データで振り返る口蹄疫対策(2010年 宮崎) その51 埋却地の問題
Photo(Top): Tiquilia nesiotica Isla Bartolome, Galapagos ティキリア(ムラサキ科)の群落(バルトロメ島)
今日(10/20)で、事件発生(最初の感染確認)から半年が経ちました。
宮崎県では、「毎月20日は県内一斉消毒の日」と決めたそうです。
*
1.殺処分終了までの日数
農場の位置は推定によるもので、誤差があります。 (図はクリックで拡大。Google Earth 地図を含む図は転載禁止。)
*
下の図は、感染確認から殺処分終了まで、2週間以上/3週間以上 を要した農場の分布。
「FMD_Sheet-E01.jpg」をダウンロード ←2100×1500
*
川南町では
■県道307号線沿い
■海沿いの都農町の境界付近(甘付、大猪久保)
■トロントトロンからJR川南駅へ向かう途中(平田、松原)
■川南町役場の南東側一帯(井出の上、通山)
高鍋町では
■町の西側一帯
が、殺処分まで特に日数がかかったことがわかる。
*
下の図は、日数別に色分け、大きさで強弱を付けた農場の分布図。
(この図の範囲外の13例は、全て0~1日で殺処分を終えている。)
「FMD_Sheet-E02.jpg」をダウンロード ←2100×1500
*
農水省の「口蹄疫防疫措置実施マニュアル」(6/24)では、原則として24時間以内の殺処分とされているが、
今回の実態は24時間以内からは遠くかけ離れている。
*
殺処分まで時間がかかった理由は
1.人手の不足(特に獣医師)
2.資材の不足(特に重機)
3.埋却地が見つからない
4.埋却地の買収交渉に時間がかかる
5.周辺住民の同意が得られない
6.埋却予定地を試掘したら水が出て使えない
など、いろいろあったと思われるが、極端に時間がかかったケースは、3~6の埋却地の問題だろう。
*
ちなみに、擬似患畜としては最後の殺処分となった、No.227(高鍋町)、No.287の関連農場(西都市)
の2ヶ所は、結局近いところに埋却地を見つけられず、道路を(可能なところは)封鎖して、
厳重に消毒しながら埋却地まで移送を行って殺処分を行った。
*
長期間患畜を生かし続けるよりは、あるていど離れた距離でも、家畜を移動してなるべく早期に
処分を終えた方が良かったと思われるのだが、公的な発言・検証のなかで、そうした意見が
見られないのはなぜだろうか?
*
現地では、畜産の再開までカウントダウンが始まっているが、これらの地域では、
埋却地の問題はどうなっているのだろうか?
*
鹿児島県では公有地をリストアップして、実際に埋却地として使えるかどうか、検討を行うようだ。
(南日本新聞 (9/22) 「口蹄疫埋却地 鹿児島県が公有地200カ所候補に」)
宮崎県の対応も進んでいるのだろうか。
*
今回、家畜の糞尿を埋める埋却地が用意できなかったため、「封じ込め+堆肥化」による処理となった。
幸い、糞尿からの感染は起こらなかったようだが、終息までの期間が延びることとなった。
今後も、同様の事態が起きる可能性がある。
*
殺処分終了から、防疫措置終了まで日数のかかった事例が4件ある。
No.10 (県畜試川南支場) は、4/28殺処分終了だが、防疫措置終了はその8日後の5/6。
No.18 (養豚/豚15,957頭) は、5/11殺処分終了だが、防疫措置終了はその7日後の5/18。
No.182(一貫/牛286頭) は、5/26殺処分終了だが、防疫措置終了はその15日後の6/10。
No.258(養豚/豚4,832頭) は、6/16殺処分終了だが、防疫措置終了はその8日後の6/24。
これらの事情は何だろうか?
*
(10/20追記)上の図では、C to S (Confirmation to slaughter) :感染確認から殺処分終了までの日数
を指標としているが、EU FMD(EUの口蹄疫対策トレーニングマニュアル)では、
最重要の指標として、FL to S (First lesion to slaughter) :最初の病変から殺処分終了までの日数
が重要であり、最初に病変が出た日付の推定は、調査すべき最重要項目とされている。
しかし今回は、このような調査が行われなかったため、いまだに初発の農場をめぐって
国と県の調査委員会の意見が対立する結果を招いている。
(最初の病変の調査については「その45」のEDRの項をご参照ください。)
*
2.擬似患畜の殺処分と埋却地についての主要データ
図表(pdf)はこちらからどうぞ。 「101020_FMD.pdf」をダウンロード
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発生例一覧
元データ(xls): 「100716_FMD_Miyazaki.xls」をダウンロード
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擬似患畜頭数、発生例数、処理日数ごとの農場数
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発生頭数と埋却頭数、残頭数の推移(農水省HPより)
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現地の気象データ(出典:気象庁HP)
(上のグラフと併せて読むと、処分が停滞したのが雨天のためだけではないことがわかります。)
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擬似患畜頭数の推移(牛)
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擬似患畜頭数の推移(豚)
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1日当たりの殺処分頭数(牛)
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1日当たりの殺処分頭数(豚)
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県外からの獣医師の派遣人数(8/18 第2回口蹄疫対策検証委員会・配付資料より)
*
埋却に必要な面積、殺処分に必要な人員については、「その44」をご参照ください。
*
現地の地質について:
「口蹄疫の防疫、埋設場所の確保が難しい地質的な背景」 (beachmolluscさんのブログ)
*
「埋却地」(mixi ひじりさんの日記より引用)は、「その27」をお読みください。
*
「埋却地」(ブログ「口蹄疫...現役養豚家の考え」)
*
発生中、尾崎宗春さん(尾崎畜産代表)ほか何人かの方が、死亡畜の一時保管用として、
大型の冷蔵庫・冷凍庫を現地に仮設する要望を出していたが、受け入れられなかった。
*
5/16の東国原知事ブログ 「埋却地確保も追いつかない」
*
(11/5 追記) 「埋却地の現状と課題について」(宮崎県農政水産部)
1 埋却地の概要
①埋却地は、公社保有地、個人所有地及び公有地からなり、その総数は、5市7町で
252箇所(474筆)の約142.3haとなっている。
②市町村別では、川南町が144箇所(204筆)で、箇所数の過半数を占めており、
ついで新富町28箇所(47筆)、都農町26箇所(60筆)の順となっている。
③埋却地の地形や形状、埋却した家畜頭数等は様々であり、特に川南町や都農町一帯
の畑地では試掘の際、地下水へ影響を回避するため、埋却地の選定には苦慮してい
る。
④埋却後は表層に石礫の露出が散見されるとともに、一部では悪臭やハエ等の害虫発
生、地下水汚染への心配等、地域住民から苦情が寄せられている。
2 今後の課題
(1) 生活環境への影響を懸念
①埋却地周辺で飲用等の目的で地下水を利用している住民への対応が必要
②埋却地周辺で体液等の流出、悪臭、ハエ等の衛生害虫への対応が必要
(2) 農地としての利用が困難
①周辺農地への病害虫防除の観点から、草刈等の環境整備が必要であるが、埋却地
の一部では埋却後、石礫等が表層を占め作業が困難。
②農地として活用できないが、土地改良賦課金や諸税等の経費負担が必要
③県農業振興公社が保有合理化で買い入れた農地については、②の経費を公社が負
担する必要
④石礫等の除去や客土など、農地として復元できるよう再生整備が必要
⑤家畜が埋まっているという嫌悪感から土地評価額が下落(売買差損)
*
(11/15 追記) 埋却地対策予算(平成22年9月県補正予算)
*
埋却地周辺地下水等調査事業
1 事業の目的
家畜等の埋却処分に伴い、地下水等への影響が懸念されるため、埋却地周辺井
戸等の地下水質の定期的なモニタリング調査を行い、水質の状況を把握する。加
えて、埋却地周辺において水質異常等が発生した場合、詳細な水質調査を行う。
2 事業の概要
(1) 予算額12,503千円
(2) 事業期間平成22年度~平成24年度
(3) 事業主体県、市町村
(4) 事業内容
① 定期モニタリング調査(市町村)
埋却処分後の経過観察として市町村が実施する地下水質検査(1/2補助)
ア 調査場所:埋却地周辺の井戸や湧水等(定点調査)
イ 検査項目:pH、有機物等、臭気、カルシウムイオンなど13項目
ウ 検査頻度:4回/年
② 水質異常時の詳細調査(県)
埋却地周辺において水質の異常等が発生した場合の詳細な水質調査
ア 調査場所:当該地点及び周辺井戸等
イ 検査項目:定期モニタリング検査項目に加え、アンモニア性窒素、鉄など29項目
ウ 検査頻度:状況に応じ実施(週1回程度、3か月間)
*
埋却地周辺悪臭調査事業
1 事業の目的
口蹄疫の発生に伴い、これまで例のない規模での家畜等の埋却処分が実施され
たことから、今後、埋却地において悪臭が発生した場合、必要に応じて悪臭物質
の測定を行い、悪臭対策の基礎資料とする。
2 事業の概要
(1) 予算額5,942千円
(2) 事業期間平成22年度~平成24年度
(3) 事業主体市町村
(4) 事業内容
市町村が実施する埋却地周辺でのアンモニア等の悪臭物質の濃度測定に対し
て補助を行う。(1/2補助)
ア 測定場所:埋却地周辺の地域(埋却地1か所につき周辺4地点)
イ 測定項目:アンモニア、硫化水素、プロピオン酸など10物質
*
埋却農地再生利用対策事業
1 事業の目的
殺処分した家畜の埋却地として県農業振興公社が農地保有合理化事業により確
保した農地を今後再生利用するため、必要となる保守管理等の経費を措置する。
2 事業の概要
(1) 予算額31,862千円
(2) 事業期間平成22年度
(3) 事業主体(社)宮崎県農業振興公社
(4) 事業内容
① 公社保有地に係る保守管理経費30,522千円
・対象面積~50 ha
・対象経費~農地の草刈、石礫除去等に要する経費
② 土地改良賦課金1,340千円
・土地改良事業に係る農地所有者の負担金
*
(12/8 追記) 埋却地対策予算(平成22年11月県補正予算:12/7可決)
*
埋却用地確保支援事業
1 事業の目的
家畜伝染病予防法及び口蹄疫対策特別措置法に基づき殺処分を行った家畜の埋
却用地を自ら確保した農家等に対して一定額を助成し、埋却用地の円滑な確保を
推進する。
今回、埋却地の増加等に伴い補正を行う。
2 事業の概要
(1) 補正額2,629千円
(2) 事業期間平成22年度~平成24年度
(3) 事業主体県
(4) 事業内容埋却用地を確保した農家等に対し、地代相当額及び環境対策経
費相当額を交付する。
① 交付単価
220千円/ha(地代相当額:160千円+環境対策費:60千円)
② 対象面積
・今回補正分11.95 ha
・6月補正分72.00 ha
計83.95 ha
*
埋却農地再生利用対策事業
1 事業の目的
埋却地として農地保有合理化事業により農業振興公社が取得した農地につい
て、その評価差損額を補助する。
2 事業の概要
(1) 補正額104,000千円
(2) 事業期間平成22年度
(3) 事業主体(社)宮崎県農業振興公社
(4) 事業内容
① 取得予定面積50 ha
② 取得予定価格260,000千円
③ 差損割合40%
④ 補助額260,000千円×40%=104,000千円
*
(11/19追記) 橋田 和美 『畜産市長の「口蹄疫」130日の闘い』(書肆侃侃房)に、
西都市における埋却地の状況、埋却地交渉の実態などが語られているので、
関心のある方は必読です。
(ただ、希望を言えば、市長の本を買わされるのではなく、公的な報告として出してほしかった。
まぁ、いろいろ明らかにしてくれるだけ他よりマシですが。)
*
(2011/1/11追記) 韓国では、埋却地には、ピットからの汚水排水管やガス抜き管を
設置する基準になっているようだ。(産廃の最終処分場のような方式か。)
また、京畿道(キョンギド)は、埋却地の半径300m以内の地下水について、1年間は
毎月1回、2~3年目は6ヶ月に1回ずつ水質検査を行い、2次汚染を防止する。
また。口蹄疫の事後管理のT/F(タスクフォース)チームを構成し、埋却地の土壌汚染の
実態調査と管理を担当する、としている。
*
久々に記事を書いても、いろんなことを忘れかけています。 今さら検証も進まないでしょうね…。
*
お知らせ>本日の図表は、pdfを含め、無断転載を許可します。
但し、 1.引用元の表記をお願いします。 2.無断での改変は厳禁です。(サイズの変更はokです。)
*
コンタンです。東京はいい季節です。(この写真は転載禁止です。)
このブログは、当家の下僕が執筆しています。 リンクフリーです。
Hi, my name is Kontan. My servant writes this blog. This blog is link-free.
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データの整理、ご苦労さんです。
この情報が役に立つのは次のどこかでの再発の時かもしれませんが、もしも宮崎県で3度目が起こったら、
埋却場所は児湯郡ではどうしようもなさそうですので、焼却の準備はできているのでしょうか。
ところで新富の自衛隊基地は使用されたのでしょうか。新富で経営破たんしたゴルフ場は国で買い上げて、
とりあえず公園にしておいて、いざと言うときに使う手もありですね。牛肉の関税収入をその手当てに使えばよいはずです。
国の財政支援で児湯郡に高密度畜産団地:地雷原を作り上げたのだから、その安全弁を作っておく責務が農水にあるでしょう。
地下水汚染の問題は調査されたのかどうか。 記憶が薄れます。 県としては早く忘却のかなたに、かもしれません。
県知事は高病原性鳥インフルエンザで任期が始まり、口蹄疫で終わるようですが、なんだかもう一つ大事件が起こるような予感が、
今度は日向灘沖大地震かな。 東京へ行ったら関東大震災の再来かもしれませんよ。
彼の目立ちたいという強い願望を実現させ災厄が続くのか。 疫病神が肩の上に乗っているみたいです。
投稿: beachmollusc | 2010年10月20日 (水) 08時03分
beachmollusc さま。
自衛隊基地(新田原)の敷地は、疑似患畜の処分には使われていないようです。
「基地の利用を認めた」という報道がありましたが、新富町の発生があまりなかったので必要なかったのでしょう。
ワクチン接種家畜についてはわかりません。
宮崎県知事は副知事で決まり?のような感じですが、都知事選はまだ顔ぶれがわかりません。
副知事の猪瀬直樹さん、桝添要一さん、あたりは出てきそうですが、民主党がまだわかりません。
民主党から出たい人は大勢いるのでしょう。
前回の都知事選では、新銀行の大失敗はあまり争点にならず、石原知事が再選されました。
今回は築地市場の移転問題などもありますが、知事もごり押ししている、というほどでもないので、
あまり争点にはならないでしょう。
今回の都知事選は、前回よりさらに争点のない選挙になりそうですので、政策より人を選ぶ、という感じになりそうです。
東国原さんが出ても、「都市博の中止」というわかりやすい争点で勝利した青島幸夫のようにはいかないでしょう。
投稿: コンタン | 2010年10月20日 (水) 10時28分
西日本新聞(10/20) 「口蹄疫の「初例」国の見解に異論 検証委で宮崎県側」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/204561
家畜伝染病「口蹄疫」問題で、国や宮崎県の対応に問題がなかったかを調べる農林水産省の
口蹄疫対策検証委員会は19日、県の検証委員会と初めて合同会議を開いた。
県側は、3月末に同県都農町で下痢の症状が確認された水牛を初例とする国の見解に異論を示し、
議論はかみ合わなかった。
県側は周辺農家への聞き取り調査などを基に、別の大規模経営農場で初感染が起きたと推測。
4月下旬に県の家畜防疫員がこの農場を検査した際、牛舎2カ所の大半の牛に口蹄疫治癒後に
見られる痕跡があったとして、調査を続ける意向を国側に伝えたという。
会議後、同省幹部は「ウイルスに対する抗体から感染時期をさかのぼると、水牛が初例であること
は間違いない」と断言し、県側の主張を退けた。
国の検証委員会は11月中旬に最終報告を取りまとめる予定。
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2chでは、安愚楽牧場が訴訟を取り下げた、という噂が出ている。(真偽はわかりません)
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(追記)
「第12回口蹄疫対策検証委員会の概要」(平成22年10月19日開催)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/gaiyo12.pdf
本日は、宮崎県口蹄疫対策検証委員会との意見交換を行った。 委員等の主な発言は以下のとおり。
○ 初動対応段階において早期通報がしやすい体制と迅速な診断体制の構築が必要なのではないか。
○ 国と県と市町村の意思疎通が図られていないので、その点をよく検討するべきではないか。
○ 生産者に対し、家畜防疫の危機管理意識を向上させていくべきではないか。
○ 宮崎県における家畜防疫員数は全国的にみても少ないことに対する対策が必要なのではないか。
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プププ。
投稿: コンタン | 2010年10月20日 (水) 10時52分
口蹄疫で廃業する養豚農場が、猫の受け入れ先を探しています。
http://ameblo.jp/iloveshinnosuke/entry-10681604387.html (南国の新之助のブログ)
投稿: コンタン | 2010年10月20日 (水) 14時33分
池亀 康雄 「宮崎県口蹄疫発生第6例目(水牛農場)に遭遇した臨床獣医師からの報告」
http://nichiju.lin.gr.jp/npdf/20101015_01.pdf (PDF 337KB)
「日獣会誌 63」 737 ~ 739 (2010)
投稿: コンタン | 2010年10月20日 (水) 14時41分
宮崎県口蹄疫対策検証委員会 「国の口蹄疫対策検証委員会との意見交換会における説明資料」 (10/19) PDF 469KB
http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/pdf/data12.pdf
投稿: コンタン | 2010年10月20日 (水) 15時15分
家畜を移動してなるべく早期に処分を終えた方が良かったと思われるのだが、
公的な発言・検証のなかで、そうした意見が見られないのはなぜだろうか?
>>>>>強く移動制限、搬出制限を、家畜農家に啓蒙し、動かすこと=ウイルスの蔓延の素とPRしすぎたからでは?
外国では、密閉性の高いトラックなどで、移動後、殺処分している例もあるのだが。。。
投稿: りぼん。 | 2010年10月20日 (水) 15時31分
りぼん さま。
>外国では、密閉性の高いトラックなどで、移動後、殺処分している例もある
結局、マニュアルにない手段を取る決断のできる指揮官がいなかったか、
あるいは、早い時期からワクチン接種へと傾いていたのかもしれませんね。
いろいろな事情によって、埋却地を近くに確保するのが困難な地域は、全国のあちこちに
ある筈だと思います。 今回はワクチンがうまく効きましたが、ワクチンが完全でない以上、
殺処分で処理できる態勢を整えるのは必須でしょう。
「家畜を移動する」という選択肢は、表には書けないのかもしれませんが、
裏技としては考慮しておくべき手段のように思えます。
投稿: コンタン | 2010年10月20日 (水) 20時32分
「EUにおける家畜の流行性疾病への補償制度」(農畜産業振興機構 海外駐在員レポート) より
http://lin.alic.go.jp/alic/month/domefore/2009/nov/gravure02.htm
3加盟国で共通しているのは、疾病発生の届出義務は生産者に課され、届出が遅れた場合や
一定の衛生基準を遵守していなかったと判断された場合には、生産者にも補償の減額という
応分の負担が求められるという思想である。これは、疾病の発生予防とまん延防止を図るため、
生産者の自衛防疫活動と疾病発生の早期届出を極めて重視していることの表れであろう。
投稿: コンタン | 2010年10月21日 (木) 10時38分
Atsushi HAYASHI (F884_GT) さん (養豚/群馬県)のツイート (10/21) より引用
http://twitter.com/F884_GT
今日の感想。畜産への補助金って本当に下らないな。涙が出るほど下らない。
補助金もらって喜ぶのもいいけど、補助金というのは国民の血税を個人の経営に突っ込むものだということを忘れてはいけない。
国が補助金を出すってことは、国からしてみたら投資みたいなものだから、補助金をもらった人はしっかり経営して利益を出して、
納税して国に返す、という覚悟が必要だと俺は思う。
ところが、補助金をたくさんもらっている人ほど経営がうまく行かなくて、補助金をもらわない人が良い経営をして利益が出る、
という事例がとても多い。皮肉なことだ。
補助金って、もらう方の問題もあるけど、出す方の問題も小さくない。そのお金、あんたらが稼いだお金じゃなくて国民の血税だよ?
下らない使い方するなよ。
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どこの業界にもある話。
投稿: コンタン | 2010年10月21日 (木) 11時07分
毎日新聞 (10/21) 「口蹄疫:感染ルート解明で知事、畜産会社に協力要請へ」
http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20101021ddlk45040620000c.html
口蹄疫の感染ルート解明を巡り、東国原英夫知事は20日、和牛の委託オーナー制度で全国展開する畜産会社に対し、
事実関係の聞き取りや確認で協力を求める考えを示した。
この会社は川南町で発生7例目の農場を運営している。 国の疫学調査チームの中間整理は、抗体検査などを基に
都農町の6例目の農家が初発としているが、7例目の農場も初期段階での感染としている。 地元農家の間には、
ウイルス侵入経路の解明に至らないままの国の見解を疑問視する声がある。
知事は、地域の農家の間に、7例目への調査を求める声が多いとして「感染ルートはまだ闇の中。従業員や獣医師、
家畜防疫員の証言は重要だ。責めるのではない。ぜひ協力をお願いしたい」と訴えた。
19日に農林水産省で開かれた国と県の検証委員会の合同会議では、県は限られたデータで簡単に初発を断定せず、
十分に調査するよう国に求めている。
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宮崎県の風向きが変わった?
(追記)6例目水牛農場のブログ (10/20)
http://www.caseificio.jp/cgi-bin/webpat/document/ciro/2010/102001/index.html
投稿: コンタン | 2010年10月22日 (金) 10時40分
宮崎日日新聞 (10/22) 「殺処分従事の民間獣医師にも報酬 農水副大臣」
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=32206&blogid=13
篠原孝農林水産副大臣は21日の参院農林水産委員会で、本県の口蹄疫で殺処分などの防疫に無償従事した民間獣医師
への報酬支払いを前向きに検討する姿勢を示した。
外山斎参院議員(民主党・新緑風会)が「地元の民間獣医師たちは長期間防疫作業に従事したが、その間所得がなかった。
ボランティアとして切り捨てるのではなく、何らかの対応が必要ではないか」とただした。
篠原氏は「獣医師の方々に多大な負担をお掛けした。 われわれが宮崎県と連絡してきちんと対応する」と善処する姿勢を示した。
投稿: コンタン | 2010年10月22日 (金) 10時47分
COP10のインターネット中継
http://webcast.cop10.go.jp/index.asp
投稿: コンタン | 2010年10月22日 (金) 12時25分
http://www.caseificio.jp/cgi-bin/webpat/document/ciro/2010/102001/index.html
水牛農家が、更新しています。
実は水牛が初発だと言っているのは【宮崎県の家畜保健所と畜産課なのです】
実際に報告内容も【初発で感染拡大させた農場である】と思わせる内容です
なにかあるでしょう?あなた達、、、
利害関係のない県の検証委員会から【正確な情報】が国に伝わり、『宮崎県 なにかおかしい?』と【ある人】も直接聞き取りに来ました、、、、
風向きが変わったのは、ここらへん?
投稿: 一宮崎人 | 2010年10月22日 (金) 16時02分
口蹄疫の検体は、どうやって動衛研まで運ばれていたのか? という素朴な疑問を書いている人がいたが、
青森県の「口蹄疫対策マニュアル(防疫対応編:参考資料)」
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/chikusan/FMD.html#manual
には、
・病性鑑定材料の採取
・病性鑑定材料搬送容器
・病性鑑定材料の運搬方法
・殺処分の方法等
が、具体的に記載されている。
これによれば、飛行機で運ぶ場合は、
・国連規格容器を使用して、航空貨物として輸送 (手荷物としての輸送はできない)
・診断標本として、50mlまたは50gまで搬送可能
・あらかじめ電話で確認を取った後、航空会社の貨物受付に出発便の90分前までに出向き、
航空会社の所定の用紙(病毒を移しやすい物質輸送申告書兼チェックリスト)に記入
・東京国際空港では、輸送貨物は各航空会社の貨物専用ターミナルに到着
・貨物ターミナルへ行き、入構ゲートで身分証を提示し手続き後、危険物受取を申し出て手続を行う
機体到着から貨物搬出までに約1時間程度の時間が必要
と書かれている。
また、新幹線で運ぶ場合は、手荷物として搬送するとのこと。
投稿: コンタン | 2010年10月24日 (日) 22時49分
輸送の手続きが持ち込みしか記載されていませんが。郵便物での郵送が可能だったはづです。郵便物としてのみ可能(宅急便不可)です。
小平も本場(羽田、東京駅から遠い)も直接の受け取りに空港、駅まで受け取りに来てくれませんからね(H5N1、H5N2は直持込)。
感染症法に指定の物は、結構に厄介です、3類までは、直接に東村山への持込になります。郵送不可。
生きたままの埋却地までの輸送は、農水が許可を出さなかったのです。家伝法、指針を盾に。
これは、参議院員会研究部会の研究員が記載しています。 それを可能にする特置法の成立を持つことに。
冷凍施設の使用は、無理でしょうね。人用でも難色をしめしていますし。
焼却は牛で24時間は必要のことですから。まず現実的でないでしょう。 一度に1000頭も焼ける施設はありませんし、
それでも1000頭に24時間必要ですし(時間短縮のための生焼けでの埋却地までの搬送はごめんでしょう)、野焼きは周囲の反対がですし。
http://masatarou1968.blog18.fc2.com/blog-entry-1656.html
に各延べ人数が書かれているが、応援の機動隊員さんの多いこと、と、建設関係者と自衛官の延べ人数がほぼ同等であると。
初発はいまだ不明と視たほうがよいでしょう。 7例目も疑いの段階でしかありません。
罰則をいくら強くしても、破産と届出(周囲からの中傷)を天秤にかけての事柄ですと。どういう心理になるかは、人それぞれでしょう。
投稿: omizo | 2010年11月 2日 (火) 13時52分
omizo さま。
なるほど郵送も可ですか。 でも、急ぐ場合は持ち込みなのでしょうね。
宮崎県の口蹄疫対策検証委員会・中間的な論点整理(10/29)では、
「早い段階での共同埋却への移行を検討すべき。
その為には家畜を移動するに当たってウイルスの拡散を完全に防御する輸送体制を整える必要がある。」
との言及があります。
機動隊員もかなりの延べ人数ですね。
但し、機動隊員は、主に消毒作業や消毒ポイントの交通整理を担当していたようです。
安愚楽牧場も、口蹄疫の被害者には違いないと思いますが、安愚楽牧場に対して、と言うより、
安愚楽牧場が、「国や県に守られているように感じられる」ことが不信感の根にありそうです。
投稿: コンタン | 2010年11月 2日 (火) 18時18分