« データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その46 永遠の謎 | トップページ | データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その48 5月22日まで »

2010年8月27日 (金)

データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その47 発生初期の大幅修正

037_bartolome_m 036_bartolome_m

Photo(Top): Isla Bartolome, Galapagos (写真、図表はクリックで拡大します。)

口蹄疫の疫学調査に係る中間的整理」により、初期の推定の発症時期が公表された。

詳細な根拠は示されていないので、この推定日の妥当性についてはわからないが、

これにより、1,2,3,4,6,7,8,9,12,15例目の発症日を変更した状況を示す。

(この10例が4/20までに発症と推定されている。)

1.発生状況(1例目~15例目まで)

100825_115 

「100825_1-15.pdf」をダウンロード

Fmd_sheet_a01s

「FMD_Sheet_A-01.jpg」をダウンロード   (2100*1500) その他の図は「その46」にあります。

「FMD_Sheet-A01.pdf」をダウンロード

この表を見てわかるとおり、4/20の時点から、殺処分は大幅に遅れていた

農水省が「国際標準の対策を取っている」と胸を張っていたのは全くの認識不足で、

実は、気づいたときには対策はすでに「手遅れ」になりかかっていた、というのが事実のようだ。

また、9例目(えびの市)への感染の原因は、7例目農場の

「4月13日:食肉処理施設に出荷。当該農場で9頭積載後、同一車両で9例目農場(えびの市)で3頭積載。」

が感染原因だというふうに、うっかり読んでしまいそうだが、この推定では9例目の発症日は4/17だから、4日しか経っていないことになる。

それよりもっと前に感染が起こっていた、と考えるべきなのだろう。

ところで、7例目は「4月13日:食肉処理施設に出荷。」ということだから、汚染された可能性のある牛が

出荷されていたことになる。このことは、風評被害につながりかねないので、いまのところどのメディアも取り上げていない

ようだが、万一、汚染された肉がいまでも冷凍されていれば、感染源となりうることは、過去の事例から知られている。

2.30農場での発見の遅れ

1,2,3,4,6,7,8,9,12,15例目の発症日を変更した、発症数の推移のグラフ

100827_taisuu

同じく、変更した場合のEDR値のグラフ(EDR値については「その45」参照。)

100827_edr

何れのグラフでも、4月下旬に、「不自然な感染拡大の停滞」が起きたことになってしまう。

おそらく(というより間違いなく)、5月始めの発症とされているもので、実際は4月下旬の発症だった例が

いくつもあるのだろう。

中間的整理によれば

一部の発生農場(30農場)においては、高い抗体価を示す個体が認められたことから、

結果として異常畜の発見に遅れがあったことが示唆された。」

ということで、どの例がこの30例に該当するのかは公表されていないが、

ともかく推察できるのは、4月下旬には、もっと多くの発症があったに違いない、ということだ。

GWから、感染数が「急増」したように見えたが、実際の感染急増は、赤松大臣がノンビリ出張に出かけた

4月下旬から起こっていたのだろう。

3.規模、経営、発症日の関係

農場の規模、経営、発症日の関係のグラフを示す。

「100827_kibobetsu_fmd.pdf」をダウンロード

Fig.3-1 川南町(牛)

100827_kibobetsu_fmd_1   

Fig.3-2 川南町の南側(牛)

100827_kibobetsu_fmd_2

Fig.3-3 都農町・日向市(牛)

100827_kibobetsu_fmd_3

Fig.3-4 豚

100827_kibobetsu_fmd_4

まず、川南町の牛(Fig.3-1)についてだが、

  a.大規模な肥育農場が、早く発症している。

  b.小規模な農家は、ものすごく健闘している。

このグラフには、発症せずワクチン処分された農家は出てこないが、

今年2月の時点で、川南町の牛飼養農家は、 酪農23戸、繁殖251戸、肥育23戸、計297戸だった。

一方、発症した農家は126戸で、半数以上(57%)の牛農家が、川南町においても、最後まで発症しなかった

全体の頭数から考えると、生き残った農家のほとんどが、小規模な農家だと思われる。

今後に向けて、考えるべき事実である。

川南町より南側(Fig.3-2)では、

  c.圧倒的に大規模な農場ばかりが発症した。

ことがわかる。これはたいへん特徴的なことなので、次回にでも書きたい。

このエリアにも多くの牛農家があることは、「その46」の最後の図でもわかるし、その多くは小規模な農家だろう。

都農町、日向市(Fig.3-3)では、

1例目、6例目と、その後の発生には明らかにつながりがない(だろう)ことがわかる。

豚のグラフ(Fig.3-4)では、

  d.規模による違いが見られない

ことがわかる。

尚、ホルスタインが口蹄疫に強い、という説も見かけるが、今回は、はっきりした違いはなさそうだ。

また、ビタミンA欠乏(サシを入れるために必要ギリギリの量で育てる)の肥育牛が、感染しやすい、という観察もあった。

抵抗力が低下するとのことで、これもありそうだが、はっきりとしたデータはない。

4.噂について

少しづつ公表が進むにつれて、発生中にネットやツイッターで流れていた噂が、

意外にいい線をついていたことがわかる。これからまだまだ、解明されるのだろうか…?

個人的な感想として言えば、今回一番見直したのはネットの噂で、一番失望したのは、全国紙・TV・雑誌などのメディアだ。

5.全ての殺処分数

本日(8/27)、終息宣言ということで、殺処分数の記事が出ていた。

種別のわからないのがあって気持ち悪いが、とりあえず表をアップしておく。

「100827_FMD_Total.pdf」をダウンロード

100827_fmd_total1

100827_fmd_total2_2

9/8追記) ムッチーさんのブログによると、農場数1,250件、経営体数1,210件とのこと。

上の表の1,277件という数字(出典:読売新聞)には、公的機関、学校、個人のペットなど、

農業者以外の数字が含まれていると思われるが、正確なことはわからない。

(10/20追記)必読

池亀 康雄 「宮崎県口蹄疫発生第6例目(水牛農場)に遭遇した臨床獣医師からの報告

(「日獣会誌 63」 p.737 ~ p.739 (2010)   PDF 337KB)

100723_kon_nap_109

私がコンタンです。東京も残暑厳しいです。(この写真は転載禁止です。)

このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。

Hi, my name is Kontan. My servant writes this blog. This blog is link-free.

« データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その46 永遠の謎 | トップページ | データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その48 5月22日まで »

コメント

「教育」、「しつけ」、「食育」、そして「運動」 (農業への道、牛飼いへの道)
http://usi-cow.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-6c22.html

先日、何で繁殖と肥育は分かれているのかって、友人に聞かれたが、なかなかうまく答えることができなかった。


2例目の次に8例目が高い抗体値を示しているわけですが。 距離的には、離れているわけです。ハブは別にある可能性がです。


零細、小規模、大規模の区分けで繁殖と肥育も分けないと、ここは変わってきます。零細、小規模、は、繁殖業がしめてます。大規模は肥育業が可能です。
繁殖は、子牛生産にかかわりますので歩留まりが悪い事も出てきます、幼牛の死亡率が高いですし母牛の健康管理も必要です。
ある程度まで成長したものを、育てるのと手間は大きく異なります。大規模は不可能となります。 繁殖業は効率化は不可能であることですね。
繁殖と肥育は税制制度も分かれているようです。助成金も違うようですし。


omizo さま。

> 零細、小規模、大規模の区分けで繁殖と肥育も分けないと

解析の方法に対するご提案かと思いますが、いまひとつよく判りません。
よろしければ、もうちょっと具体的にご説明願えませんでしょうか。

改善できる所は、皆さんのお知恵を頂きながら修正しております。

>ハブは別にある可能性がです。

初期の例だけでも、遺伝子の変異を追跡するわけにはいかないのでしょうかね。
今からでも可能で、最も説得力のある感染経路の推定法だと思うのですが。


零細、小規模、大規模の区分けで繁殖と肥育ですが。私は専門外ですので、細部まで説明は不可能なのですが。
小規模の所が感染を免れていることですが。零細、小規模ですから外との接触を避けることは可能ではあるのですが、
他に零細 小規模である理由に、繁殖業の業務的問題も含まれます、大規模化できない問題です。

ほとんどが家族経営であるようです。 精液を自己の雌牛で子牛を生産する体系ですので効率企業化はほぼ不可能のようです。
24時間の管理体制が必要であり。効率化は不可能な分野との事のようです。 これが、繁殖業が小規模・零細での家族経営態である事のようです。
件数で見れば、繁殖業が多くなるなる事にもなります。その集約を肥育業ができる形態系となるようです。

大規模の所は、肥育。零細は、繁殖となりましょう。 形態が異なる、繁殖と肥育で、繁殖の多く感染してしまった事は何であるかも興味ある所です。
何かハブもあるのではと。 

豚、酪農は、繁殖と育成が個々で完結していますので、肉牛の体系と異なるようです。

肉用牛一貫となっている所で、500頭を超えるようなところも出てますが、どのくらいの規模での繁殖業を行っているか私では分かりません。

ざっくりした抗体は出しても、値の詳細は出さないとの事ですし、VP1の変異も出てこないでしょう。 聞き取り調査を補強する科学的数値は出て来ないようです。
豚に関しても、12例目が一番抗体値が高く、10、13例目にどの様に侵入したかも不明のままです。(同時なのか?)  


預託農家の場合、制度上、補償の対象にならないようだ。
http://plaza.rakuten.co.jp/06051468/diary/201008280002/

もちろん、周辺産業など、セーフティーネットにかからない人たちは他にもたくさんいる。
だんだん苦しくなってくる時期だろう


零細、小規模、大規模、繁殖、肥育これらを区分すると言うか、違いがあるとすれば配合飼料ではないでしょうか?
まず、繁殖と肥育では、根本的にあたえる配合飼料(濃厚飼料)が異なるはずです。
繁殖農家では、子牛育成ようの配合飼料もあります。
また、零細、小規模、大規模で違うのは、その配合飼料の供給の仕方では?
零細は、恐らく、風袋で配合飼料を購入します。自分で買いに行くか、あるいは配達か?
小規模は、飼料タンクを据えて、飼料運搬車により配達してもらうか、あるいは風袋で購入しているか?
大規模は間違いなく、タンクを据えて運搬車による配達であると思います。
肥育も同じく、運搬車による配達ではないでしょうか?


原田 英男 さんのツイートより。(8/29)

「異形技官やその他頓珍漢の雑誌・新聞投稿に対しては、ツイッターと異なり、然るべきメディアが介在した問題なので、
 農水省としてメディアに反論を寄稿するなり、 HP上で反論するなり、しっかりした対応を取るよう、動物衛生課に進言しておきます。」

「一方で、以前から気になっているのですが、この4ヶ月間、口蹄疫に関するポジティブな情報提供があまりに少なくはなかったでしょうか。
 農水省のHPを除けば、動物衛生研究所、大学の研究者、獣医師会、獣医学会等の公的機関や職務にある方々の情報提供のあり方もそれぞれ検証して欲しい。」

---------------------------------------------------------------------------------------------------------
学会などから少なすぎますよね。 その事情は、噂では聞いてるけど、今は書けません。


ところで、「リンク集(2)」のコメントに情報をまとめておいたのだが、
「食酢の数百倍~1,000倍希釈」が口蹄疫の消毒薬として有効、という説には、ちゃんとした根拠はなさそうだ。
(実験しないとわからないので、「効かない」とまでの断定はできないが。)

この「食酢の数百倍~1,000倍希釈」は、農家レベルではかなり広く使われていたのではないか?
国は実験による検証を行うべきだろう。

(8/30追記)
消毒資材の有効性について、緊急の研究が行われることになった。(酢酸が対象かどうか不明。)
http://www.s.affrc.go.jp/docs/research_fund/2010/pdf/22_2_kenkyu_taisyo.pdf


1「飼料タンク」のこと
Google Earth で発生農家を推定し、その畜舎の「飼料タンク」の設置場所をみれば、
飼料がどんな方法で供給されているかが解る。
大規模肥育では、牛舎毎に飼料タンクが設置されており、毎週位のピッチでタンクローリーが配餌している。
つまり、飼料配達のたびに構内に車両が入ってくる。

小規模繁殖では、袋入り飼料が配達されるのが普通で自己の飼料倉庫に保管する。
繁殖農家では数種類の飼料を必要とし、「飼料タンク」があっても飼料倉庫は必需である。


「口蹄疫の疫学調査に係る中間的整理」(8/25) によると、
7例目の大規模農場では、

「4月8日頃:道路側牛舎に食欲不振。(9日以降多頭数に食欲不振改善薬を投与)」
と書かれている。
これだけでは何とも言えないが、これを「4/8に多数頭が発症」と解釈した場合、どうなるか?

「感染して5日目からウイルス排出、7日目に発症」と仮定した場合、
・ 3/27 感染源の牛(最初の?)に感染→
・ 4/1 感染源の牛がウイルス排出→ほかの牛に感染
・ 4/3 感染源の牛が発症
・ 4/8 多数頭の牛が発症

ということで、最初の発症は4/3以前、ということになる。(但し、この場合でも6例目の方が早い。)


>個人的な感想として言えば、今回一番見直したのはネットの噂で、一番失望したのは、全国紙・TV・雑誌などのメディアだ。

2ちゃんねる風……ハゲ同

雑誌に関しては、知事の新党便乗行動(発生直後から連休明けまで)に突っ込んでるので、面目躍如と言ったところでしょう。


えびので口蹄疫の感染疑い。結果は本日(9/2)夜判明とのこと。
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2010/09/post-3636.html

(12:17追記) 原田英男さんのツイート
「宮崎県は、本日9/2えびの市の乳用種肥育農場で口蹄疫を否定できない牛を1頭確認したため動物衛生研究所で検査を行うこと、
これを受けて2日から開催予定であった小林地域家畜市場及び都城地域家畜市場の競りを一時中止することをプレスリリース。
検査結果が判明し陰性であれば再開予定とのこと。」

(追記)宮崎日々新聞
「えびので口蹄疫類似症状 小林の競り中止」
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=30709&catid=74&blogid=13

「 県は2日、えびの市の乳用牛肥育農場で舌の潰瘍(かいよう)や発熱など口蹄疫に似た症状を示す牛1頭を確認したとして、
採取した検体を動物衛生研究所海外病研究施設(東京)に送付したと発表した。」

 検査結果は今日中に判明する見通し。

 これを受け、小林地域家畜市場(小林市)で9月2~5日まで開催予定だった子牛競り市と
都城地域家畜市場(都城市)で2日開催予定だった乳牛の競り市は一時中止となった。
検査の結果を受け、陰性であれば競り市を再開する予定」

(追記)原田英男さんのツイート
「えびの市の疑い例は陰性でした。農水省はプレスリリースしません。
宮崎県はまだプレスリリースしてないかも知れません(その場合、フライングで申し訳ないですが)が、心配されている方が多いので、取り急ぎ速報します。 」


「ほのぼの豚屋。」ブログより引用。 http://ameblo.jp/tonka-two/entry-10637578160.html

「安心」

陰性ってね。
黒って思ってたから安心した。

しかし偉い。すばらしい。
鼻が高いよ。

今、検体を出すってむちゃくちゃ勇気がいるもの。
うちがでた時よりはるかにきついって思う。

おかしいって思った農家さんに感謝するし、県にも感謝。

でん、宮崎で検査できるようにできないものかなぁ~。
時間がもったいないよ。

代表決める前にしときなさいよ。
おかしいから。


農水省プレスリリース(9/3) http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/100903.html

「OIE(国際獣疫事務局)への我が国の清浄ステータスの認定申請のため、
9月6日より、宮崎県の牛飼養農場を対象として、清浄性確認のためのサーベイランスを開始します。」

我が国においては、本年4月20日以降、合計292例の口蹄疫の発生がありましたが、
7月4日の発生以降、新たな発生は確認されておらず、7月27日には、すべての移動制限が解除されたところです。
また、8月27日には、ワクチン接種区域に残されていた、たい肥等の汚染物品の処理が終了しました。

このため、OIEに対して、我が国の清浄ステータスの認定申請に必要となるサーベイランス(臨床検査及び血清抗体検査)を、
宮崎県内の牛飼養農場(150戸)を対象として、9月6日から順次開始することとします

今回のサーベイランスに係る採材及び各検査を9月下旬までに終了し、
10月上旬にOIEに対する認定申請書を提出する予定です。

------------------------------------------
どの範囲でやるのだろう?


コンタンさま、先日はありがとうございました。

圧倒的な情報量で全てを読めていませんが、私が知っている確かな情報をお知らせします。
既出でしたら、お許し下さい。

九州各県では「JNN九州沖縄ドキュメント ムーブ 」という情報ドキュメント番組が放送されます。
先月、宮崎放送が担当した際に、口蹄疫の特集がありました。

その報道で、12件目の約1500頭の養豚農場近くに埋却場所がなく、川南支所の敷地まで運搬して埋却した事実を報道していました。この運搬の際に農場から支所まで殺処分した豚を数キロ運搬したそうです。この時期は防疫の重要性を認識していなかったため、隔離することなく普通に死体を運搬したため、死体から出た糞尿や体液などウィルスを含む排泄物が沿道に撒き散らされ、その後の爆発的な流行拡大を引き起こしたのだろうと解説していました。

以上、御報告まで。


うさきち 先生

バコマか電殺でありますので、糞尿は可能性もですが、体液は出ないかとおもわれます。 また、さすがに糞尿を散布しながらは、考えづらいのですが。  
JA川南支所のことでしょうか? さすがに埋められる所がないようにも思えますし、近隣が反対しそうです。10例目と13例目の10号線挟んで向こう側でしょうし。12例目の場所からすごく遠いですし。
 5月4日殺処分等の防疫措置完了にはなっておりますし。 初期の段階では近隣での埋設のようなのですが違うのでしょうか?。
http://nifty-tel.goo.ne.jp/SearchMap.php?matomeid=KN4501122100003176&mapkind=1&latitude=115998285&longitude=473547848&mapscale=8


うさきち さま。
この報道は知りませんでした。
12例目農場については、5月の時点で、もっとひどい噂も目にしていますが、私には真偽は判りません。

口蹄疫はすっかり終息モードで、臭いものは全部ふたをして、関係者以外は見ちゃダメって感じでしょうか。
免責でもいいので、真実を追究してくれたらって思うのは、理想論なのかな?

風評被害を考えると、不祥事が多すぎて見せられないので、もう世の中の人は忘れて下さい、っていう印象を受けます。


白井さんの元論文は下記。
http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pdf/society/66-0254.pdf
FMDV 0/JPN/2000とSVDVを同じ、濃度、pHでの感受性をひかくした場合に、FMDVは、pH6.5以下の時に感受性をしめしたが、SVDVは示さなかった。
これにより、FMDVは、pH6.5以下と10.35以上の時に不活性化しうる。
この論文にには、酢酸、クエン酸によるデータは取られていない。 

白井さんの食酢の話は、日本農業新聞4月29日「口蹄疫 酸でウイルス死滅 白井東京農工大教授 補助対策に提案」に掲載されたようです。 

口蹄疫ウイルスは酸に弱く、塩酸を用いて検討したところpHが5~6で死滅する。
塩酸は扱いが難しいため、酢は酸性が強く、原液で約pH2.6、1000倍に薄めてもpH4程度となるので代用できる。
安価で入手しやすく、安全性も高い。
通常の衛生管理(畜舎への入場制限、靴底や車の消毒の徹底、畜舎の清潔を保つ等)などを徹底した上で、
補完的な対策として散布する方法を提案する。

 参考:酢(ミツカン穀物酢業務用)のpH
  原液…平均pH 2.59
×5…平均pH 2.84
×10…平均pH 2.95
×100…平均pH 3.43
×1000…平均pH 4.13
×10000…平均pH 4.78
※穀物酢なので、酢酸5%とくらべ、アミノ酸等の混入があるため、pH値が若干低くなる可能性。

上記は、日本農業新聞4月29日
「口蹄疫O型ウイルス確定 まん延防止へ総力を/東京農工大学教授 白井淳資氏に聞く 」に掲載されたものの編集のようです。
読んでないので、詳細不明。

クエン酸 分子量は192.13 g/mol 酢酸 は 60.05 g/mol

25℃のクエン酸、Ka74.5×10^-5・pKa 3.13     酢酸、Ka1.74×10^-5・pKa 4.76 
では、酢酸、計算上は0.83×10^-4mol/L(0.00083mol・5%を1000倍希釈)ではpH4.23ほどに収まりますが。
ウイルスが少ないような所で、浸すような使いからあるかも知れませんね(とても期待はできません)。
安全値は食酢原液濃度でしょうね(カナダは、テーブルなど拭くのに2%とはありましたが)。
生体物、生活品、金属製品(腐食性もありますから) 用途は限られるでしょうね。 

クエン酸  0.01mol/L (0.2%)pH2.623

0.001mol/L (0.02%)pH3.246 の方が、使いやすいと思います。 0.00025mol/L(0.005%)pH3.826

電解度の高いクエン酸の方がとも。 pHだけであればですが。


この前の農水の中間報告で、豚の初発は12例目と言うことになりましたよね。
今まで、10例目が豚の初発と言われていましたが、10例目がでた時には、すでに凄まじいウイルスが12例目から
拡散していたことになります。
感染確認も10例目が発覚してからですので、その間、約10日以上ウイルスがあの地域に拡散していた訳ですから
その影響は計り知れないのではないでしょうか?
口蹄疫確認以前は、何の防疫も行われておらず、JA川南支所は、十分ハブになりえると思います。
農家、色々な資材の調達や、資金の相談にJAを利用しているでしょうし、長靴のまま、汚れた軽トラのまま等々、可能性は
十分ではないでしょうか?また、そこから、県の試験場までは10号線を挟んでいるとはいえ、さほど距離はありません。
試験場関係者(飼育員等の現地採用者)は、JA支所を利用する可能性は高いです。


中間報告書の感染から発症までの期間が、豚さんと牛さんが同じ期間がとられています。 前回の感染実験では、豚さんは1から2日後には発症確認ができたの報告がありますし。 12例目は4/18には発症している事になってますし。  4/29に報告ですから10日間あれば、すごいことになっていそうなのですが(子豚さんの死亡率は高いようですし)。 12例目を感染させるためには、量も必要でしょうし、その量はどこからも。  12、13、10、14をつなぐ線が不明ではあります。 人から人への暴露量で感染が可能かもどうなのでしょう。 
中間報告書の抗体値がどうも???。

JA川南支所のハブの可能性は、牛さんなら起こりそうなのかも。


みなさま、こんばんは。

皆さん御存知だと思っていましたので、記入が正確でなくて、申し訳ありませんでした。
川南支所と書いたのは、宮崎県畜産試験場川南支場のことです。

私は録画していませんので、記憶だけで申し訳ありませんが、内容には間違いないです。
川南支場の敷地内の埋却した場所も放映されていました。

私は土地勘が無いので距離は正確ではありませんが、12例目の1500頭前後の養豚農場から川南支場まで運搬したことを問題視して放映していました。その放映の中で、運搬の途中でウィルスが拡散したのだろうと推測していました。

兎に角、流行当初は防疫が不十分だったのは間違いないと思います。ムーブ以外の全国規模の放映でも、何処かの感染した養豚農場の職員が、防疫服ではない普通の作業着で農場内を歩き回り子豚を抱き上げている様子が放映されていましたから・・・。

当初は不十分だった防疫体制が、ある時点から改善されたので、感染拡大が終息したのだと思います。


私のブログで実例を写真つきで掲載しておきましたが、家畜の運搬トラックから排泄物の垂れ流しは普通に行われていることです。URLリンクから見てください。

beachmollusc ひむかのハマグリ : 口蹄疫-我が目を疑うできごと 5月16日
http://beachmollu.exblog.jp/12650456/
beachmollusc ひむかのハマグリ : 口蹄疫でなぜ防疫のための殺処分 5月19日
http://beachmollu.exblog.jp/12665249/
beachmollusc ひむかのハマグリ : 口蹄疫に関する移動制限と搬出制限の関係 5月21日
http://beachmollu.exblog.jp/12676583/

今朝も、さきほど海岸から家に戻る途中で、近所の牛舎から出た牛を運搬するトラックとすれ違いました。
荷台の牛さんが良く見えました。ワクチンゾーンが至近距離まできたところからです。

家畜の出荷のため運搬する場合に路上で環境汚染をおこすことは禁じられているはずですが、トラックから汚物が出ないように工夫されているのでしょうか。

以前住んでいた沖縄では豚の運搬トラックの垂れ流しに極めて頻繁に出会いました。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

« データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その46 永遠の謎 | トップページ | データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その48 5月22日まで »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ