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2010年6月22日 (火)

データで見る口蹄疫対策の遅れ(2010年 宮崎) その36

090717_asikkala_29

昨日 6/21(月) までの公表データの数字により、グラフ・図表を更新しました。

更新した図表(pdf)はこちらからどうぞ。

Photo(Top): Asikkala, Finland  Olympus E-330 + ZD11-22 (写真、図表はクリックで拡大します。)

In this blog, I intend to share graphs and tables of FMD outbreaks in Miyazaki, and I wish everybody understand what is currently happening in Miyazaki correctly.

You can download the latest data, renewed on 21 Jun. 2010 , click below. Thanks for accessing here.

「100621_.pdf」をダウンロード

(参考)発生状況の地図 google地図(hisaさん他)

(参考)「宮崎県の口蹄疫拡大プロセス」(Google Earth アニメーション ※Google Earthのインストールが必要となります。

(参考)OIEデータによる口蹄疫発生状況(Google Earth)

口蹄疫リンク集」 (お世話になっている良質なサイト)

1.3日間新たな発生なし

100621_daily

きのうまで3日間新たな発生なし。3日連続で新たな感染確認がなかったのは、4/20の最初の感染確認

いらい、初めてのことだ。

(注:昨日、290例目の牛の頭数が訂正されたので、全体の頭数は9頭増えています。)

鹿児島大の岡本嘉六教授が、こちらで、

「畜産関係者の間で「鳥や昆虫が媒介するのでは手の施しようがない」といった困惑が広がっていることを憂慮したからである。口蹄疫の基本をきちんと理解し、同じ血清型が侵入したお隣りの韓国では宮崎県のような悲惨な事態になっていない理由を考えてもらい、基本を忠実に実行すれば制圧できる病気であることに気付いてもらいたい

と書いているが、ようやく殺処分が進んできて、基本の防疫体制に近づいてきたのだと思う。

2.殺処分の進捗状況

下のグラフは、ワクチン接種ぶんを含めた殺処分ののこりの頭数の推移。

100621_27

感染疑い(擬似患畜)の豚は、昨日でようやく全て殺処分が完了したが、

牛についてはまだ6,285頭が処分を待っている。

それにしても、このところ現地は大雨のようだが、良く処分が進んでいるものだと思う。

本日(6/22)は曇りだが、明日はまた大雨の予報になっているようだ。

100621_34

感染疑いで処分が終わっていないのは、残り4例。

100621_26

ワクチン接種ぶんを含めた全体では、

  牛は、残り27,391頭(40.3%)

  豚は、残り17,865頭(8.6%)

となっている。

100621_2

このグラフは、この三日間の1日あたりの殺処分頭数。

今週はまだ雨が続きそうだが、今のペースで考えると、牛はあと12日くらい、豚は今週中くらいに

処分が終わりそうだ。

下のグラフは、最初の感染確認からの未処分頭数(感染疑いの家畜)の推移。

ついに豚がゼロになったのは私にとっても感慨深い。

100621_24

100621_25

3.糞尿の問題

宮崎大学農学部・獣医衛生学研究室のHPが更新されて、現地のいろいろな情報が追加されたが、

   埋却地が十分確保できないため、糞尿が埋められない。

   移動制限のため、堆肥舎に切り返しができないくらい溜まっている。

   再建にとって、大きな課題だ。

  堆肥化すれば、熱で不活化できる。

  しかし、不完全であれば、ウイルスが生き残る可能性がある。

というのがたいへん気になった。

ちなみに、ひむかのハマグリさんは、ブログで、家畜の糞から発生するサシバエが、

感染を媒介している、という仮説を提唱している。(ブログに関連エントリー多数。)

4.おまけ

石井動物病院(大阪)のHPを見ていたら、こんな言葉があったので紹介したい。

  「大動物は体の糧、小動物は心の糧、野生動物は子孫への糧」

人間中心主義だと言う人もいらっしゃるかもしれませんが、私はなかなかいい言葉だと思いました。

お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。

      但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)

お知らせ>宮崎産の豚肉・牛肉・乳製品は安全です。

お知らせ>麻布大学緊急公開講座「口蹄疫を正しく知ろう」 (6/26(土)13:00-16:00)

データは、農水省、宮崎県、OIEの公表データをもとに、個人的に集計したものです。

誤り、疑問点などありましたら、コメントをよろしくお願いします。

Kon109

私がコンタンです。(この写真は転載禁止です。)

このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。

Hi, my name is Kontan. My servant writes this blog. This blog is link-free.

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コメント

6/22の山田農水大臣記者会見
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/100622.html

【記者】
口蹄疫に関連してですけれども、弊社の取材で、飼われている牛、家畜ですね、それと野生の鹿なんかが、限りなくゼロに近いぐらいの距離で同居しているような映像が撮れたのですね。専門家の方がご指摘されているように、野生の動物というものも、伝染の一助と言えるというふうにご指摘がある中、ちょっと、甘いのではないかと思うのですけれども、その現状の認識と、もし、これが、まずいとすれば、どういった対策が必要で、どう、何をしていくかということをお願いします。

【大臣】
野生のシカ、イノシシについては、当初から心配しておりました。県の方とも、話、小沢環境大臣ともお話しさせていただいて、猟友会等々が、近隣に近寄らないように見回りしてもらうような手はずも取っていただいているのですが、なかなか野生のシカ、イノシシの多いところです。
しかし、一方、野生のシカ、イノシシについても、数例については、いわゆるPCRの検査をさせていただきました。今のところ、「シロ」というか、陰性だったわけです。これから先も、野生のシカ、イノシシは、いわゆる家畜のところに近寄らないようにということで、県の方にも、いろいろ一生懸命言っているところです、市町村にも。なにしろ、早く、いわゆる患畜、疑似患畜及びワクチン接種の家畜、いわゆる牛・豚の早く埋却をしてしまうということが先決だと思ってまして、かなり総力を挙げて、7月の上旬と言わず、天候次第では、この6月以内に終わらすことができればと考えているところです。
ちょっと、私の先ほどの数字が間違っていたようで、患畜が、まだ6千頭近く残っておりまして、5千何百頭だと思いましたが、ワクチン接種の家畜が、まだ3万9千残ってますので、合わせて、これから殺処分予定、埋却予定が4万5千頭まで、だいぶ作業は進んできているということです。

【事務方】
補足ですが、疑似患畜が6千3百頭、約6千3百頭です。

【大臣】
そうか、5千いくらじゃなかった。

データ整理、ご苦労さんです。

高鍋の牛農場の残りは大規模であり、周囲は起伏に富んでいて水脈が走っている場所ですから埋設場所の確保が難しいと想像しています。移動させて処理する方法も法律の修正で可能になっていますが、近くではもちろん、離れている場所は余計大変だろうと思います。排泄物が溜まっていることは間違いないでしょう。

岡本先生が翻訳された元のマニュアルには吸血昆虫や野生動物についての項目はありません。風で伝播するというのは事実でしょうが、感染家畜が吐き出すエアロゾルと汚染物からの粉塵付着の舞い上がりが主体だろうと思っていますが、昆虫を無視するべきではないでしょう。

同時進行の韓国の例で昆虫などが出てこないのは発症のごく初期で制圧されているためでしょうね。韓国の飛び火のルートは畜産関係の人間によるものとほぼ判明しているようです。

蔓延してウイルスが充満すれば、通常では起こらないリスクが出現すると思われます。昆虫などのヴェクターはウイルスを増幅しないはずですが、人間や車などが機械的に身に着けて運ぶのと同じか、あるいは、吸血する場合はピンポイントで家畜の感染という高いリスクが考えられるでしょう。

都城、宮崎の1例目、日向市の3箇所はそろって山中で孤立した牛舎での飛び地発生でした。ただし、正確な場所は公表されていないので、状況や伝聞からの推理です。それぞれ厳重に防疫体制を敷いていたと思います。つまり、防疫マニュアルの項目から外れていた、穴があった、ということでしょう。

選挙対策で尻を押されて急ピッチみたいな印象は、ノンポリの偏見でしょうか。もちろん、巻き込まれた農家と現場で作業に苦労されている関係者の皆さんができるだけ早く(精神的にも肉体的にも)開放されることを願っています。入梅が遅れたことは若干救いでしたが、そもそも梅雨前に大元の発生地で防疫を完了させるということを絶対的な目標にできなかったのはどうしてだったのか:チマチマ大臣の現状認識がずれていたからでしょうね。

beachmolluscさん。
今日、篠原副大臣がはじめて「終息の方向」という見解を示したそうですが、
ここまで処分が進めば、続発しても制圧可能だろうと思います。
あとは、野生動物に感染が広がっていないことを「祈る」だけですね…。

感染を終息させるのが最優先なことは確かですが、それにしても、
終わったときに、感染ルートも、感染が広がったルートもわからない、
というのではたいへん残念なことです。

今回、感染拡大の様子を観察しているだけでも、いろんな謎があります。
そろそろいくつかの研究チームを組織して、いろんな調査を行う、というわけには
いかないのでしょうか? (関連学会の動向はよくわかりませんが。)

5月頃は、大雨の日は殺処分は休みだったようですが、今はそんなことも
言っていられないのでしょう。作業終了までの無事故を願っています。

今まで感染状況を固唾を呑んで見守っていたのですが、何とか収束が見えてきたようで何よりです。
もちろん油断は出来ませんが、終わりが見えてきたというのは気分的にかなり違うと思いますね。

・・・これからの大きな問題は、今後の酪農活動再開のための補償金問題ですね。
農水大臣があの山田では、酪農家や関係者が再度自立できる分の補償金を本当に出すのか、とても心配です。
これからも注視していく事にします。

このサイトのおかげで口蹄疫の詳しい情報が入手でき、非常に助かっています。
貴重な情報、ありがとうございます。

これからも応援しています。

酪農は乳を出す動物を飼い、乳や乳製品を主要な収入源とする畜産のこと。畜産全般を表す言葉ではありません。

昨年、大分の山地にサルナシ類を捜しに出かけたときに見た久住高原の広大な牧草地が広がる景観を見て牧畜の営みと自然の調和との美しさに感激したものです。

宮崎県北部には鏡山という標高600m余りの山頂に牧場があり、観光農場となっていますが、苦戦しているそうです。そこは北浦の美しいリアス海岸を見下ろすスカイスポーツの基地でもあり、近くの斜面に見事な茶畑が見られます。田舎の山間地であっても、生産者も来訪者も楽しめる、美しく心地よい空間をつくることは不可能ではないと思います。

田舎の良い所を集合させて生産者の営みが観光資源となるようにする「景観デザイン」の意識が日本には決定的に欠けています。

破壊的な林業を推進させるために林道を張り巡らせ、その道筋の山中に、輸入飼料依存で排泄物の処理に困るような箱詰め状態の畜産施設を密に展開させるようなありかたを改めねば、とても先進国とは見なされないと思います。畜産業の復興を自然災害の災害復旧事業と同じように、再び同じ問題が起こるような形に「戻す」ようなことがないような「政治」が求められます。

beachmolluscさん。
建築や都市計画に関わっている者としては、日本の景観が、都市も田舎も総じて美しくないことは耳の痛いことです。

但し、今の私の認識としては、日本全体の社会のしくみと、心情のあり方がもたらしているのが、今の日本の
風景なのだと思います。
ちょっとずつ、良い事例を作り出して変えてゆくしかない。

でも、80年代以降、多くの日本人が海外に行くようになって、「なぜヨーロッパの景色は美しいのか」というようなことを、
一般の人も考えるようになってきました。そんなところからも、良い方向への変化は出てきていると思います。

被災地の復興がどのように描かれるのか、今はわかりませんが、都市の震災復興計画などと異なり、農村計画はたいへん
マイナーな分野です。経済的なことだけで終えてしまわないようにするには、官民の熱意が必要でしょうね。

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