データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その10
本日未明 5/18 AM2:15の公表データの数字により、図表を更新しました。
新たに15例の感染確認の発表があり、殺処分対象頭数も10万を超えました。
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昨日、政府の対策本部が設置されることになり、東京でも一斉に報道がはじまりました。
昨夜は、「NEWS23クロス」を見ただけですが、それなりに時間を取って説明していました。
但し、政府の対応の遅れを批判する、と言った論調です。
地元の人に、「いまさら何をするのか」と言わせていましたが、きっとその人からすれば、
今さらテレビ局が何をしに来るのか、という思いだったに違いありません。
キャスターの政府批判にも、「おまえが言うな!」と地元では思っているでしょう。
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ところで一般の人は、政府が1000億円出して、本腰を入れるから、これで何とか終息に
向かうのでは? と思ったかもしれません。
しかし、ちょっと考えてみればすぐにわかることですが、どんなにお金をかけて対策を取っても、
潜伏期間のことを考えたら、少なくとも1週間くらいは、今のペースで感染が増え続けるはずです。
(すでに感染してしまっているのですから。)
間もなく政府は、殺処分で徹底抗戦するか、ワクチン投与で長期戦に持ち込むか、究極の選択を
迫られることになるでしょう。理系宰相は、どう判断するでしょうか…。
(但し、もし野生の鹿に感染が見つかれば、結局は長期のワクチン投与しか方法がないでしょう。
この場合には、清浄化までの期間にもよりますが、何十兆円もの損失になるでしょう。)
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1.累計の発生例数(対数表示)
えびの市を除く数字を、対数表示したグラフです。
きっちり直線に乗っています。数字はウソをつきません…。解説は、「その9」をどうぞ。
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2.南に大きく拡大
119例目は、南に大きく離れた新富町です。
(参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)
(参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション)
一気に8キロも、範囲が広がってしまいました。
ところで、北よりも南の方ばかりに広がっているような気がします。
仮説ですが、ウイルスの付いた小昆虫やほこりが、風で飛ばされて伝播している可能性があります。
こちらは、5月の現地の気象データです。
出典:気象庁HP(この図は転載しないでください)
5月の10日、14日と、強い北よりの風が吹いています。
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3.川南町の被害
牛については、大規模な農場は全滅したそうです。
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4.処分の進捗状況
ここ1週間での殺処分数は、牛が1,765頭(252頭/day)、豚が42,925頭(6,132頭/day)で、
処理速度も増えていますが、増加に追いつかないことがわかります
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5.累計の発生例数と殺処分対象頭数
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6.個別の頭数と処理状況
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よりきれいに印刷したい方は、下からpdfデータをどうぞ。
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(参考)FAO 口蹄疫の緊急事態に対する早期対処緊急時計画
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お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。
但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)
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お知らせ>宮崎産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。
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データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。
誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。
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コンタンです。(この写真は転載禁止です。)
このブログは私の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。
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川南町における被害状況の表はグラフ表示も一緒に見せるとわかりやすくなります。
その際、規模(飼養頭数)で大小のランク分けをしておくと、どうなっているのかはっきりします。
多数の小規模農家が取り残されていて、長い間地獄を見続けている有様でしょう。
農水省のような、被害数だけ個別に示すやり方では、状況のすさまじさは伝わりません。
投稿: beachmollusc | 2010年5月18日 (火) 16時22分
beachmollusc さん。
牛については、今生き残っている農場の平均飼育頭数は10頭しかありませんから、
仰っている通りの状況ですね。
規模別のグラフは、被害農家については作れるのですが、生き残っている農家のデータがないので、
そちらは表現が難しいです。何かうまい手はないでしょうか?
投稿: コンタン | 2010年5月18日 (火) 16時40分
被害農家の1戸当たり頭数の分布曲線を作り、それがポアソン分布か何かであれば、生き残っている農家数と頭数が同じ分布であるとか仮定したモデルで計算するような方法はありませんか。それが合致せず、モデルが使えない場合は、broken-stick model というような配分モデルでしょう。
投稿: beachmollusc | 2010年5月18日 (火) 22時24分
beachmollusc さん。
頭数が多い方が、そのぶん感染しやすい(どれか1頭がかかれば全滅だから)のは、
間違いないと思います。
そういうモデルを検証したいところなのですが…。
投稿: コンタン | 2010年5月19日 (水) 01時31分
>そういうモデルを検証したいところなのですが…。
これは国際的に検証済みであるから、現在のstamping out方式、つまり、一頭でも出れば同じ畜舎内、さらに疫学的なつながりが明白な家畜は症状がでていなくても全部殺処分という、国際的な制度と理解しています。FAOにはそのマニュアルがあります。
http://www.fao.org/docrep/004/y0660e/y0660e00.htm
農水省のプレス・リリースの中に、防疫対策のために派遣されてきた延べ人数の数字があります。
これをグラフにして処分頭数の指数増加と見比べてみてください。
投稿: beachmollusc | 2010年5月19日 (水) 06時12分
beachmollusc さん。
どうもいつも舌足らずなコメントになってしまい、すみません。
・「大きな農場は、それだけ管理も行き届いているので、感染しにくい。」
という仮説が正しいかどうか、検証できないかと思っているのです。
今の私の直感としては、
・「今の感染対策は、ウイルスの侵入に対してあまり役立っていない。」
という仮説です。でもやり方はちょっと思いついたところなので、うまくいったらアップします。
>防疫対策のために派遣されてきた延べ人数の数字
はは。週末にでも見てみようかな。
でもようやく、物量戦では戦えないことに気づいたようですね。
投稿: コンタン | 2010年5月19日 (水) 11時11分
>「大きな農場は、それだけ管理も行き届いているので、感染しにくい。」という仮説
大きいところでは補助金や借金で規模拡大していて、餌の価格高騰もあって経営が苦しいから従業員もギリギリで、設備管理もどうかしら、と思っています。糞尿など汚物が大量に溜まりこみ、他所から応援も頼めず、現場の士気は大きいところほど早く落ち込んでいったのではないかと想像します。
その一方で、養豚のウインドウレスという密閉された畜舎での強制換気がウイルスを遮断したかどうか、検証するべきです。
投稿: beachmollusc | 2010年5月19日 (水) 14時20分
i am happy to find it thanks for sharing it here. Nice work.
投稿: Christian Louboutin Shoes | 2010年6月 2日 (水) 22時01分