« データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その38 | トップページ | データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その40 »

2010年6月28日 (月)

データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その39

_z187399

昨日 6/27(日) までの公表データの数字により、グラフ・図表を更新しました。

更新した図表(pdf)はこちらからどうぞ。

Photo(Top): サウナ小屋 Asikkala, Finland  Olympus E-330 + ZD11-22 (写真、図表はクリックで拡大します。)

In this blog, I intend to share graphs and tables of FMD outbreaks in Miyazaki, and I wish everybody understand what is currently happening in Miyazaki correctly.

You can download the latest data, renewed on 27 Jun. 2010 , click below. Thanks for accessing here.

「100627_.pdf」をダウンロード

(参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)

(参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション ※Google Earthのインストールが必要となります。

(参考)OIEデータによる口蹄疫発生状況(Google Earth)

口蹄疫リンク集」 (お世話になっている良質なサイト)

1.カウントダウン

全ての殺処分の終了まで、あと数日とカウントダウン状態になっている。

100627_27

残りは、牛9,045頭(13.3%)、豚5,334頭(2.6%)。

100627_28

政府からは、今月中に完了、の声も聞かれるが、今月中に終わるかどうかは微妙な感じ。

現場からは、「死人が出るかも」という声もあるようだが、無理していないのだろうか…。

「午後一番に事故が発生。同じ班で作業されていた方が、家畜運搬車から逃げた牛に吹っ飛ばされて負傷され、救急車で病院送りになってしまいました。そのまま作業は中止となり、解散となりました。」(6/27)

さりゅい人@獣医師 on Twitter

100627_29_3

2.高鍋町

前回、市町別の殺処分統計を示したが、全体の平均を示すのを忘れた。

全体は下表の通り。牛・豚とも平均約10日である。

100627_3

殺処分で最も苦戦した高鍋町の発生場所を Google earth で表示するとこうなる。

Takanabe_s

大きいデータは、こちらから。(この図は転載禁止です。)

「Takanabe.jpg」をダウンロード

高鍋町の状況は、こうなっているのだが、

100627_4

この中で、20日以上かかっているものに赤丸をつけると、

下図のようになる。(この図も転載不可です。)

Takanabe2_s

海沿いよりも、町の西側のほうが苦戦したことがわかる。

なお、227例目は結局近くで埋却地を見つけることができず、1.5kmほど離れた場所に埋却した。

時間がかかった理由はいろいろあるのだろうが、こちらのブログでは、現地の地質にも大きな要因が

ありそう、とのことだ。

おまけ

川南町の虹

お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。

      但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)

お知らせ>宮崎産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。

100626_miyazakibeef 一昨日の晩ご飯: 宮崎牛ロース

データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。

誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。

100627_kon_hyakunen

私がコンタンです。高鍋と言えばコレでしょう。(この写真は転載禁止です。)

このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。

Hi, my name is Kontan. My servant writes this blog. This blog is link-free.

« データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その38 | トップページ | データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その40 »

コメント

早速、埋設場所の問題点を解析してくださり、ありがとうございます。

高鍋で難儀した場所は空中写真で見えますが複雑にシワシワになっていて表面地形がデコボコです。

防災ブログの下河さんがコメントされたように、尋常な地質ではないのです。地層は宮崎層群という沿岸海底で土砂や粘土が堆積し、浅い地下水脈が極め付きの複雑な状態になっているはずです。

一方、川南と都農は尾鈴(古)火山の火砕流によってできた斜面の丘陵地になっていて、日向層群という粘土が海底で堆積して岩になった地層を突き破っています。火山の麓には湧水が湧き出るゾーンができることは皆さんにおなじみだと思います。児湯郡は国内有数の年間雨量を誇り、湧き水が豊富な地域ですから、断水を経験するようなことはありません。

さらに、海岸平野には海岸砂丘と平行になって砂丘の陸側に湿地が形成されます。縄文時代が過ぎ、海水面が少し下がって安定した弥生時代に形成された地形ですが、稲作用の農地として広く干拓され近代の高い農業生産性をもたらしました。川南の海岸にも一部でそのような低湿地が残っていて、農地に利用されていなかった不毛な湿地周辺に畜産農家が立地した場所があったようです。当然、そのような場所で穴を掘れば水が湧き出ます。

以上のように、作物の農業立地が不利な地形・地質の場所に多くの畜産農家が展開し、密集していたことが口蹄疫の防疫を極めて難しくしたと思われます。せっかく見つけた候補地でも、掘っても掘っても水がわいて出て埋設をあきらめていたと想像しています。

今日(6/28)、宮崎県に口蹄疫復興対策本部ができたそうです。
私は東京に住む部外者ですが…、ぜひ衆知を集めてほしいものです。

宮崎県は「陸の孤島」とも呼ばれていて、全体的に周囲は山地に囲まれ九州の中でも孤立しています。しかし、温暖で太陽と水に恵まれて、暮しやすいすばらしいところです。口蹄疫の後遺症は大きいでしょうが、あなた任せでなく自立して立ち直る努力をすればしっかり復興できるものと思います。

上のコメントで忘れていましたが、被災地の中で埋設地が確保できなかった地勢の一つは頁岩層が地表に出ているような場所です。粘土質が固まった岩で重機で掘削が難しかったかもしれません。青島の鬼の洗濯岩もお仲間の岩層です。

6/28(月)終了分までの殺処分データです。(宮崎県まとめ、データ協力:丸山裕次郎県議)

■未処分頭数
  牛 5,582頭 (8.2%)
  豚 3,073頭 (1.5%)

■6/28の(1日の)殺処分頭数
  牛 3,463頭
  豚 2,261頭
  計 5,724頭

(全体数は6/27と変わっていませんので、ブログ本文を参照ください。)

宮崎日々新聞(6/29)
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=28364&catid=74

 口蹄疫発生地域で大量に残されている家畜のふん尿、堆肥(たいひ)について、防疫処理後、一定期間たてば「堆肥としてこれまで通り利用が可能」として、県が関係自治体へ処理・利用を促していたことが28日、分かった。

 川南町を中心とするワクチン接種区域の制限解除には、ふん尿など汚染物の処分が不可欠だが、広大な埋却地確保がネックとなっていた。県としては堆肥利用で処分を進め、清浄化を急ぎたい考えとみられる。

 県が同日県庁で開いた自治体担当者会議で説明した。会議は非公開で、出席した関係者らによると、堆肥やふん尿をすべて埋却するには「6メートル幅で延長約10キロの埋却地が必要」と県が試算。埋却は事実上不可能として、農林水産省などと協議。防疫処理や一定期間おくことでウイルスを死滅させ、安全な状態にする方法を選んだという。

東アジアにおける口蹄疫に関するOIE緊急会議 (2000年6月)
http://vetweb.agri.kagoshima-u.ac.jp/vetpub/Dr_Okamoto/Animal%20Health/OIE%20EMERGENCY%20MEETING.htm

一読して呆然とした。

>一読して呆然とした。

現場を知っているまともな大学教員だったら全く驚かないことなので、それをいまさら言われてもで、まあ情けないというしかありません。

お金につながる技術開発以外は、特に農学などマイナーな学問分野は捨て置かれている日本にしたのはバブル時代の後遺症、拝金主義のためと思います。

初動の遅れの中に、まさしく岡本さんが指摘されたもう一つのポイントがありましたね。検査体制の問題ですが、そういえば、最初の検体はイギリスへ送っていました。追認のためだったでしょうが、普段から迎え撃つ用意が国として全く無かったことを証明していますね。

海外の情報を集めていて記述を見かけましたが、日本はどうなっているのかと海外の専門家からも気にされていましたね。国として大いに反省しなければなりませんが、なにしろ陸の孤島で起こった片隅だけの問題ですから世間はすぐまた忘れるでしょう。。。サッカーや大相撲の方により関心が集まっているし。

beachmollusc さん。
研究開発予算のこともありますが、政府の採るべき基本政策が、ちゃんと書いてあるじゃないか、と思ったのと、
今回もまったくこうした基礎的な対策に触れていないなぁ、って思ったからです。

>日本はどうなっているのかと海外の専門家からも気にされていました
サッカーでは Japan plays good. ですが、FMDについては Japan played bad. でしたね。

農水省HPに、処理数のグラフが出ています。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/graph0625.pdf

これを見ると、5/11に8,000頭台に達した殺処分数が、その後急落しています。
気象データと並べると、これが天候のせいでないことは一目瞭然なので、
手は用意できたが、埋却地が用意できなかった時期がこのへんにあるようです。

ハエの異常発生
http://kojifarm.exblog.jp/14681050/

農水省リリース(6/29(火) 18:00)

宮崎県は、27日までに抗体検査(ELISA検査)で陰性を確認できなかった都城市の1農場の牛1頭について、昨日、改めて血液を採材し、(独)農研機構動物衛生研究所に送付しました。(独)農研機構動物衛生研究所が抗体検査を実施し、本日、陰性を確認しました。


山田農水大臣記者会見(6/29(火))
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/100629.html

仮にワクチン接種家畜が、今月中に全部埋却処分されたとしても、いわゆる糞尿とか、敷わら等々にウイルスが、まだ生きたまま、かなりの量、あの地域に付着していると考えておりますので、それから、まだまだ、いつ飛び火するか、いつ飛び火するか分からない、私自身は、ちょっと非常に心配しておりまして、何となく、まだ1、2件出そうな気がいたしております。非常に不安は感じておりまして、ただ、大きくは、かつての勢いはないとは思っておりますが、こういう時こそ、油断しないで、最後までしっかり消毒に、みんなで防疫体制に、気を緩むことなくやっていただかなくてはいけないと、そう考えているところです。

山田大臣を少し見直していますが、ハエのことを意識しての発言だったのでしょうか。

心配したとおり、大発生しているようですね。イエバエとサシバエは見分けが難しいのですが、人を刺したら間違いなくサシバエです。刺された人が多ければ騒ぎになるはずなので、イエバエが主力でしょうね。イエバエでもベクターとなってウイルス感染に関わる恐れはあるでしょう。ただし、遠距離拡散は車などに便乗しないと起こらないはずです。

雨が続いていることはハエ、サシバエの飛翔を押さえていると思います。

内閣官房は、早期終結派。(選挙対策でしょうか)
東国原知事も、早期終結派。(ずっと夏休み前、を目指していますから)
山田大臣の発言はなかなか慎重ですが、いまのところ7/16の清浄化を否定してはいないようです。

それにしても、「ワクチン接種の家畜の中に一定数の感染家畜がいる」と言っている一方で、
擬似患畜の埋却終了から3週間で清浄化できる、と言っているのは、法律を都合良く解釈しすぎでしょう。
地元の皆さんの、一刻も早い清浄化を望む気持ちは良くわかるのですが…。

滞積した糞尿については、量の問題で近い場所での埋却は不可能、というのは事実なのでしょう。
運ぶのは危険でしょうから、そのぶんは現地でなんとか安全レベルにもってゆくしかなさそうです。

但し堆肥としての利用は、風評被害を避けるためにはまずムリでしょうね。
いずれはどこかに埋却地を探す必要がありそう。(安全ならそんなに深く埋めなくてもいいのでしょう。)

堆肥について詳しい情報を知りませんが、聞くところによると内部温度が上昇してウイルスが不活性状態になるまで時間がかかり、それも内部だけのようです。つまり、内部と外部を入れ替えながら発酵を促進させ続けることが必要だそうです。放置されたままのところが多く残っているようですから、山田大臣の心配は畜産現場を知っているだけに説得力があります。その点で知事や大臣を除く国の対策本部の皆さんは疎いのではないでしょうか。

きのう(6/29)殺処分されたワクチン接種農家のブログ。
http://yaplog.jp/ushikaidaisuki/archive/199

20日前の写真ですが、こんなふうに堆肥舎がいっぱいで、切り返しもままならない農家は多いのでしょう。

もう20年ほど前ですが、東京都世田谷区で有機農法をやっている、大平農園を見学したことがあります。
そこでは、街路樹や庭木など、造園業の方から剪定した枝葉を引き取って堆肥化していました。
残留農薬についても説明があり、きちんと切り返しを行って醗酵させれば、熱の効果もありかなり低いレベルに
できるとのことでした。(何度か調査して検証したとのこと。)

パソベッツこじまさんのブログに、東国原知事が清浄化を急いでいる事情のひとつに、
「全国高総文祭みやざき2010」 (8/1~8/5)
http://www.miyazaki-soubun.jp/
の存在もあるのでは、という書き込みがあった。

(参考) http://twitter.com/mikio7208

6/29(火)終了分までの殺処分データです。(宮崎県まとめ、データ協力:丸山裕次郎県議)

■未処分頭数
  牛 2,070頭 (3.0%)
  豚 1,323頭 (0.6%)

■6/29の(1日の)殺処分頭数
  牛 3,512頭
  豚 1,750頭
  計 5,262頭

(全体数は6/27と変わっていませんので、ブログ本文を参照ください。)

宮崎日々新聞(6/30)
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=28422&catid=74&blogid=13

 東国原知事は29日、口蹄疫ワクチンの接種を拒否している民間種牛6頭を飼育する高鍋町内の農場経営者に対し、口蹄疫対策特別措置法に基づき、牛を殺処分するよう勧告した。

 特措法に基づく殺処分勧告は初めて。経営者が勧告に応じなければ、知事は家畜防疫員に強制殺処分を命じることができる。

 ワクチン接種の対象農家は川南町を中心に1025戸(約12万5千頭)。関係者によると、東国原知事が同日、経営者を直接訪問。7月上旬までに殺処分を終えることなどを求める「勧告書」を手渡したという。

宮崎日々新聞(6/30)
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=28434&catid=74

 県は30日、口蹄疫問題で開催の可否が未決定だった第34回全国高校総合文化祭・宮崎大会(8月1~5日)を予定通り開催すると発表した。

 同祭は県内8市町で開かれ、全国から高校生など約2万人が参加する県内では今年最大級のイベント。

MRT宮崎放送ニュース(6/30)
「非常事態宣言 1日一部解除」

県は、1日の午前11時に、口蹄疫の非常事態宣言を44日ぶりに部分的に解除することを決めました。
4月20日に1例目が確認された宮崎の口蹄疫。
県などは、感染が疑われる家畜と、ワクチンを接種した家畜、合わせて27万頭あまりの殺処分を進めてきましたが、30日、すべての処分が終了します。
これを受け、県は、先月18日に発令した非常事態宣言を1日の午前11時、44日ぶりに解除することを決めました。
今回は、部分的な解除になる見通しです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559283/48743123

この記事へのトラックバック一覧です: データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その39:

« データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その38 | トップページ | データで見る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その40 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ