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2011年4月20日 (水)

食品の暫定基準に対する疑念と不安が絶えない事情

070905_midtown

Photo (Top)  View from Empire State Bldg. , New York (エンパイア・ステートビルから、ミッドタウン方面の眺め)

1.水道水の基準と輸入食品の基準

水道水中の放射性ヨウ素-131の放射能濃度の基準は、日本ではこれまで定められておらず、

WHOの基準 10 Bq/L (注1)が参考に用いられている。

しかし、4/4の「水道水中の放射性物質に関する指標等の取扱い等について」 ( 厚生労働省)

では、放射性ヨウ素-131の指標は 300 Bq/kg (乳児の摂取は 100 Bq/kg) とされた。

このことを、多くのブログ等が取り上げていて、基準が10~30倍緩和された、などとして

不安をあおっている。

さらに、米国環境保護庁(EPA)の、飲料水における放射性ヨウ素-131の水質基準値

0.111 Bq/L (注2)と比較して、900倍~2,700倍基準が緩い、と非難するサイトも散見される。

また、輸入食品中の放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)の放射能濃度の基準に

ついては、以前から「旧ソビエト連邦チェルノブイリ原子力発電所事故に係る輸入食品

中の放射能濃度の暫定限度」において、すべての輸入食品に対して 370 Bq/kg

決められていた。 これに対し、今回の暫定基準

「放射能汚染された食品の取り扱いについて」 (3/17 厚生労働省)では、

飲料水・牛乳・乳製品 200 Bq/kg、 野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg とされ、

水と乳製品を別にすれば、やはり緩和されたようにしか見えないだろう。

ところが、食品安全委員会の「放射性物質に関する緊急とりまとめ」などの説明では、

これらの以前からある基準については一切触れることがなく、マスメディアもほとんど

説明することがないため、ますます一般の不安をあおる結果となっているようだ。

WHO(日本)のHPでは、かろうじて 「WHOの飲料水水質ガイドラインは、原子力危機

に際しての基準値とすべきではない。なぜなら、この数値は日常時における飲用に対する

適用を念頭に、かなり保守的に設定されているからである。」 との説明がなされているが、

この説明だけでは、この事情はまったく理解できないだろう。

(注1)WHO 飲料水水質ガイドライン(2004年) (放射性物質: pdf 230p/P番号203p)

尚、WHOの飲料水のガイドライン基準を、ヨウ素131で 1 Bq/L と誤解しているサイトが

散見されるが、WHOの基準では、スクリーニング基準として、全α放射能で0.5(Bq/L)、

全β放射能で1(Bq/L)のいずれかを超えた場合に、放射性核種ごとの放射能を測定

して評価することになっており、このスクリーニング基準はガイドライン基準ではない

(全β放射能で1(Bq/L) となっているのは、ラジウム-222の場合(最悪の場合)を基準に

1(Bq/L)としているのであり、ヨウ素131の場合を想定しているわけではない。)

(参考: 「WHO 飲料水水質ガイドライン の解説」 (東京都水道局))

(注2)米国環境保護庁(EPA) "Safe Drinking Water Act (SDWA)" の

National Primary Drinking Water Regulations によると、

β/γ線放出体(Beta particles and photon emitters)について、

4 mrem/y0.04 mSv/y と決められている。

これを、核種ごとのリッターあたりの水質基準に換算する表がこちらで、

Derived Concentrations (pCi/l) of Beta and Photon Emitters in Drinking Water

この表より、I-131の水質基準は 3 pCi/L0.111 Bq/L となる。

(この換算式については確認していません。)

2.平常時の基準と緊急時(放射線事故発生時)の対策基準

結論を先に言うと、こうした誤解や不安が生じるのは、平常時の基準と、今回の暫定基準

緊急時の基準)を一緒に比較しているためだ。

Bougo_kangaekata

(図) 原子力安全委員会 「放射線防護の線量の基準の考え方」

上の図はICRP(国際放射線防護委員会)の被曝量についての考え方を示したものだが、

平常時においては、一般公衆の被曝量の基準は 1 mSv/年 である。

だが、それだけではなく、

ALARA(あらら)”as low as reasonably achieved" という放射線防護の基本的考え方に

従って、水道水の基準は、実現可能な範囲内でこの基準よりさらに低いレベルまで

引き下げられている。これが、WHOの水道水の基準(10 Bq/L)や、米EPAの水道水の

基準(0.111 Bq/L)が、低い値に決められている事情である。

輸入食品の放射性セシウムの基準の考え方は、

「輸入食品中の放射能の限度濃度」 (ATOMICA)に説明があるが、この基準により

「普通の食生活をしていれば1年間に受ける放射線の量は 0.04 mSv以下」

と推定されており、ICRPの公衆に対する線量限度原則 1 mSv/年に対して十分小さく

なるように設定されている。

一方、今回の「暫定基準」は、全身の預託実効線量が 5 mSv/年 以下となることを

目標 (ヨウ素-131については、甲状腺の預託等価線量が 50 mSv/年 以下を目標)

として定められている。そもそも目標がまったく違っているのだから、基準値は

異なって当然なのである。

I131_kijyun_2

Cs_kijyun

チェルノブイリ指令は、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどからEUに輸入される食品に適用。

日本からEUへ輸入される食品には、当初はEURATOM基準が適用されたが、

4/8から、日本の暫定基準と同じ基準に変更された。

もし事故発生時に、平常時の低い基準を適用していたら、水道も使えず、大量の食品を

捨てることになり、不必要な経済的損失を引き起こしてしまうことになるし、食料や水が

不足してパニックが起きるかもしれない。

ところで、今回の「暫定基準」(緊急時の対策基準)のリスクはどのぐらいなのか?

ICRPの推定では、100 mSv の放射線を浴びた時に、ガンで死亡する確率が 0.5%

増加する、とされている。 (注3)

全身の預託実効線量で 5 mSv の放射線を浴びたとすれば、ICRP方式の単純な推計

では、ガンで死亡する確率が0.025%増加することになる。(一生の間にガンで死亡

する確率であって、ガンになる確率ではないことに注意。)

仮に、10万人がこの限度いっぱいの放射線を、食品から浴びたとすると、

ガンで死亡する人は25人増えることになる。但し、日本では、人口の約30%がガンで

死亡するので、10万人あたりでは30,000人がもともとガンで死亡している。それが、

30,025人になったとしても、判別は難しい。

(注3) たとえば、日本原子力学会 (4/25)

「被曝による健康への影響と放射線防護基準の考え方」

大 CoSTEP 緊急出版!「もっとわかる放射能・放射線」 (無料公開)など参照。

但し、低線量被曝の影響については、ICRPの推定よりもずっと影響が大きい、

とする主張もある。(たとえばこちらなどに詳しい)

また、「100mSvまでは影響がない」と主張をする人もいますが、それについては

こちらの反論などが参考になると思います。

(追記)

低線量被ばくについては、こちらのエントリーにリンクをまとめました。    

3.事故収束後の長期対策の基準

原発事故がこのまま収束できるかどうかは、まだわからないが、仮に収束できたとしても、

周辺では、放射性セシウムの汚染が長く残ることになりそうだ。

今回の「食品の暫定基準」は、あくまで緊急対策の基準であり、影響が長期にわたる

場合には、この基準を続けるのは不都合がある。 一般の公衆が 5 mSv/年 の内部被曝

を、長期間にわたって浴びて良いわけではないからだ。

先ほど示した「放射線防護の線量の基準の考え方」に示されているように、

事故収束後の汚染に対しては、別の基準を設けることになっている。

「緊急事態対応判断基準等に関する調査」について(H19 原子力安全委員会)

では、チェルノブイリ後の放射性セシウムの長期対策について報告している。

Cs_level_russia

この表によれば、ベラルーシ、ロシア、ウクライナなどの旧ソ連諸国では、食品中の

放射性セシウムの基準値が引き下げられていることがわかる。今回の日本の

暫定基準の半分程度である。これは、チェルノブイリの事態の長期化を受けた措置

だろう。日本でも事態の長期化は明らかなので、いずれ、こうした見直しが行われることに

なるのではないかと思われる。

4.暫定基準は「1回だけ」放出が行われた場合を想定している

今回の暫定基準の元になったのは、

原子力安全委員会「原子力施設等の防災対策について」 (H22.8月最終改訂)

の中に出てくる 「防災指針で定められた飲食物摂取制限に関する指標」なのだが、

この算定法の詳細はこれらの資料には記載がない。

このため、自分でこれを検算しようとすると、特にヨウ素-131の場合、基準値の食品を

摂取し続けると、1年後には基準を大きく超えてしまうことになり、オカシイ!と疑念を

抱くことになる。 (注4)

この算定法は「放射性物質により汚染された食品の健康影響評価等に関する文献調査」

(2006.3.31) (pdf 230p)に記載があり、ここに

「①誘導介入濃度の飲食物を1年間摂取し続けたときに、介入線量レベル

の線量に被ばくするとする。ただし、飲食物中の放射性核種は物理学的半減期に

従って減少するとする。」

と計算条件が記されている。つまり、放射性物質の放出が1回だけ起こり、その後環境中

で半減期にしたがって減少する場合を想定しているのである。

このことについては、

「基準値の根拠を追う:放射性ヨウ素の暫定規制値のケース」 (4/6 岸本 充生 さん)

「食品における放射性物質の暫定規制値の考え方」 (4/9 日本放射線影響学会)

摂取する飲食物中の放射性ヨウ素の濃度が物理的半減期に従って減っていく

という仮定が置かれていることは、食品安全委員会が出している解説文

「東北地方太平洋沖地震の原子力発電所への影響と食品の安全性について」の

第16報(3月30日)までは示されていなかったが、第18報(4月3日)では、Q&Aの

問2への答えとして明記された。第22報では問3への答えの中に記されている。

報道では朝日新聞が4月5日に報じた。4/8  岡 敏弘 さん

などで解説されている。

今のところ、大気中への放射性物質の(大規模な)放出は、3/12~3/24(注5)にかけて

発生し、その後は起こっていない。このため、陸上の環境中のヨウ素-131は、半減期に

従って、順調に減っており、暫定基準の想定する状況からははずれていない。

(4/27追記) 実際には、規制を経て流通している食品の放射能濃度は、半減期に従って

減っているとは言えない、この意味では今の基準には問題があることになる。

そろそろヨウ素-131の暫定基準は見直さないと、制度の信頼性が失われると思う。

むろん、原発が再度不安定になり、再度放射性物質の放出が行われた場合は、暫定基準

の前提が成り立たないことになり、見直しが必要になるかもしれない。

また、海域については、まだ継続して放射性物質の流出が続いていると見られるので、

これについては、すでに暫定基準の前提から外れていることになる。今のところ、コウナゴ

以外では高い汚染値の魚介類は見つかっていないが、今後の調査によっては、基準の

見直しが必要になるかもしれない(注: この記事を書いた4/20はコウナゴしか見つかって

いませんでしたが、その後いろいろな魚介類で基準値を超える汚染が見つかっています。)

(参考: 水産物中の放射能濃度のグラフ  )

(参考: 「水産物の放射能汚染から身を守るために、消費者が知っておくべきこと」

     (5/1 勝川 敏雄 さん))

(注4) たとえば、team nakagawa のブログ 「放射性ヨウ素について(4/8まとめ)」では、

汚染が継続して続き、放射性ヨウ素の放射能濃度が減少しないとした場合の

試算を示している。

1年間の摂取制限線量と現在の暫定規制値から、単純な計算で、どれぐらいの

水・乳製品、食料などの全体の量が摂取可能か、試算した結果も以下に示します。

   (計算過程略)

2.2か月=67日が最小と試算されます(あくまで全部100 (Bq/kg)のヨウ素131が

含まれた食品を全て取った場合の試算です)。

ということで、基準値のヨウ素-131を含む食品を摂取し続けた場合、70日ほどで、

甲状腺の預託等価線量 50mSvに達する(10歳児の場合)と試算している。

(注5) ケミストの日常 「放射性物質放出量の推計に関する、「ん?」」 参照。

5.事実を正確に伝えてほしい

厚生労働省が4/7に公表したパンフレット(300万部発行)

110407_ninnshinn_2 

「妊娠中の方、小さなお子さんをもっお母さんの 放射線へのご心配にお答えします。」

は、あきれるほど愚民的だ。 中を見てもらうと判るが、数字が何一つ登場せず、

ひたすら「安全です」「政府がちゃんと対応しています」と言うだけの内容なのだ。

これを作った人は、「安全神話」が原発事故を招いたことなど、まったく気にとめて

いないアホとしか思えない。

世の中に出回るいろんな噂に怯える人が、これを読んで安心できる筈がない。

今回の原発事故で誰の目にもはっきりわかったのは、この事故が単なる科学技術の

問題ではなく、日本社会のしくみの問題だと言うことだ。今回の事故をきっかけとして、

情報を開示し、決定の透明性を確保し、批判を乗り越えて進めるようなしくみに

変えることができなければ、未来に希望はないと思う。

まずは、正確で詳細な事実の公表と、今後の政策決定プロセスの透明化をお願い

したいし、できれば、丁寧な解説も付け加えてほしいものだ。

(4/25 追記)

「大気や飲食物の軽度放射性物質汚染について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内 (続報)」

「同、Q&A」 (4/18 日本産婦人科学会)

この資料は、かなり丁寧に作られている。

しかし、日本産婦人科学会が当初公表していたリリースは、だいぶ不正確な内容も

多かったようだ。(4/25 ケミストの日常 「日本産婦人科学会の示すヨウ素131の危険性」

(4/25 追記)

ICRP Publication 111 p.55 より (日本語版ドラフトはこちら

表A.2. 1986年から1999年までの、ベラルーシにおける食品中のセシウム-137
    汚染限度の変遷

Table_a2

事故収束後に、基準値が引き下げられているが、解説では、状況の改善に伴う実用的

な手法だとしている。

ICRP Publication 111 p.58 より

表A.3. 1986年、1990年、2000年、2007年に、英国で制限下に置かれた農場数と
    羊の頭数

Table_a3

羊肉が放射性セシウムの最大限度濃度 1000 Bq/kg を超える農場が管理下に置かれるが、

事故から21年を経過してもなお管理下にある農場が存在する。

(4/26 追記)

「ベラルーシの部屋ブログ」に、「自分と子どもを放射線から守るには」という本の翻訳が、

アップされています。放射能を減らす調理法、放射能を取り込みやすい作物と取り込み

にくい作物など。

(5/11 追記)

時事通信 (5/3) 「市町村の4割が未実施=農畜水産物の放射性検査-11都県」

 東京電力福島第1原発事故を受け、厚生労働省が農畜産物や水産物に含まれる

放射性物質を検査するよう求めている1都10県の計513市区町村のうち、

全体の4割に当たる203市区町村で先月下旬までに一度も検査を実施していない

ことが3日、同省のまとめで分かった。

 厚労省は4月4日、放射性物質の降下量が多かった福島、茨城、栃木、群馬と

近隣の宮城、山形、新潟、長野、埼玉、千葉、東京の各都県に対し、農作物などの

検査計画を策定するよう通知した。

 このうち福島県は積雪などの影響で農作物を出荷していない自治体を除き、全市町村で

4月下旬までに検査を実施していた。一方、茨城は11市町村、栃木は8市町、

群馬は10市町村で未実施だった。

 また、埼玉は最も多い50市町村で検査を行っていなかった。千葉は23市町、

東京は32市区町村、山形は25市町村、宮城は8市町、新潟は19市町村、長野は

17市町村がそれぞれ未実施だった。

すでに手遅れですが、暫定基準値を超えた食品は出回っていない、というのはかなり

無理がある感じです…。

(5/17 追記)

「ベラルーシにおける法的取り組みと影響研究の概要」  (ウラジーミル・P・マツコ、今中 哲二)

チェルノブイリ事故後のベラルーシにおける対策全体の解説。(食品に限らない。)

日本放射線安全管理学会 簡易浄水器のヨウ素、セシウム除去効果 (4/28)

活性炭とイオン交換樹脂でもけっこう効果があるようです。

(5/23 追記)

基準値の根拠を追う:放射性セシウムの暫定規制値のケース (5/23 岸本 充生 さん)

放射性セシウムの暫定規制値の特徴は、半減期が長いことから、「希釈効果」が

考慮されていることである。希釈効果とは、(年平均濃度)/(ピーク濃度)の値とされ、

0.5が使われている。事故直後は、周辺住民は地産の飲食物ばかり食べるが、

時間が経てば遠方からの飲食物も入ってくるという想定だと思われる。希釈効果を

含めなければ暫定規制値は現在の半分の値となる。

アメリカFDAの基準では、汚染された食品を摂取する割合は0.3として計算されている

から、日本の基準のほうがこの点は厳しく評価していることになる。

とはいえ「暫定基準の食品を1年間食べ続けても安全」という表現は正確ではない。

(5/24 追記)

IAEAの報告書 "ENVIRONMENTAL CONSEQUENCES OF THE CHERNOBYL ACCIDENT

AND THEIR REMEDIATION: TWENTY YEARS OF EXPERIENCE (2006)" より。

抄訳→  IAEA報告書(2006):チェルノブイリ原発事故による環境への影響とその修復

Iaea_table4243

すでに紹介した内容と重なっている部分が多いが、いちおう紹介しておく。

(5/25 追記)

5/24から「世界もおどろく日本の基準値2000ベクレル」というひどいサイトが話題になっていて、げんなりする。

(5/26 追記)

食品中の放射性物質に関する検査の実施状況【都道府県別】  (←最新5/13 厚労省)

これだけでは検査対象数がわからないが、埼玉県はあまり検査していないし、茨城でさえ

検査していない市町村があることがわかる。

(追記) これを書いたときの5/13版はもう見ることが出来ないが、

     7/28 版はこちら → http://goo.gl/srlgA

(5/28 追記)

「食品の放射性物質の暫定基準値はどうやって決まったか」 (5/28 勝川 俊雄)では、

全体の上限であった5mSv/yearがいつの間にか各核種グループの上限にすり替えられている

として、ヨウ素、セシウム、ウラン、プルトニウムをそれぞれ食品から基準いっぱいに

摂取したら、合計で17mSv/年の被ばくになるのではないか?という疑問を述べている。

米FDA基準では、そうならない理由をこう説明している。

「DILs基準は、それぞれの放射性核種または放射性核種のグループごとに、独立して適用される。

なぜなら、それぞれは違った種類の事故に適用されるからだ。」

(a) 放射性核種

 チェルノブイリ事故後の食品中の放射性核種のデータに基づき、原子炉事故の場合の

DILs規準は、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137、ルテニウム103、ルテニウム106

について適用する。 再処理工場と核廃棄物保管施設の事故の場合、DILs基準は、

ストロンチウム90、セシウム137、プルトニウム239、アメリシウム241について適用する。

核兵器の事故と、宇宙船で使われる放射性同位体熱電発電機(RTGs)や放射性同位体

ヒーターユニット(RHUs)の事故の場合は、DILs規準は、プルトニウム239とプルトニウム238の
それぞれに適用する。 摂取した場合の放射線量について、どの放射線核種の役割が

大きいかというここでの選択は、NEA, WHO, CODEX, CEC で出しているDILs推奨基準

(NEA 1989, WHO 1988, CODEX 1989, CEC 1989a, IAEA 1994) でも同じである。

つまり、原子炉事故の場合は、ストロンチウム、プルトニウム、アメリシウムの摂取については、

あまり考慮しなくとも良い(I-131, Cs-134, Cs-137, Ru-103, Ru-106 に注意していれば、

それらを危険量摂取する可能性は低い?)と考えられているようだ。

今回、ルテニウムがどうなっているのかよく判らないが、これまでの情報では、

ストロンチウム、プルトニウム、アメリシウム を危険なほど摂取する可能性は低い

ように感じている。(まだまだ情報が不足しているが。)

但し、ヨウ素とセシウムだけでも最大で7mSv(全身)を許容していることになるので、

?という感じは残っている。

チェルノブイリ事故後の放出核種については、こちら(IAEA報告書抄訳)など参照。

(6/8 追記)

合計で17mSv/年にならない理由がいまひとつわかりにくい、というリクエストがあったので、

こちら(yahoo知恵袋)で回答した内容を追記する。

  日本の暫定基準を作った方が、どのように考えていたかはわかりませんが、

アメリカFDAの基準を作った人たちは、原子炉事故の場合は、ウランや

プルトニウムによる食品汚染は考慮する必要がない、と考えました。

  それは、チェルノブイリ事故の際、ウランやプルトニウムが、それほど遠く

まで飛散しなかったからです。セシウムの量のほうがはるかに大きいため、

セシウムによる食品汚染に気をつけていれば、ウランやプルトニウムは

ごく微量しか摂取しないだろう、というわけです。

(但し数百年経って、環境中の放射性セシウムの量が減れば、チェルノブイリ

原発の周辺で注意すべき放射性物質は、プルトニウムなどの半減期の長い

ものになるでしょう。)

  チェルノブイリ事故で、あまり遠くまでプルトニウムが飛散しなかった

ことについては、IAEAの報告書などに書かれています。

http://sites.google.com/site/jchernobylreport/3/3_1

http://www.mri-jma.go.jp/Dep/ge/2007Artifi_Radio_report/Chapter5.htm

  今回の福島の事故でも、ウランやプルトニウムによる食品汚染の影響が

ほとんどないとすれば、暫定基準の許容する食品からの放射性物質摂取の

上限は、ヨウ素とセシウム(+ストロンチウム)の、合計7mSv/年 になる

というわけで、17 mSv/年にはなりません。(ウランからの5mSvと

プルトニウムからの5mSvは考慮する必要がないので。)

  もちろん、実際に、ウランやプルトニウムの影響が小さいかどうかは、

よく調査して監視してもらいたいのですが、今のところの限られた

調査結果では、プルトニウムの拡散はごく微量なようです。

(5/31 追記)

「放射線被ばくから子どもを守るために」 (May 2011 NPOセイピースプロジェクト)

水の危険性をやたら強調しているが、今では水道水の危険性はかなり低い。

また、葉物野菜を避けるよう書いているが、これも過去の話になりつつある。

一生懸命つくったと思われるが、何だか残念なパンフレットだ。

(6/8 追記)

6/7 NHK藤原記者からお褒め?を頂戴したようです。

(6/13 追記)

「食品の暫定基準値の考え方についてまとめました」 (6/11 3.11東日本大震災後の日本)

「今は非常時?平常時?まずこれをしっかりと理解しましょう」 (6/11 同上)

暫定基準の法的な位置づけや、暫定基準が決められるまでの経緯などについても

詳細にまとめられています。

(6/13 追記)

海産物について、放射性ストロンチウムの汚染が憂慮される事態となっています

このブログの「放射性ストロンチウムについてのリンク集」のコメントに、

私の考えを記しています。

(6/14 追記)

「関東の水道水の放射能汚染に関する考察」 (5/27 ZIPANGU Renaissance)

水道水の汚染状況の推移がわかりやすくまとめられています。

但し、水道水は、とっくに問題のないレベルになっているので、再び原発が不安定に

ならない限りは、過去の話です。

でも「AERA」6/20号に、韓国コーウェイのRO膜浄水器(Amazonで63,000円)が売れて

いる、という記事がありました。「それでも不安」という人はたくさんいるのでしょう。

(6/27 追記)

国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された、お茶や魚介類などの出荷制限

の解除について、政府は、制限のかかった地域にある市町村や漁場ごとに3か所以上

検査し、すべて基準を下回れば、原則として制限を解除できることを決めました。

政府は、国の暫定基準値を超える放射性物質が検出され、出荷制限の指示が出された

野菜などについては、およそ1週間ごとに検査をして、3回連続で基準を下回ったことが

確認されると制限を解除してきました。しかし、お茶や魚介類から検出されている放射性

セシウムについては半減期が長く、半減期が短い放射性ヨウ素と同じ解除基準はそぐわ

ないとして、厚生労働省などが新たな解除の方法の検討を進めてきました。その結果、

お茶や魚介類から検出される放射性セシウムについて、制限のかかった地域にある

市町村や漁場ごとに3か所以上検査し、すべてで基準を下回れば、原則として制限を

解除できることを決めました。新しい基準は、野菜から検出される放射性セシウムに

ついても、今後、適用されるということです。6/27 NHK

  これについては私は異論ないが、それより基準値のほうをいいかげん見直してほしい。

(7/19 追記)

「緊急事態期の低線量被曝のリスク」 (7/17 安井 至 さん) の中で、

小島正美(毎日新聞記者) 「正しいリスクの伝え方」 (エネルギーフォーラム社、新刊)

という本の、暫定基準を決めた食品安全委員会についての記述が紹介されている。

この本の存在は今知ったばかりで読んでいないのだが、この紹介記事によると、

放射性セシウムの暫定基準については、5mSv/年から、10mSv/年程度に緩和する

流れになっていたのだが、土壇場になって、100件程度の「緩和するな」という抗議・批判

がメール等で寄せられたのに臆して、緩和が取りやめになったというのだ。

この著者(小島氏)はこれを「世論という妖怪に負けた」と表現しているのだそうだ。

 だが逆に、あらかじめ用意されていた5mSv/年という基準を、数人の参考人の意見を

聞いただけで軽々しく緩和したとすれば、それもまた別の何物かに負けたということも

言えるのではないだろうか?

(とりあえずもとの本を読んでいないので、今はこれ以上書かない。)

(8/2 追記)8/1に購入したのだが…、こんな本に金払うんじゃなかったorz。

(7/27 追記)

食品安全委員長からのメッセージ (7/26)

第9回 放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ資料

  (7/26 食品安全委員会)

  議事概要 「生涯の累積の実効線量として、おおよそ100mSv以上と判断

これで、暫定基準がどのようになるのかはまだわからないが、

90歳まで生存すると考えると(それまでの被曝がごくわずかと想定)、

70歳の人 → 5.0mSv/年まで許容

50歳の人 → 2.5mSv/年まで許容

40歳の人 → 2.0mSv/年まで許容

30歳の人 → 1.6mSv/年まで許容

20歳の人 → 1.4mSv/年まで許容

10歳の人 → 1.2mSv/年まで許容

ということになる。

福島市のように、外部被曝だけで年間数mSvに達するところに住んでいる人は、

当然これをオーバーすることになるので、自分にとってのメリットとデメリットを勘案して

住み続けるかどうかを決めることになるわけだが、しかし、そうであるならばもっと踏み込んで、

「デメリット」についてもっとわかりやすく説明するべきではないだろうか。

(8/5 追記)

「あやしい放射能対策」 (7/19 片瀬久美子)

マクロビオティック、EM菌、米のとぎ汁乳酸菌、ホメオパシー、ペクチン、スピルリナ

などの放射能排出効果は疑わしいとされている。 私自身はこういうものにも、こういう

議論にもあまり興味がないのだが、いちおう紹介しておきます。

(8/23 追記)

「ふくしま新発売。笑わせるな」 (8/20 農家の婿のブログ)

基準値を下回ったから安全だ!

基準値下回ったから?
じゃあその基準値の根拠はどうだ 

僕の知ってる限り、今回の暫定基準値に関して政府が根拠にしたIAEAやICRPの緊急時の数値は
「原発事故等の緊急時にやむを得ず短期間なら摂取しても急には健康被害が出ないであろう数値」
だったはずだ

だから、基準値を下回ったから安全だと言うのなら
基準値を下回ったから短期的には食べても安全だ
と、きちんと言うべきだ

これを長期的に適用しようとするのなら
安全ではないですが、これでなんとか我慢してください
と、きちんと言うべきだ

(8/23 追記)

「中川恵一(yteam nakagawa)による安全デマ」 (8/23 makirintaro)

「松本義久による安全デマ」 (8/17 makirintaro)

事故の直後は、みんなこの人たちの話をありがたく聞いていた。

それにしても思うのは、原子力の専門家と言っても、放射性物質の「人体への影響」

についての専門家は少なく、さらに、食品汚染から環境汚染まで含めて深く論じられる

ような人は、実はほんのちょっとしかいないんじゃないかな?

(8/29 追記)

@shanghai_ii さんのツイート(8/28)

何度か書いてきたけど、ウクライナの基準値を評価する人は実際の数値を見た方が良いと思う。
何故彼らがベクレルモニターで自衛してるのかが分かります。

http://goo.gl/XFHPu

0828_sh01

http://goo.gl/OL9bN

0828_sh02

http://goo.gl/LomXW (4/4 ロイター)

たぶん、ウクライナでは、とか、ベラルーシでは、とか、基準値を持ちだして羨ましがって
いる人は、現実の世界を見てないのか、見てても絶望してないんだと思う。一旦出ちゃった
放射能は、原子炉よりも管理できません。管理しなきゃならないのは、放射能じゃなくて、
人間の行動。

1Bqだってイヤという人が福島産を避けるのは当然です。だって、測定限界がセシウム合計で
10~20Bq/kgなんだから。でも、測定値が嘘だとか薄めてるとか測ってないとかいう言は
とても失礼だと思う。先にUPしたチェルノブイリ周辺3国のミルクの数字を見れば、それが
分かるでしょう。

(9/6 追記)

「放射性物質の食品影響評価WGの評価書(案)を読んでみた(その1)」 (8/4 林岳彦の研究メモ)

「放射性物質の食品影響評価WGの評価書(案)を読んでみた(その2・疑問編)」 (8/16 林岳彦の研究メモ)

「同情編のための前置き:許容リスク・ALARA・予防原則・汚染者負担原則」 (8/31 林岳彦の研究メモ)

・実は、本評価書内では「食品中の放射性物質の指標値」については実質的に何一つ

 触れられていません。

・もうこれはちょっとさすがに内容以前の段階でアウトなんじゃないのかなぁ、と思います。

・食品安全委員会が規制科学の領域から撤退したら誰が規制科学の領域を担うの?

・「どの程度までの影響を許容限度とするか」の量的な議論が全く抜け落ちてしまって

 いるのです。

・どのリスクレベルを「許容可能」とするかの線引きは「科学」により決まるものではなく、

 本質的には当事者を中心にした社会的合意により決定されるべき筋合いのものです。

(9/16 追記)

緊急時の食品の放射能基準値の議論からドイツ放射線防護協会の基準値の検証へ(9/5)

私はあまり調べていなかったのだが「ドイツ放射線防護協会の提言」は、Sr90が(Cs137比で)

かなり多い(50%)という想定で算定したものとのこと。福島の場合、陸上についてはSrの

比はかなり小さいので全く状況が異なる。海産物についても、50%よりはだいぶ小さいことは

間違いないだろう(まだはっきりしたことはわからないけど)。

(9/26 追記)

松田 浩平 さん(東北文教大学教授/実験心理学)の Facebook(9/18)

国の暫定基準値の500Bq/Kgは全面核戦争に陥った場合に餓死を避けるためにやむを得ず
口にする食物の汚染上限です。もしも放射性セシウム137が500Bq/Kgも含まれた食品を
3年食べたら致死量に達します。

全てが基準値ぎりぎりではないとしても重複内部被曝を考えれば政府の暫定基準値では
10年後に半数以上の国民が致死量以上に内部被曝する可能性が95%を超えます。つまり
暫定基準500Bq/Kg未満で安全宣言すすると言うことは、その食品を食べた人が10年後に
半数は死亡してもかまわないと言っているのと同じだと言うことを忘れないでください。

こんなことを堂々と書いちゃって、この人は大丈夫だろうか。

それともデマを流布する心理学の実験なのかな?

(9/28 追記)

前記の松田 浩平 さんのFacebookは、9/27には非公開になっているが、ツイッターはこちら。

  http://goo.gl/qA7G2   http://goo.gl/6vez6

それにしても、なんでこんなことを書く人がいるのだろうか?と思ったのだが、

「世界も驚く日本の基準値2000ベクレル」の初期バージョンに

WHO基準(餓死を避けるための非常事態時の数値)」という説明があった

  → http://ug-jaro.jugem.jp/?eid=1167

ので、どうもこのあたりが震源地らしい。(ちなみに最新バージョンでは消されている。)

 ところで、「餓死を避けるための非常事態時の数値」と書いてないとすれば、何て

書いてあるのかと言うと、ICRP1984年勧告では、

「事故の発生後数時間から数日間の「中期」には」 水と食品を通じた被曝量を年間5mSv

とした。 (朝日新聞Globe 「日本の「暫定基準値」急ごしらえの限界」

 その後1986年にチェルノブイリ事故が起きて、発生後数日ではとてもすまないことが

わかったから、海外も含め、今の基準では「緊急時」の期間はケースバイケースと

いうことのようだ。どうやらこのICRP1984年の表現を勝手に解釈して、大げさに表現

している人がいるようだ。

(9/30 追記)

早野 龍吾 さんのツイート(9/30)

輸入食品の 370 Bq/kgという一見不思議な値は,チェルノブイリ事故当時 10 nCi(ナノキュリー)/kgを

基準値としたため. 現在はキュリーに代わってBqが使われるようになったので,それを

10 nCi/kg を Bqに換算すると 370 Bq/kgとなる

(10/8 追記)

「食品放射能の日本政府による暫定規制値について」 (こどもたちを放射能から守る科学者ネットワーク)

この人たちは、参考値として 70 Bq/kgを提案している。

(10/17 追記)

「長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き」 (6/27 放生研ニュースレター)

Cs137_chikuseki_2

(10/29 追記)

「食品に対する放射能の基準値はどのようにして導かれたのか」 (9/6 松村武)

大学院で学生と一緒に勉強したまとめ、ということなので数式も多いですが、

放射線の放出とは…、というところから書き起こしている他に類のない資料。

(10/29 追記)

10/27に食品安全委員会の評価結果が出ましたが、

新基準については、こちらのエントリーで書きます。

(12/15 追記)

Togetter 「ドイツ放射線防護協会「成人8Bq幼児4Bq」についてまとめのまとめ」 (12/15)

「ドイツ放射線防護協会」は単なる民間団体で、ドイツの基準ではありません。

この計算根拠は日本の暫定基準と同じですが、目標値と前提条件が異なるために

厳しい数字となっているものです。

(12/19 追記)

EUの基準について誤解している人が多いようなので再整理:

■ EUの基準には、EURATOM基準と、チェルノブイリ指令(No.733/2008) の2つがあるが、

チェルノブイリ指令は、「チェルノブイリ事故に起因する汚染食品」についての基準

(中長期的な対策の基準)。その他の放射能漏れ事故には EURATOM基準が適用されるのが

原則で、福島第1原発事故による日本からの食品の輸入基準も、EURATOM基準に基づいている。

■ しかし、EURATOM基準よりも日本の暫定基準のほうが低かったことから、EUも「暫定的に」

日本の基準に合わせて引き下げた基準(4/8改訂)を適用することにした。

この経緯については、こちら(JETRO)の説明がわかりやすい。

また、駐日欧州連合代表部のHPに詳しい情報がある。(やや読みにくい)

■ EU加盟国は、欧州委員会に通知せずにこの基準よりも厳しい措置を取ることはできない。

駐日欧州連合代表部のHPの 3.1 参照)

■ 乾燥食品について、EURATOM基準では、「摂取ために水で戻した状態の基準」

EURATOM基準 p.11 注1 に記載) としている。同様の規定は、CODEX基準

CODEX基準 p.33下部"Scope" に記載) や、米国FDAの基準にもある。

日本の暫定基準にはこの規定はなかったが、新基準では追加される予定である。

■ 現在、日本から輸入される食品については、乾燥食品もそのままの状態で評価

されていると思われる。6/17にパリ・ドゴール空港の検査では、静岡市の新茶(1,038Bq/kg)

が引っかかった。 しかし、もし日本の暫定基準が、乾燥食品の取り扱いについて規定して

いれば、EUでもそれと同じような扱いになったのではないかと思う。この点では、日本の

暫定基準は、EUにやっかいな前例を残したかも知れない。

■ またEURATOM、CODEX、FDAの基準には、「スパイスなど少量しか使わないもの」

の基準値を10倍とする規定がある。日本の暫定基準にはこの規定もないが、新基準で

これをどう扱うかはまだ公表がないと思う。

(2012/2/14 追記)

中華人民共和国 「食品中の放射性物質制限濃度標準」 (JETRO日本語訳)

(2012/6/21追記)

2011/12 電力中央研究所 「福島原子力発電事故での食品安全規制の課題と改善策」

  6月までのモニタリング状況、暫定基準の根拠、考察と展望。 (お薦め)

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コメント

 
こんばんは、青空です。

この記事の内容は非常に参考になりました。
様々な学者や医者の知見を見ますが、どれも総合的にどういうことなのかという点は不十分な感がありましたので。
そもそも日本の科学者や医者達も十分な放射能治療や内部被爆の治療経験も斬新な見解もないのでしょう。
(一部チェリノブイリの治療経験を持つ医師はいますが)。市民が十分に納得できる説明をできる知見も準備も広報も有していないと感じます。
政府発表などがただ、ただ数字の羅列となっていくのはそれが要因なのではと思いつつあります。

福島市や郡山市は大きく、子供達も多い都市です。
幼少の子供達を外に放てば、石をひっくり返し団子虫を探したり、砂場遊びをしたりと基本土にまみれてしまいます。
あれだけの線量を持つ土壌に触れること・口に入ることなく子供達が野外活動することは困難なのではと感じてしまいます。
悪いことに聞きわけができるようになるのは小学3年生ぐらいで、、
よりリスクが高い子供達ほど統制できず、リスクが高いことをしてしまうのではないかと感じることも多々あります。

しかし、計画避難区域は愚か、郡山市、福島市のあの大人口を受け入れ可能な収容能力はどこにあるのでしょう。
避難しろといっても結局は避難できる受け皿がないのではと思っています。
またあのクラスの都市機能が停止したら国内にどの程度の経済悪化要因になるか想像がつきません。

仙台も今後の風向きや原発の状況次第でどうなるか見えませんが、仮にリスクが上がっても仕事を辞して、当てもなく避難生活を送ることが
選択できるかと自問すれば、困難な気がします。ただせめて子供達は疎開させようと思いますが。

PS
つい余震かと思い、目が覚めてしまいましたが夢でした。思いのほかストレスは蓄積されるようですね。

先日ご案内頂いたBSプレミアの番組、無念にも見そびれてしまいました。子供達と近くの桜を見に行っていたら時間が・・・。
せっかく教えていただいたのに申し訳ありません。再放送しないかな、と念じております。

 
青空 さま。

福島市全域の避難、、、というのは大変困難でしょうし、デメリットとの比較で言えば、もっと線量が上がら
ない限り、行わない方がbetterという判断になるでしょう。

しかし、学校の問題について言えば、たとえば、表層の土を入れ替えるようなこともしてあげられないほど、
私たちの国が貧しいとは思えないのですよね。

屋外で活動できない、というのは、教育の質としていかがなものかとも思います。

 
下記の資料を使って、保護者に、学校から、放射性微粒子は、安全だと、説明せよとのこと。
何をもって、安全と言うのか、まったく内容がない。
現実、福島県では、屋外運動場は、使用禁止命令がでているのに、全国一律に、保護者と幼児、児童、生徒に、安全洗脳せよ。
と言う、文部科学省の神経がわからない。官房長官のように、安全だ。安全だ。と、わめいたところで、国民が納得する訳がない。
北海道から沖縄まで、同じ説明で、済ませようとすること自体、理解不可能。

********************

標記の件について、4月20日に文部科学省で開催された「平成23年度東日本大震災
に係る都道府県・指定都市教育委員会教育長会議」での配布資料のうち、放射能関係の
資料について周知依頼がありましたので、下記文部科学省ウェブページにてご確認ください。

文部科学省ウェブページ「平成23年度東日本大震災に係る都道府県・指定都市教育委員会教育長会議」
【資料7-2 放射能を正しく理解するために】
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/21/1305300_7_2.pdf

【資料7-4 放射線について】
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/04/21/1305300_7_4.pdf

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305299.htm

表層の土を入れ替えるようなこともしてあげられないほど>>>>>文部省の言い分は、時間がたてば、放射線量は、
激減すると言う洗脳をしたいらしいが。。。

そんなことは、ありえないのですけどね~。

 
りぼん さま。

今の状況では、福島と周辺の一部以外は、あまり放射能について心配することはないと思うので、
まず親自身が落ち着いて、子どもにも安心感を与えることの方が重要なことは間違いありません。

しかし、今の福島の(特に子どもの)対策の見送りを、棄民政策に近いと感じている人も多いでしょう。
文部科学省の安全軽視の政策が不安を招いているのに、安全性だけ訴えても、
なかなか安心にはたどり着かないかもしれませんね。

 
今の状況では、福島と周辺の一部以外は、あまり放射能について心配することはないと思うので>>>>>
科学的には、まったくそのとおりで、除染の代わりというか、服装はすべて着替え、風呂にも入っているのだから、
まったく、差別される意味が、わからない。
(口蹄疫のときも、防護服代わりに、下着から、すべての衣服を、牛舎に入る前後で、着替えることで、
感染レベルを下げていた。感染症と放射線微粒子とは違うが、微粒子を外部に漏らさない意味はある)

ところが、放射能について心配することはない地域の人間が、福島の一部の学校では、屋外運動場が
使えないと言うニュースのみ、マスコミで、毎日聞いている。
このような状態で、居住地の空間放射線量を示しながら、福島原発周辺とは、桁違いに放射線量が違っていて、
しかも、11日以前と変わらないことを、数値で示すこと。すなわち、安全、安心の理解なのだが、
数値は、特に、指導するなと言う、あくまで、安全、安全といい続けること。。。

こんな指導、やらない方がましです。大体、関東以西では、まったく現状の放射線量であれば、
無理やり取り上げて、保護者を混乱させる必要もないのに。。
全国一律で、同じ指導をしなければならないことが、問題なのです。

ぜったい安全、ぜったい危険と、割り切れる状況にない国内事情なのだから、きちんと、数値で、説明しないと
保護者の理解は、得られないでしょうね。

 
りぼん 様

ご紹介のあった通達,読ませて頂きました.「心配が健康に良くないので安心しろ」という論調には,私も閉口します.
農産物では,感染症の流行や農薬の残留でも,常に風評被害が懸念されます.
当方には,衛生害虫の防除で,その不安を,市民の方から明かされ,対応に苦慮した経験があります.

数値で示される安全は,有害性の認識が前提となり,消費者の求める安心は,無害の範囲を許容するか,
その存在を排除することで得られます.前者に僅かでも疑念が生じれば,後者の要望は強くなり,
風評被害が起こるように思います.この時には,科学的な安全と心情的な安心が相反します.
許容の範囲を,具体的に示すほど,対する不安は,さらに募ることになります.

そこに,有害性を指摘しながら,安全性を主張しなければならない研究者の苦悩があります.
危険と向き合うことに安心が求められなければ,風評被害はなくならないと存じます.今回の原子炉の事故では,
非難を覚悟で被害を検証することが求められます.

 
MAKIRIN1230 さんの一連のツイート http://twitter.com/#!/MAKIRIN1230
が、食品の放射能の問題を良く解説している。

たくさんツイートがあるので、追ってまとめるつもりだけど、一部を紹介。

(4/20) 3月16日の時点で原乳から1190Bq/kgの濃度のヨウ素131が検出されて
いたにもかかわらず、報道されたのは3月19日。
ヨウ素131の濃度が高かったと思われる3月16日頃、汚染されたほうれん草を
食べてたり、牛乳を飲んでしまった人はかなりいるのでは。

(4/21) 作業員3人が放射性物質で汚染された水に足を漬けてしまって治療を
受けたことは報道されましたが、その後、作業員のひとりが皮膚障害になって
しまったこととは報道されてないですよね。
都合の悪いことは報道しないつもりなんでしょうか。@yoshidayu_3

(4/21) 乳児にとっての36.3Bq/kgのヨウ素131はそんなに微量というわけでは
ないと思うけど・・・。これが3月30日に採取したものなら3月17日時点では
約120Bq/kgだった可能性もある。

(4/21) 3月17日時点でのヨウ素131の濃度が70Bq/kgとし、その後ヨウ素131の
摂取が全くなかったとして崩壊による減少だけを考慮した場合、
それから毎日1.3L飲んでいたとすると、甲状腺等価線量は4mSvぐらいになる。

(4/21) 検査体制の確立の遅れが原因で、3月16日から19日頃まで現在の
暫定基準値を超える食品が大量に市場に出回っていた可能性は高い。
ヨウ素131に関しては、そのころ、どれだけ経口摂取してしまったかが問題となる。

(4/21) 3月18日以前の定期降下物のデータを文部科学省が公表しないのは、
現在の暫定基準値を超えた食品がそのころ出回っていたことを隠蔽するためか。

(4/23) 暫定基準値、一般の人が正しく理解して運用するにはちょっと複雑すぎたようですね。
年間摂取限度を単純に365で割って決めた方が良かったのでは。
はじめは厳しくても、ヨウ素131については野菜で70Bq/kgぐらいに。

 
そこに,有害性を指摘しながら,安全性を主張しなければならない研究者の苦悩があります>>>

研究者は、多分、米、ソ、中が、大気中での、核実験をしたときの、日本での、放射線汚染の度合いや、
フランスのニューカレドニア諸島での、水中水爆実験での、海洋汚染などの放射線量などの情報をある程度、
持っていると思われるのですが、多分、ヨウ素131など、初期発生する放射性物質は、日本国内では、
今より少なかったと想像できますが、セシウムやストロンチュームなどは、結構、世界中で、当時、
検出されたのではないのでしょうか?
それとも、当時はまだ、放射線総量の測定は出来ても、正確な核種分類と核種ごとの放射性物質量の定量測定は、
出来ていなかったのでしょうか?

動物実験では、放射性物質の被曝による急性症状と慢性症状についての研究論文は、どこかにありそうに思えますが、
あまり公開されていないように思えます。
実際、ベトナムの枯葉剤での奇形児同様、チェルノブイリでは、放射線急性症状が原因とみられる奇形動物が、
たくさん現れたし、中国では、頭が、複数ある豚とか、地下水爆実験場付近では、捕獲されているらしいが、
現地では、地下実験などの事実は、極秘なので、因果関係を追及しないし、もちろん、国家主導マスコミも報道はしないが。。

少なくとも、過去、大気中での核実験が当たり前の時点での、空中放射線量と土壌汚染量程度までなら、
日本人の平均余命を短くする汚染レベルではないのではと思える。

「平常時の基準と緊急時(放射線事故発生時)の対策基準」は、やむを得ない妥当な考えかもしれないし、
事故が収束する前提であれば、順当な考えであろうが、このことを、政府もマスコミも説明しないのが、不思議です。

単年度での年間積算放射線量で、規制すれば、当然、事故後、3年間くらいは、福島原発の50km範囲内では、
生活しない方が良いとの結論になるであろうが、3年ほど経てば、土壌汚染を処理できれば、
住める地域は、増えていくようにも思えますが、そういう情報を正直になぜ、報道しないのでしょうか?

 
りぼん さま。
ストロンチウム90とセシウム137の観測は、長年行われています。

こちらで、1次資料を見ることができます。(1963~)
  http://www.kankyo-hoshano.go.jp/en/index.html
  ここから「Radioactivity Survey Data in Japan」をクリック。

低線量被ばくについては、諸説あって紹介しにくいですね。
私もちょっとづつ勉強しているんですが。

ただ、チェルノブイリの事例など見ると、低線量でもそれなりにあるのかなぁ、
と感じています。 残念ながら、20年ぐらい経てば、福島の事例が知見を
もたらしてくれるのでしょうね…。

 
低線量被ばくについては、諸説あって紹介しにくいですね>>>>

はっきりしていないから、内閣参事官も辞任されるのでしょうね。今言われている単純積算被曝量=実害とは、言えない部分もあると思えます。理由は、チェルノブイリに非常に近いところの居住禁止区域で、たまたま放射線レベルが、低い地域があり、そこでは、避難せずに、現実に、人間が、外見上、健康で、生存していることです。もちろん、野菜も乳製品も、現地調達なので、当然、ある程度、被曝しているでしょう。また、チェルノブイリ近郊では、事故後、5年後当たりから、野生哺乳類の繁殖と増殖が多いと言う報告があることです。捕獲する人間が居ないので、増えるのは、当たり前ですが、汚染されたえさでも、充分、生きていることは、証明されたのかもしれません。
また、微弱放射線によるDNA損傷は、自己修復機能があるとの報告もあります。
乳幼児のように、ヨウ素131や、ストロンチュームが、カリウムと入れ替わり、白血病になりやすいなど、放射線同位体の体内取り込み置換は、非常に、危険性が高いのでしょうが、65歳過ぎた人間の余命については、特段、急性被曝しない限り統計的な明確な差異のレポートは、少ないような気もします。

コンタンさまは、外国文献にも、お詳しいので、ぜひ、無責任に、国際防護委員会のデーターを、ご都合で、利用した日本政府に、科学的に、対抗できる論文を、ご紹介くださると、安心に、結びつくかもしれません。よろしくお願いいたします。

 
原田氏のツイッター見ているのですが、セシウムとセリウムの半減期を混同していますね。
直接指摘したいのですが、ツイッターの仕方がわからないので、ここに書き込んでしまいました。
セシウム30年、セリウム300日。
農水の畜産担当がこんな勘違いしているのは、かなりまずいです。

原田さんの、このツイートのことでしょうか?
 
   廃棄か給与量の上限を設けるか等、現時点では調整中とのこと。
   RT @CieroRico @hideoharada てヨウ素は半減期8日なので、検出されても多少…セシウムは確か100日。
   置いておくことで対応をお考えなのでしょうか。それとも他の草種と稀釈させて使うということですか?

これは原田さんではなく、質問者の方が間違ったのですよね。
セシウムの100日は生物学的半減期ですが、植物では減りません。

原田さんはフォロワーが1万人もいらっしゃいますから、間違ったらすぐ指摘が出るでしょう。

 
Swissinfo.ch (5/10) 「福島原発事故、もし「フクシマ」がスイスで起きたら - 1 -」
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=30189670

「スイスでフクシマのような事故が起きても、許容される年間の放射線量は1ミリシーベルトだ」と
スイスの連邦保険局 ( BAG/OFSP ) 放射能線保護課主任、クリストフ・ミュリット氏は強調する。

この1ミリシーベルト ( mSv ) は、外部被曝 のみならず食べ物摂取による内部被曝の場合も厳守される。
特に妊婦、胎児、子どもの場合は絶対だ。

--------------------------------------------------------------------------
口で言うのは簡単だが、実際に大事故が起きれば、地元の食品はおろか、水を飲むこともできなくなるから、
実行できるかどうかは状況次第だろう。

でも、こういう「目標」を崩さないことは重要だと思う。

日本では、目標を引き下げて、安全性だけを宣伝している。
このため、ちょっと注意すればできたような自衛策もとられなくなってしまった。

 
杉並・生活者ネットワーク (5/9) 「放射能と食品」今最大の関心事についての学習会に80人が参加
http://suginami.seikatsusha.net/back/item/all/1304899296.html

天笠啓祐氏がほんとうにこの通りしゃべったかどうかわからないが、以下の話は誤解だらけだ。

「1986年にチェルノブイリ原発事故があり、日本では輸入食品に放射能の基準値が370ベクレル/Kg
と設定されました。1人の年間の食事量の1/3は輸入食品を食べていると仮定し、1年間食べ続けた
ときのヒバクは1.7ミリシーベルト。ICRP(国際放射線防護委員会)勧告では年間の許容線量を5ミリ
シーベルトとしていたので、それ以下に設定されました。

その後ICRP勧告の許容線量が1ミリシーベルトに引き上げられました。ところが日本は計算方法を変え、
1年間にもし全量370ベクレル/Kgの食品をとったとしても、ヒバクは0.04ミリシーベルトとしました。
こんな不思議なことになるのは、ヨウ素は甲状腺に溜まり、セシウムは骨に蓄積されるのを、全身の
量で割ることにするという計算方法を変えたからだそうです。」

こんな話を聞かされる方も気の毒。

 
これは、チェルノブイリの事態の長期化を受けた措置

だろう。日本でも事態の長期化は明らかなので、いずれ、こうした見直しが行われることに

なるのではないかと思われる。

>>>>>ベラルーシは、年代が、現在に近づくほど、規制が、厳しくなっています。

「WHOの飲料水水質ガイドラインは、原子力危機

に際しての基準値とすべきではない。なぜなら、この数値は日常時における飲用に対する

適用を念頭に、かなり保守的に設定されているからである。」 との説明

>>>>これは、そのとおりだと思います。絶対安全を求めるなら、被曝線量は、少ない方が良いに決まってますから。。


5/24から「世界もおどろく日本の基準値2000ベクレル」というひどいサイトが話題になっていて、げんなりする。

>>>>>>2000ベクレル云々について、科学者や日本行政が、何もきちんと反応しなければ、
言ったもの勝ちですから、週刊誌ネタとしては、最高でしょう。放射線危機問題をあおる本が売れればよいのですから。。

ただ、実際に、輸出基準と国内基準を運用しているベラルーシ基準は、無視できないでしょうに、
それと、日本の基準は、論理的に説明できてません。WHOは、あくまで、事故が起きていない場合の世界標準ですから、
福島が起きてしまった以上、ベラルーシのように、長期被曝日本基準を作って、国民に説明すべきで、
文部科学省という学者の集合体は、何もしないサボタージュ省ですね。

 
りぼん さま。

暫定基準について、政府がわかりやすく説明しようとしないのは、

1.ヨウ素の基準が「半減期にしたがって摂取量も減る」というおよそヘンテコリンな基準なので、
  説明できないし、したくない。

2.低線量被曝のリスクについて、なるべく国民に知らせたくない。

といったあたりかな、と推測しています。

しかし不思議なのは、新聞や雑誌の記事で、これをきちんと紹介している記事を見たことがない
ことです。そろそろ記者も理解できた頃ではないかと思うのですが…。あるいは、報道規制が
働いているのでしょうか? メディアの対応はいつも謎です。

 
6/19の朝日新聞の別刷り「The Globe」では、3面を使って低線量被曝と食品の暫定基準について
詳細に報じています。
http://globe.asahi.com/feature/110619/index.html
(web版はまだ一部分のみ掲載)

しかし、朝日新聞が書かなかったことが2つあります。
  ひとつはヨウ素の基準が半減期に従って減る計算だったこと、
  もうひとつは、事故終息後に基準が引き下げられるということです。

朝日新聞の書けなかったことが、メディアの報道自主規制ラインを超えているのでしょう。

 
ヨウ素の基準のことは、3月28日にNHKが報じています。“暫定基準 説明が不十分”
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/20110328/kanren04.html

4月5日の朝日新聞にも記事が書かれてます。“食物制限、「続けて摂取」前提“
もとの原子力安全委員会の報告書にはもちろん書かれています。

 
NHKは、3/28日に報じたことを、その後も報じていますでしょうか?

朝日新聞は、4/5に書いたことを、その後も書いているのでしょうか?

「もとの原子力安全委員会の報告書」というのがどれを指しているのかわかりませんが、
わかりやすい場所に置かれているのでしょうか?

 
IAEAはその憲章で核エネルギー利用の推進をうたっている。(訳注:IAEA憲章第2条(目的):[IAEA]は、
全世界における平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進し、及び増大するように努力しなければならない)
しかしながら、福島の核災害が発生した今、IAEAは、その設立目的を見直すことを真剣に考慮すべきである。

電離放射線の健康影響に関して、WHOは1959年にIAEAと締結した拘束力のある取決め*を廃棄すべきである。
WHOの第一の目的は人々の健康でなければならない。
*訳注:IAEAの合意なしにはWHOが核の健康被害についての研究結果等を発表できないとする

WHOはIAEAの手先なんで鵜呑みにしたらダメです

ちなみにこれはIPPNWの勧告文書です

 
こんにちは。
暫定基準値なるものの正体が判然としないまま、色々調べてみましたが、貴ブログに到達するまでには、平常時の基準と比較しての非常にヒステリックな論調の記事しか見当たりませんでした。貴殿のように知識をお持ちの方は、「暫定」の意味がお分かりでしょうが、我々一般人には暫定はいつまでなのか?ぐらいの知識しか無いのではないでしょうか?明らかに今回の災害において、大本営発表のメッセージばかり伝えているメディアが、彼ら自身の責任を果たしていないとしか思えません。極論でしょうか?

 出所を貴ブログと明記して、一般の人達が混乱しないで済むような報道がなされるように、メディアに抗議というか要請のメールを送ろうかと思いますが、ご迷惑でしょうか?

 突然このようなメールを差し上げて失礼とは存じますが、限定的に使用とか制限付きでも結構ですので、ご了解願えれば幸いです。
たいした行動力もない老人ですが、貴メールにたどり着けて少し目の前が明るくなった気がします。ご健闘ください。

 
放射性ヨウ素131は、放射性キセノン131mになり、安定キセノン131になっていく。

この間、放射性同位体半減期と生物学的半減期があり、キセノン131mになるまで、約3ヶ月、安定キセノンになるのに、役4ヶ月と思われるので、事故後、4ヶ月後から、調査を始めれば、ほとんど、セシウムに、対応すれば、世論は、コントロールできると政府もマスコミも思っているのでは?

実際、沸騰水型原子炉で、メルトスルーして、アルカリ反応しながら、放射性微粒子を出し続ける事態は、初めてなので、どんな核種がどのように、どれくらい、出てくるのか、知ってる人は、ないのでしょう。

海水や、鉄、コンクリート、燃料棒の金属、などと一緒に存在するので、どんな触媒反応が出てきて、どうなっていくのか?

スイスは、牛を、全部移動させ、1頭も殺さなかったと聞いています。人間も家畜も、避難するのが、被曝総量を抑えるには、1番有効と思います。

 
りぼん さま。
> 事故後、4ヶ月後から、調査を始めれば、ほとんど、セシウムに、対応すれば、
世論は、コントロールできると政府もマスコミも思っているのでは?

そこまで考えているでしょうか…。私には、単に成り行きでこうなってしまっただけのようにも見えます。

政府の対応を擁護するつもりはありませんが、重大な原子炉事故への備えがほとんどなかった
のが、日本の敗因でしょう。
アメリカなどは、核攻撃や核テロなども想定して、事前に対応を練っているでしょう。
備えが全く違います。

 
コンタンさんはじめまして
早川先生のところから参りました。実はずっと探していた土壌汚染を地図にあわせたものがやっと見つかりました。
それがコンタンさんのものでした。

ウクライナの移住地区はセシウム137の土壌汚染濃度によっています。
全体どの辺までがそうなのか 確かめたかったのですが 私に技術が無くて出来ませんでした。
どうか
セシウム137だけの(134と合計ではなく)地図を お示しいただけないでしょうか?

唐突なお願いで恐縮ですが よろしくお願いいたします。

 
大山弘一 さま。 震災と原発事故の被害にお見舞い申し上げます。

セシウム137だけの分布図(蓄積量、Bq/m2)は、文部科学省7/8公表の資料
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/11/1305819_0708.pdf

の、6P目(別紙4)にあります。(航空機によるモニタリング)
(たぶん、現時点ではこのデータしかないと思います。)

地上の大規模土壌調査の結果がそのうちまとまれば、それによる分布図も
公表されるはずです。

 
コンタン様 が上手にマップを手がけていましたので もし・・と思い・・・。
ご都合もありますでしょうから・・・。
上記のマップでは住民の住まいがどこにあるか検討が付きません。
先日の134と137の合算のマップでは だいたい自分の家の位地がわかりました。

当該住民にとって 今後住み続け子育てが出来る環境下どうか 選択を迫られておりますが
何分資料や除染方法もが示されず 不安なまま生活しています。
現実を知りたい方が多くいます。

失礼いたしました。

 
大山弘一 さま。

 > 上記のマップでは住民の住まいがどこにあるか検討が付きません。

そういう意味でしたか。 それでしたらお安いご用です。
1日くらいお待ち下さい。

 
いつも拝見させて頂いております。

先日、ドイツで販売されてる各種ミネラルウォーター中のウランの含有量を掲載したサイトを見まして、ほぼ毎日飲んでいたミネラルウォーター(クリスタルガイザー)のウランの含有量をクリスタルガイザー社のwebのFAQsで調べたところ、「FDA」・「EPA」の基準内である旨の文章があるだけで数値が掲載されておりませんでした。
EPAのwebを調べましたが自分の語学力では到底発見できずに、今は飲料を控えております。
もしお時間がございましたら、FDAとEPAのミネラルウォーターの基準値が掲載されているURL等をご教授頂ければ幸いと思いコメントさせて頂きました。
誠に勝手なお願いではございますが、お聞きとどけ下さいますようお願い申し上げます。

 
本文中にもリンクがあるのですが、米国EPAの National Primary Drinking Water Regulations
http://water.epa.gov/drink/contaminants/

に、各種微生物、物質の規制値の表があります。放射性物質は、一番最後の Radionuclides の項です。

この表で、MCLG (Maximum Contaminant Level Goal) は目標値、
       MCL (Maximum Contaminant Level) が規制値です。

この表で、α線放出体(15 pCi/L)、ラジウム226,228(5 pCi/L)、ウラン(30 μg/L)は
リッター当たりの表記になっていますが、β/γ線放出体については 4mrem/年当たりの表記になっています。

この、4 mrem/年 を pCi/L に換算する表がこちらです。
http://www.epa.gov/ogwdw/radionuclides/pdfs/guide_radionuclides_table-betaphotonemitters.pdf

但し、本文中に書いたとおり、放射能漏れ事故が発生したときに、この値で規制が行われるわけではありません。

 
早速のご回答有難うございました。
WHOの基準が0.5μmg/ℓのようなので30μ多いのかな…と思ってしまいました。
低線量被曝をしている現状で、天然でも怖さを覚えることになるとは悲しい限りです。
考えすぎでしょうか?

ドイツの数値は重金属の扱いらしいのですが、数値を公表して頂けたら気休めにはなるような気がします。日本の水にはどの程度入ってるのか…。

共同通信(9/15) 「セシウムで乳幼児食品に新基準 厚労省検討 母親の不安に配慮」
http://www.47news.jp/CN/201109/CN2011091501001029.html

 東京電力福島第1原発事故による放射性セシウムの食品汚染に関連し、厚生労働省が粉ミルクなど
「乳幼児用食品」をほかの食品と分け、新基準値を設ける方向で検討していることが15日、分かった。

 内閣府食品安全委員会が7月末、「子どもは放射性物質の影響を大人より受けやすい可能性がある」
との見解をまとめたことを受けての対応。母親らの不安を払拭するため対策が必要と判断した。

 今秋に本格化する暫定基準値の見直し作業と併せ、同省内の審議会の検討課題に盛り込み、
専門家らで議論する方針。実現すれば、現在の暫定基準値より厳しい値になるとみられる。

 
NHK(10/28) 「食品による被ばく量限度引き下げへ」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111028/k10013567281000.html

食品に含まれる放射性物質の基準値について、厚生労働省は現在の暫定基準値の目安とした
被ばく量の限度を来年4月をめどに5分の1に引き下げ、年間1ミリシーベルトにする方針を固めました。
これによって食品ごとの基準値は厳しくなります。

福島第一原発の事故のあとに緊急時の対応として定められた暫定基準値は、放射性物質が含まれた
食品を事故後1年間とり続けたとしても健康に影響が出ないとされる被ばく量を目安に作られています。
その目安は年間5ミリシーベルトで、これを基に、放射性セシウムの暫定基準値は、肉や魚、野菜
それに米などの穀類は、1キログラム当たり500ベクレルなどとされています。

この目安について、厚生労働省は、事故から一定の期間が経過し、食品から検出される放射性物質の
量が少なくなっていることなどから、来年4月をめどに国際的な指標に合わせて年間5ミリシーベルトから
1ミリシーベルトに引き下げる方針を固めました。

食品に含まれる放射性物質を巡っては、食品安全委員会が27日、一生を通じて累積で100ミリシーベルト以上
被ばくすると健康に影響するおそれがあるとして、食品による内部被ばくをおおむねこの範囲に収めるべき
だとする見解をまとめています。

厚生労働省が目安を年間1ミリシーベルトに引き下げると、食品ごとの基準値は厳しくなり、
食品安全委員会の見解の範囲内になる見通しです。厚生労働省は来週から審議会を開いて、
食品ごとの基準値を決めることにしています。

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