すればよい。
というようなことを言っていて唖然とした。知らないうちに私は、大政翼賛国家のパラレル・
ワールドにワープしてしまったのだろうか?
*
きのう、政府の対策が決定したので、今後どのようになるか考えておきたい。
まず、前提条件だが、
・ワクチンを接種して免疫を獲得するまでには、最低2日かかる。(標準は3~4日)
(ワクチンの効き目は、ウイルスの型によって異なるので、使ってみないと正確な
数字はわからないようだ。)
・対象となった20万頭の家畜にワクチンを接種するのには、1週間程度かかる。
(とりあえず、mixiでの現地獣医の噂話である。)
となると、ワクチンを接種した家畜がすべて免疫を獲得するのは、最短でも10日後の
ことになる。
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潜伏期間を考慮すれば、10日後までは今のペースで感染は増大すると思われる。
グラフで推測すると、10日後の5/30の累計は約400例になる。
(注:グラフの日付は「通報日」なので5/29となっています。)
控えめに見て、300例としても、約25万頭くらいになりそうだ。
ここ1週間での殺処分数は、牛が2,685頭(384頭/day)、豚が27,634頭(3,948頭/day)なので、
仮に計5,000頭/dayのペースで処分できたとしても、5/30日には、
・13万頭の未処分の感染家畜
・20万頭のワクチン接種の家畜
が殺処分を待っていることになる。
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同じペースで処分したのでは、感染家畜の処理だけで、さらに1ヶ月近くかかることになる。
仮に、運良く地域的な封じ込めがうまくいったとしても、その後1ヶ月の間、防衛ラインを
死守できるだろうか…。
もちろん、運悪く感染地域が拡大していったら、最悪の場合、そのままカタストロフィを
迎えることになる。
また、繰り返し書いておくが、野生動物に感染していれば、これまた難しいことになる。
今の対策は、とりあえずベストに近いかもしれないが、敵は非常に強力なので、勝敗は
かなり際どい。
ウイルス専門の獣医さんが「これは戦争」と言っていたが、司令官にその認識はあるのだろうか?
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(参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション)
(参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)
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お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。
但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)
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お知らせ>宮崎県産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。
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データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。
誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。
*
私が、コンタンです。(この写真は転載禁止です。)
このブログは、当家の下僕が執筆しています。
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未確認情報を流すのは慎重にしなければなりませんが、どうやら中心地から北にも拡大中のようです。
南の拡大に気をとられ、北にも来ていること、都農で再発、が忘れられていると思います。
間もなく日向市の発生が確認されるかもしれません。
搬出制限区域で搬出された豚たちが感染していたら、製品にウイルスが混入する可能性があり、
お知らせ>宮崎県産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。
このメッセージを取り消すことになります。
投稿: beachmollusc | 2010年5月20日 (木) 18時25分
beachmollusc さん。
17日から19日にかけて、強い南よりの風が吹いたようですので、今後のことはちょっと気にかかっています。
搬出制限区域の出荷促進は、いちかばちかの苦肉の策ですよね。
疑問を呈している専門家も多いようです。でも殺処分を増やしても実効できる目処が立たないので、
それなら出荷して運を天にまかせよう、ということなのかもしれません。
野生の鹿・猪のことも気になりますが、農水省としては、家畜の感染も止められるかどうかわからないのに、
そこまで手を広げてもしょうがない、ということなのかもしれません。
投稿: コンタン | 2010年5月20日 (木) 19時13分
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/
上のURLで養豚の内部事情について詳しく説明されています。ぜひ見てください。
大規模養豚施設が山中に展開されていることが書いてありました。
豚舎は密閉されているからでしょうが、外から見ても分かりません。
日向市内にある牛と豚の畜舎の絶対数が少ない(児湯郡より密度が低い)ため、感染が顕在化する確率が低くなっているのでしょう。しかし、自宅の1km先には牛舎があります。
なりゆき、運を天に任せる、というのは、すごい。
ヤギが、鹿と同様、あるいはもっと危険な感染拡大のブリッジになっているかもしれません。
人間が最悪のウイルスの運び手ですが、これは関係者の間で常識であり、その防疫は完全といえないでしょうが、最大限の努力がされています。
アウトブレークが空気中のウイルスの臨界濃度を越せば、そのエアロゾルによる拡散で広がるだろう、という概念が関係者の間になかったようですね。自分の頭の中では常識だと思っていましたが、情報交換の掲示板でのやり取りから想像すると、畜産関係者の間で空気感染は「新説」だったようです。
投稿: beachmollusc | 2010年5月20日 (木) 20時59分
beachmollusc さん。
やまけんさんのブログ読みました。そんな山中にあるんですね。
今の殺処分は、基本は薬物注射ですが、ウインドレス豚舎の場合は、目張りして炭酸ガス、
という方法もとられているようです。
口蹄疫の空気感染については、Wikipediaでも紹介されているくらいなので、良く知られていることなのかと
思っていました。でも、大発生に達するまでは、それほど起こらない、ということなのでしょうか?
どうも、専門家のサイトを見ても、このへんはあいまいです。
投稿: コンタン | 2010年5月20日 (木) 22時06分
ワクチン対策の実施の遅れを地元自治体の反対のせいにして、肝心な獣医師が確保されていない実態をごまかしている政府とそれを助けているマスコミ、救いようが無い国に住む不幸。
投稿: beachmollusc | 2010年5月21日 (金) 04時00分
政府の対策は、補償額で農家と折り合いが付かず、まだ始められずにいる。
しかし、1日遅れれば、かかる費用も、被害額もどんどん増えることを理解していないのだろうか?
札束を積んで強引に進めなければ、日本の畜産は壊滅して終わりだ。
政府は、特別立法で対策を進めることも検討中だそうだが、
法律があろうとなかろうと、地元の協力なしに対策をとれるはずもないのに…。
投稿: コンタン | 2010年5月21日 (金) 11時06分
全国から急遽集められた獣医さんたち50名(計画された数)が、20万頭の(いやがる、逃げ惑う)家畜の首筋にワクチンの筋肉注射を行う。正味10時間作業して1時間で100頭できるのかどうか。たとえ一人1日に1000頭注射できたとして4日かかるというわけですね。アシストとの呼吸が合って、流れ作業で行って何頭くらいできるのでしょうか。獣医さんたちに過労死が出そうな気がしてなりません。その前に牛さんを扱えるような獣医の人数が確保されたのでしょうか。
投稿: beachmollusc | 2010年5月21日 (金) 22時09分