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2010年6月14日 (月)

データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その31

090717_asikkala_115

本日未明 6/14(月) 1:35公表データの数字により、グラフ・図表を更新しました。

更新した図表(pdf)はこちらからどうぞ。

Photo(Top): Asikkala, Finland  Olympus E-330 + ZD11-22 (写真、図表はクリックで拡大します。)

In this blog, I intend to share graphs and tables of FMD outbreaks in Miyazaki, and I wish everybody understand what is currently happening in Miyazaki correctly.

You can download the latest data, renewed on 14 Jun. 2010 , click below. Thanks for accessing here.

「100613_.pdf」をダウンロード

(参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)

(参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション ※Google Earthのインストールが必要となります。

(参考)OIEデータによる口蹄疫発生状況(Google Earth)

1.発生がないのも、重要な情報だ

昨夜は19:00ごろ、原田英男さんのツイッターから

宮崎口蹄疫情報。本日、新たな感染報告はありません!「ないことはプレスリリースしない」とのことなので、私のツイート方針を破って、HPと連動しないツイートをしました。

というのが流れたのだが、夜になって西都市(ワクチン範囲外)で1件の感染確認があり、

未明のプレスリリースとなった。

昨日は、結果的には感染報告があったわけだが、今の状況においては「感染確認がない」

というのも重要な情報だから、ぜひプレスリリースを出してほしいものだ。

現地では、農水省の発表をどきどきしながら待っている人たちが大勢いるはずだ。

そういった状況にも、想像力を及ばせてほしいいものだ。

100613__daily

2.見えにくいリスク

下表は、個別の状況。

100613_31

100613_32

100613_33

典型的な症状については、6/2からPCR検査を行わずに感染確認を出すことになったのだが、

このところ、270例目(ワクチン接種から9日目)、277例目(ワクチン接種から13日目)、

278例目(ワクチン接種から15日目)、288例目(ワクチン接種から19日目)と、

症状だけでは判定できない豚の感染確認例が増えてきている。

これは、ワクチンの効果で感染に気づきにくくなっていることの現れだろう。

ワクチン範囲内でどれほど感染が広がっているのか、誰にもまったくわからない。

上の表の、右端のバーチャートは、感染確認から殺処分終了までの日数を表している。

10日や2週間はあたりまえ、という状況が見て取れると思う。

感染した家畜は、生きていてウイルスを吐き出すだけではなく、ウイルスに汚染された糞尿を出し続ける。

それも農場から出すわけに行かないのでどんどん敷地内に溜まってゆく。

また、新生の子豚は今回のウイルスに弱いので、生まれてはどんどん亡くなってゆく子豚の死体は、

冷蔵・冷凍庫に入れて保管したり、とにかく応急的に埋葬するしか方法がない。

これらのもの、特に、牛糞から発生するサシバエは、強力な媒介者になっているかもしれない、

という仮説を、ひむかのハマグリさんがブログで述べている。こうした小さな昆虫類の影響も、

はっきりしたことは、誰にもまったくわからない。

もうひとつの見えにくいリスクは、当ブログで最初の頃から書いている野生の鹿・猪への感染

のリスクである。これについても、状況は誰にもまったくわからない。

3.殺処分の状況

昨日(6/13)は降雨のため、感染疑いの殺処分はなかったそうだ。

このところ、殺処分のスピードは低下しているが、天候次第では、さらに低下するかもしれない。

100613_23

下図はワクチン分を含めた殺処分頭数。

100613_26

国は派遣する獣医師の増員を行っているようだが、今のやり方で、早期に殺処分が終わる筈がない

仮に「大きな続発がなく、雨も降らずに連日作業ができたとすれば」、豚の擬似患畜は1週間で処分が

終わるかもしれないが、牛については、現在の3倍のスピードで処理しないと1週間では終わらない。

しかし、無情な天気予報は明日(6/15)も雨、6/16は回復するが、そのあとも怪しい空模様だ。

100613_21

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4.全体の数字

以下、市町別の数字、全体のグラフをいちおう出しておくが、この数字以外に、どれほど

隠れた感染の広がりがあるのかわからない。

尚、昨日(6/13)行われた農林水産省の牛豚等疾病小委員会では、新たな発生地域については

「発生農場から半径1キロ圏内の大規模肉用牛経営農家を対象に、一定頭数の家畜の抗体検査を実施する」

という意見になったそうだ。

本当は、ワクチン範囲についてもサーヴェイを行ってほしいところだが。

100613_1 100613_4 100613_5

(参考)「広がり続ける」 (鹿児島大学・岡本嘉六教授)

「コンタンのブログ」は、平日のアクセスが多くて、いつもなら土曜日~日曜の夕方にかけては

アクセス数が少ないのだが、昨日は、原田英男さんがツイッターで当ブログを紹介して

くださったので、午後3時頃からアクセス数が急増した。

本日発売の「週刊現代」に「口蹄疫クライシス」という記事(志村岳)があったが、読んでみたら

どうでもいいような記事だった。

お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。

      但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)

お知らせ>宮崎産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。

100613_dinner きのうの晩ご飯: 黒毛和牛ステーキ

データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。

誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。

Kon_house

私がコンタンです。(この写真は転載禁止です。)

このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。

Hi, my name is Kontan. My servant writes this blog. This blog is link-free.

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コメント

20日までに擬似患畜約3万頭の防疫を終わらせる見込みの根拠はどこにあるのでしょう。

手間がかかる(作業能率が低い)牛が多く残っているので、これからまだ2週間はかかりそうですね。

これから雨は盛んに降るだろうし、サーベイランスをやるといっているから獣医の交代要員に限りがあるだろうし、まだ出そうなワクチン圏外での発症農場対策が優先だろうし、自衛隊の増派は助けになってもネックの解消にはつながらないと思われます。早くても今月末かもしれない。

2chで現場作業に従事した獣医さんのレポートを見ていると、大本営の認識が甘いと思わざるを得ません。1日1万やりなさいといったバカは問題外ですが、今の現場トップ(副大臣)はまともなヒトかもしれないと期待しています。大雨で1日休養できた現場チームの士気を損ねるようなことがないように祈りましょう。

>20日までに擬似患畜約3万頭の防疫を終わらせる見込みの根拠

ホントにどういう積算根拠になっているのでしょうかねぇ。

最近ここにも、maff.go.jp からのお客様が若干名いらっしゃっているのですが、
どなたか匿名で教えていただけませんでしょうか…。

副大臣の著書「農的循環社会への道」(2000年、創森社)が届いたので読んでいます。理想は私と同じですが、いかんせん、農林水産の生産現場の状況と構造的問題点、具体的な姿をまるで認識されていない。街の理想家だなと思えました。日本の田舎暮らしを数年体験しなければ、これまでmaffの皆さんがグチャグチャにした実態がわからないでしょう。

畜産は奇形の豚と奇形の牛を生産しているとか書いてありました、私なら「メタボ豚」と「メタボ牛」とします。
また、冬場に燃料を燃やして果樹栽培をすることを批判していましたが、まさにその現場に来ているわけです。
本が書かれた時期とくらべて林業の実態が破壊的になっていることは多分ご存じないでしょう。
餌を与えないで海の生産力を活かす「栽培漁業」についてはOKです。餌を与えて汚染を招くやり方は批判していました。

彼は役所では完全に浮いてしまって絶対出世できないタイプですね。議員さんとしての実績は知りませんが、本の中で子ども手当てを批判しているし、党内で浮いているのかも知れません。

木城町に「新しき村」という古い農業コミューンがかろうじて残っています。武者小路実篤が理想社会を目指したものですが、限界集落状態で、農地はダムに水没、廃墟になる寸前です。

「新しき村」!まだあったんですねぇ…。(埼玉のほうは活動もしているようですね。知りませんでした。)

ところでアメリカの海底油田事故も、すっかり長期化しちゃっています。
(海のほうがbeachmolluscさんのご専門ですから、いろいろ心を悩ませているかもしれませんが。)

この事故の影響で、油田開発の投資にブレーキがかかるので、比較的近い将来、石油の需給バランスが
逼迫して、エネルギー価格が高騰する可能性が高まっています。

その時、エネルギーに依存しすぎる農業、漁業は持続が困難になると思っています。

このブログの方は、バイオマスエネルギーを利用した温室農業をめざして川南町に移住して来たのですが、
口蹄疫でいろんな計画がすっかりストップしちゃったようです。
http://kojifarm.exblog.jp/

バイオマスエネルギーの方のブログにコメントを出しましたが、ちょっと意地悪だったためか返事がありません。

宮崎県はエネルギーとして太陽熱利用が有望ですが、ド田舎らしく、何でも利権がらみになっています。まさに痴呆行政と呼んでいます。社会のニーズの変化を見ないで、旧来モデルの(誰も来てくれない)企業誘致を目指し、補助金頼みで自助努力をしないばかりか地域住民の努力に水を差す連中が多い。川南と周辺は開拓村から出発して利権の草刈場にされ続けてきました。昔の代官・庄屋対農民の搾取関係が形を変えただけです。

石油価格がちょこっと上がった数年前に大騒ぎした皆さんですが、ハウス栽培用と漁船用の燃料(税金免除)の特別扱いでも悲鳴を上げていました。ほとんどの農協や漁協が流通独占してピンハネするし、現場を犠牲にする構造ができています。

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