浄水場発生土の放射性物質濃度
Photo: アクアマリンふくしま
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データはこちら → 「jyousui.xls」をダウンロード (11/8 update)
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(参考)下水汚泥については、こちらにデータのまとめがあります。
「下水汚泥等の放射能濃度測定結果」 (国土交通省)
ちなみに上水道は、厚生労働省の管轄になります。
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(参考)ゴミ焼却炉の焼却灰については、8/26にデータのまとめが出ました。
「焼却灰の放射性セシウム濃度測定結果一覧」 (環境省)
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12/26 厚労省 「水道水等の放射性物質検査の実施状況について」 (重要)
12/26 厚労省 「浄水発生土の保管及び処理状況」 (重要)
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「放射性物質の浄水処理性について」 (NIPH/国立保健医療科学院 2011年5月) (重要)
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7/28 厚労省 「放射性物質が検出された浄水発生土の処分状況」 (重要)
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浄水場発生土は、原水中の懸濁物質(suspended substance : SS)を凝集剤により沈降させ、
濾過して取り除いたものである。これを分析してわかるのは「懸濁物質の放射能濃度」であり、
「水道原水の放射能濃度」ではない。
(現在では、福島県内であっても、川や湖沼の水の放射能濃度はNDもしくはNDに近い値
しか検出されておらず、他県であれば川の水の放射能濃度は(測定されていないが)
ほぼNDだと思われる。)
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浄水場発生土の放射能濃度は、原水の流域の汚染状況をおおまかに反映していると思われるが、
天候(降雨、雪解け、ダム放流等)により水質は影響を受けるし、浄水処理の性能も
浄水場により異なるので、厳密な比較はもとよりできない。
(参考) 「放射性物質の水道水への影響メカニズムの概念図」 (6/21 厚生労働省)
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浄水場発生土の放射能濃度は、おそらく、「乾燥重量比」で計算している筈だと思うのだが、
これについて、HPでははっきりしたことはわからなかった。
但し、新潟県の公表は、乾燥重量ではなく「ウエットベース(脱水状態の重量比)」で計算
していると記されている。
また、新潟市は、「ドライベース(乾燥重量比)」と「ウェットベース」の値を併記している。
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川の汚染度の指標としては、このほか
河川・湖沼・海洋の底質のセシウムの放射能濃度(googleマップ)
「淡水魚・淡水水産物中のセシウムの放射能濃度(1)(googleマップ)」
「淡水魚・淡水水産物中のセシウムの放射能濃度(2)(googleマップ)」
も参考になると思うが、前者は福島県だけしか調査されておらず、後者も、福島県以外では
調査数は少ししかない。
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なお、浄水場の情報について、こちらのHP(水道水質データベース)が役に立った。
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■ 福島県
出典: 福島地方水道用水供給事業団
出典: 福島県「下水道の終末処理場等における環境放射線モニタリング調査結果」 (7/8公表)
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会津若松市水道部「浄水発生土中の放射性物質の検査結果」 (7/13採取、7/21公表) New
17,200 Bq/kg(含水率74%、東山浄水場)(後日、追加予定です。)
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7/8公表の、浄水場23ヶ所の発生土の検査結果(google地図)
より大きな地図で 浄水場発生土の放射性セシウム濃度(福島県/6月末検査) を表示
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【浜通り】
・大野台浄水場(相馬市)は、水源となる真野川が飯舘村を通っているので、当然高い値となる。
・大谷浄水場(南相馬市)をはじめ、井戸水水源の浄水場の値は低い。
・上野原浄水場(いわき市)の値が高いのはなぜだろうか? 上流にホットスポットがある?
【中通り】
・すりかみ浄水場の発生土からは、5/12に高濃度の汚染を検出している。
摺上川は、福島市北東部の奥羽山脈を水源としている。
摺上川ダムの底質のセシウム濃度(6/1)は 259 Bq/kg となっていて、それほど高くないが、
摺上川の阿武隈川合流前の底質のセシウム濃度(5/24)は、2,100 Bq/kgと、やや高い。
・すりかみ浄水場の値はいまでも高いが、5月に比べて激減した。この間にセシウムの多くは
流下するか、吸着されるかしたのではないだろうか。 となると、ほかの浄水場でも、
5月にはもっと高い値だったことになるのだろう。
・二本松市の山ノ入ダムは、かなり汚染されていそうだ。
・今回最も高い値が出たのは、豊田浄水場(郡山市)の発生土だが、安積(あさか)疎水の汚染が
ひどい、ということになるのだろうか? 湖沼の底質のデータでは、猪苗代湖はNDである。
・同じ三春ダムから取水しても、三春町と郡山市の浄水場で差があるのはなぜか?
三春浄水場は、大滝根川から表流水を取水し、荒井浄水場はダムから直接取水している。
また、荒井浄水場のほうがやや高度な浄水処理をしているという違いはある。
・芝原浄水場が取水している掘川ダムの底質のセシウム値は高い。
那須岳の山麓は、ある程度セシウムが降ったのだろう。
【会津地方】
・東山ダムの汚染は高そうだが、近くにある大川ダムはそれほどでもない。
東山ダムの上流に、ホットスポットがあるのだろうか?
・日中ダムの底質のセシウム値はNDだが、押切川から取水する喜多方市の浄水場の
発生土では、3,100Bq/kgのセシウム値が検出される。これはどこから来るのだろうか?
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(7/25追記) 水道原水の放射性物質濃度は、4月中旬以降はほぼ検出限界以下だが、
4月上旬まで、福島県では非常に高い値だった。
出典: 「水道水における放射性物質対策中間取りまとめ」 (6/21 厚生労働省)
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■ 宮城県 (11/8 update)
出典: 宮城県の環境モニタリング結果
宮城県では、仙台などの水源である、白石市の浄水場で、30,000 Bq/kgを超える汚染が
検出されている。
白石川は、福島県に近い蔵王の東南麓を水源としている。蔵王山の汚染状況はまだよく
わかっていないが、蔵王山の汚染はある程度高いかもしてない。
南部山浄水場(白石市)の地図(googleマップ)
また、この検査前に、白石市の浄水場発生土が搬出されて、むつ市の野球場や、
青森県、岩手県の幼稚園の園庭に使われた。 (この記事については、コメント欄参照。)
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出典: 「市町村水道事業発生土の放射性物質の測定結果」 (7/7採取、7/12公表)
出典: 「市町村水道事業発生土の放射性物質の測定結果」 (7/14採取、7/20公表)
・高舘浄水場(水源:樽水ダム/名取川水系増田川)の値が予想外に高い。
樽水ダムの上流にホットスポットがある?
高舘浄水場の地図(googleマップ)
・阿武隈川本流よりも、小田川、鷲ノ平川など支流から採水している浄水場の値が高い。
小田浄水場(角田市小田字権原47-2)の地図 (googleマップ)
石羽浄水場(丸森町字石羽37-6)の地図 (googleマップ)
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7/29 に、宮城県企業局から、7/22, 7/25採取の結果が公表。
この中で、「工業用水」(水そのもの)から、0.4~0.8 Bq/kgの放射性セシウムが検出
されている。(検出限界を下げると、他の水道でもこのくらい出ているのかも。)
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(その他宮城県内)
仙台市 「浄水発生土の放射能測定結果について」 (7/4採取、7/12公表)
ND (国見浄水場)
9.6 Bq/kg (中原浄水場)
350 Bq/kg、140 Bq/kg、680 Bq/kg(3検体) (福岡浄水場)
47 Bq/kg、84 Bq/kg(2検体) (茂庭浄水場)
気仙沼市 「浄水発生土中の放射性物質の測定結果」(6/9採取)
2,497 Bq/kg(館山浄水場)(水源:大川)
ND (新月浄水場)(水源:大川)
nnistar.comさんの放射線マップで見ると気仙沼市内の放射線値は低いが、大川の上流部
では、やや高い値になっている。大川の水源地域では、ある程度セシウムが降ったのだろう。
但し、新月浄水場のほうが少し上流にあるが、なぜこれほど差があるのかはわからない。
館山浄水場の地図(googleマップ)
新月浄水場の地図(googleマップ)
館山浄水場の取水口の写真(@shigen_さん)
栗原市 「浄水場発生土の測定結果」 (7/6採取、7/14公表)
461 Bq/kg (新山浄水場) 迫川水源
若柳新山浄水場(栗原市若柳川南上堤)の地図 (googleマップ)
「浄水発生土の測定結果」 (7/27採取、8/4公表) New
305 Bq/kg (新田浄水場) 迫川水源
54 Bq/kg (桐木沢浄水場) 三迫川水源
263 Bq/kg (真坂簡水 舘下浄水場) 迫川水源
113 Bq/kg (沢辺簡水 沢辺浄水場) 三迫川水源
900 Bq/kg (沢辺 簡水 姉歯浄水場) 迫川水源
121 Bq/kg (御駒堂浄水場) 迫川水源
利府町 「浄水発生土の放射能測定結果」 (7/21採取、8/2公表)
8,238 Bq/kg (利府浄水場) 地下水水源
地下水水源なのにすごく高い。何で?
(9/14追記) コメントで教えていただいたのだが、利府浄水場は、惣の関ダム
からも原水を受け入れているとのこと。なので、地下水の汚染ではないでしょう。
多賀城市 「浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (7/20-21採取、7/29公表)
65 Bq/kg (末の松山浄水場) 水源:深井戸
塩竃市 「浄水発生土の放射能測定結果」 (7/22採取、8/5公表)
ND (梅の宮浄水場)
宮城県 「市町村水道事業における浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (7/20, 7/21, 7/25採取、8/1公表)
宮城県 「市町村水道事業における浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (8/4採取、8/10公表)
河北新報(8/11) 「汚泥から2万ベクレル超 岩沼・玉崎浄水場」 New
名取市 高舘浄水場 5,049 Bq/kg(7/7~8/1発生分)、4,073 Bq/kg(8/2発生分)
岩沼市 玉崎浄水場 21,124 Bq/kg(8/4採取)
登米市 保呂羽(ほろわ)浄水場 1,141 Bq/kg、1,354 Bq/kg(8/4採取)
岩沼市は阿武隈川の最下流部。仙台空港のあるところ。このことは、
阿武隈川下流部の懸濁物質の放射能濃度は高いことを意味している。
これは、底質の調査結果とも矛盾しない。
宮城県 「市町村水道事業における浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (8/11, 8/18採取、8/22公表)
岩沼市 玉崎浄水場 27,192 Bq/kg(8/18採取) 前回より上昇。阿武隈川の上流から、
4,749 (7/7)→ 21,124 (8/4)→ 27,192 (8/18)と増加中。
放射性セシウムを含む泥が上流から移動しているのだろう。
宮城県 「市町村水道事業における浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (8/26採取、8/29公表)
登米市 保呂羽浄水場 682 Bq/kg、671 Bq/kg、359 Bq/kg、299 Bq/kg(8/26採取)
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■ 茨城県 (7/30 update)
茨城県では、ひたちなか市で、浄水場発生土の検査が行われている。
出典: 「浄水場発生土の放射能測定結果」
那珂川の上流は那須地方なので、高い値になるだろう。
上坪浄水場(ひたちなか市)の地図(googleマップ)
尚、こちらのブログ によると、「県としては」今のところ検査の予定はないとのこと。
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9/7 茨城県 「浄水場発生土の放射能測定結果」 をようやく公表。
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■ 栃木県 (11/8 update)
栃木県では、那珂川から取水する北那須水道事業所の発生土で、高い汚染が検出されている。
先週のNHKの番組でも、この地域にホットスポットがあることが報告されていたし、
那須地方の環境放射線量も全般に高い値になっているから、流域の汚染を反映したもの
だろう。
(7/14追記) 天日乾燥床は露天なので、「天日乾燥床に移した日」から「検体採取日」
までの間、降雨等により汚染物質を吸着する。
(7/28追記) 7/27に栃木県の線量測定が公表。
これによると、北那須水道事業所の水源は、それほど汚染の高い地域ではない。
出典: 宇都宮市 「浄水発生土の放射性物質の測定結果」
出典: 下野新聞 「放射性物質減少 宇都宮、日光の浄水場」 (6/11)
出典: 下野新聞 「発生土の線量 いずれも減少 宇都宮市の浄水場」 (7/16)
出典: 小山市 「浄水発生土の放射性物質測定結果」 (7/15更新)
鬼怒川や大谷(だいや)川、とりわけ日光から流れてくる大谷川を水源とする、
今市浄水場の発生土のセシウム濃度が高い。
日光の放射線値はそれほど高くないが、早川由紀夫さんが、霧降高原の値は
やや高いと観測している。大谷川の水源のどこかに、セシウムが多く降ったところが
ありそうだ。
(7/28追記) 7/27に栃木県の線量測定が公表。
大谷川の上流よりも、小百川、砥川の上流にホットスポットがある。
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8/5 に、宇都宮市から松田新田浄水場の結果が公表。(8/6 下野新聞)
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栃木県(8/3) 「放射性物質を含む浄水発生土及び下水汚泥等の取り扱いに関する緊急要請」
…実効性のある方策等については示されていないことから、施設内などでの
一時保管を余儀なくされており、もはやそれも限界に達している。(中略)
ついては、国の責任において、浄水発生土及び下水汚泥等の処分等に関する
方策を早急に講ずるよう、下記の通り強く要請する。
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■ 新潟県 (11/8 update)
出典: 阿賀野市「浄水場汚泥に含まれる放射性物質の調査結果」
出典: 新潟東港地域水道用水供給事業団
出典: 新潟市水道局「汚泥に含まれる放射性物質の調査結果」 (7/15更新)
新潟県下越地方では、阿賀野川にある浄水場の発生土で、高濃度の汚染が検出されて
いる。阿賀野川は福島の会津地方から流れてきているので、ある意味当然の結果だろう。
尚、新潟県は、他県産の食品中の放射性物質を熱心に測定しているが、
阿賀野川の水産物の放射能濃度は1件も測定していない(7/12現在)。
上流の阿賀川の川魚でもそれほど高い値は出ていないから、暫定基準を超えるような
値は出ないと思うが、自分の県の産品は、風評被害が怖くて測れないのだろう。
もうひとつ注目すべきなのは、信濃川を原水とする戸頭浄水場の発生土の値が、
5/27→6/6で激減していることだ。雪解け水の減少によるものかもしれないが、
原因はよくわからない。
(7/22追記)
新潟市松浜漁港で水揚げされたシジミから、5 Bq/kgの放射性セシウム。
(7/20新潟県検査、7/21公表) 松浜漁港は、阿賀野川の河口に位置している。
(参考) 「空から見た阿賀野川」 (国交省 北陸地方整備局)
(7/25追記)
阿賀野川の使用水量の5%が、灌漑に使われている。(阿賀野川の水資源より)
灌漑用水によって、新潟の水田が汚染される影響は、さほど大きくないと思うし、
限定的だと思うのだが、牛肉問題を見れば解るように、安全性の信頼を失えば
被害は甚大だ。新潟県は影響を詳しく調査して公表するべきだろう。
(7/29追記)
阿賀野川流域で記録的豪雨。この影響はどうなるか?(下はNHKより)
(7/31追記)
7/30に、新潟県、福島県西部は記録的な豪雨になり、約40万人に避難勧告・指示、
新潟県内6ヶ所で堤防が決壊した。
7/29 新潟県 「集中豪雨による浄水場保管汚泥の確認結果」
全ての浄水場において、飛散流出しないよう汚泥が保管されていることを確認
7/29 新潟県 「福島第一原発事故による新潟県への放射能の影響をとりまとめた報告書(Ver.1.2)」
いろんな資料がまとまっていて便利。ほかの県も出してほしい。
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新潟県中越地方では、三国川(さぐりがわ)を原水とする南魚沼市の浄水場発生土の値が
やや高いのが気になる。
畦池浄水場(南魚沼市)の地図(googleマップ)
谷川岳~志賀高原、浅間山、奥秩父 あたりに赤い領域があり、高い汚染の可能性が
示唆されているが、越後三山~巻機山にかけても、ある程度の汚染の可能性があるようだ。
三国川の上流はほとんど山間部で農地も少ないので、この山地が汚染されたという
傍証のように思う。
*
長岡市は、6/14に、市内5ヶ所の浄水場汚泥の放射能濃度を公表。
(後日追加予定。)
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上越、佐渡では全てNDとなっている。
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新潟県 上越利水事務所(上越市大字寺)の検査結果が公表
6/22採取:460 Bq/kg、 7/19採取:570 Bq/kg (後日追加予定)
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■ 群馬県 (11/8 update)
出典: 群馬県「浄水発生土の放射性物質検査結果」 (7/21)
利根川を水源とする浄水場の発生土からは、どの県でも高い値が出ているが、
県央第一水道事業所の 87,000 Bq/kg というのは、飛び抜けて高い値である。
これは「3/24~4/4までの発生土を6/20に調査した」ためのようだ。
この時期の浄水場発生土は、栃木県でも検査されているが、2県以外では測定がない。
流通させてしまったのか、測定しないだけなのか…?
但し、利根川のほかの取水場所とそれほど極端に差が出る理由は
思いつかない。
早川由紀夫さんが、群馬県周辺の山間部の放射線値を測定しているが、川場村周辺、
暮坂峠周辺、霧降高原周辺などでやや高い値が観測されており、やはり山地の汚染が
ありそうな感じである。
県央第一水道事業所の地図(googleマップ)
新田山田水道事業所の地図(googleマップ)
東部地域水道事業所の地図(googleマップ)
県央第二水道事業所の地図(googleマップ)
(その他群馬県内)
みどり市 「浄水発生土における放射性物質検査結果」
6/23採水 3,389 Bq/kg(Cs-134+Cs-137)、ND(I-131)
6/1採水 2,302 Bq/kg(Cs-134+Cs-137)、105 Bq/kg(I-131)
塩原浄水場(みどり市)の水源は、川口川と渡良瀬川。
塩原浄水場(みどり市)の地図(googleマップ)
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8/31 群馬県「浄水発生土の放射性物質検査結果」 で、8/24-25採取のデータが公表。
7/14, 7/29, 8/12 採取のデータも公表(後日追加予定) New
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■ 埼玉県 (11/8 update)
埼玉県は全て利根川/荒川水系(江戸川は利根川水系)で、浄水場発生土からは
いずれも高いセシウム値が検出されている。
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こちらのブログによると、埼玉県の5ヶ所の県営浄水場の発生土の合計は、
1日当たり約110トンとのこと。 1年で約40,000トンになる。
一方、埼玉県の資料によると、1日の平均送水量は、約180万m3なので、
浄水1m3当たりから発生する浄水発生土は約60gと推定される。
原水1m3に、5,000 Bq/kgの物質60gが溶けていたとすると、この原水の放射能濃度は
5,000×0.06÷1,000 = 0.3 Bq/L となる。
現在の水質検査の検出限界は数Bq/L程度なので、この汚染を測定するためには、
感度を10倍以上引き上げる必要がある。
また、こちらによると、利根川の年間流量(栗橋/久喜市)で、約7,480Mm3なので、
0.3 Bq/Lの放射性セシウムが1年間流れた場合、1年間に河口に運ばれる量は
300(Bq/m3)×7,480(Mm3) = 2.244 TBq (2.2兆Bq) に達する。
利根川などでは河口のセシウム汚染が心配される。
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屋外に積まれた浄水発生土=さいたま市桜区 (東京新聞/記事はコメント欄参照)
(8/12 東京新聞)
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■ 千葉県
出典: 千葉県水道局「浄水場における汚泥の放射線量の測定結果」 (7/12 公表)
出典: 北千葉広域水道事業団「浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (7/12公表)
出典: 「千葉県企業庁の工業用水浄水場における汚泥の放射性物質の測定結果」 (7/14公表)
出典: 香取市「浄水処理発生汚泥中の放射線量測定結果」(6/28 公表)
同じ利根川水系でも、千葉県まで下ると、埼玉など上流より浄水場発生土のセシウム値は低い。
下流部で流域から流れ込む泥の汚染度が低いためかもしれないが、はっきりした理由は
わからない。 但し、江戸川を水源とする浄水場発生土の汚染度はいずれも高い。
江戸川流域の東葛地区の汚染状況を反映しているのかかもしれないが、そう結論づける
だけの証拠は今のところない。
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*
千葉県は、7/20に、7/13採取の結果を公表。(後日追加予定)
千葉県は、7/26に、7/20採取の結果を公表。(後日追加予定)
8/2に、千葉県水道局7/27採取の結果が公表。(後日追加予定)
8/3に、北千葉広域水道事業団8/1採取の結果が公表。(後日追加予定)
8/12に、北千葉広域水道事業団8/11採取の結果が公表。(後日追加予定)
8/17に、千葉県水道局8/10採取の結果が公表。(後日追加予定) New
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(その他千葉県内)
君津広域水道事業団 「浄水場における汚泥の放射線量の測定結果」 (6/28採取、7/4公表)
382 Bq/kg (大寺浄水場)、 240 Bq/kg (十日市場浄水場)
「浄水場における汚泥の放射線量の測定結果」 (7/8採取、7/15公表)
215 Bq/kg (大寺浄水場)、 302 Bq/kg (十日市場浄水場)
「浄水場における汚泥の放射線量の測定結果」 (7/19採取、7/27公表)
126 Bq/kg (大寺浄水場)、 200 Bq/kg (十日市場浄水場)
野田市 「浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (6/9採取、6/14公表)
3,330 Bq/kg(上花輪浄水場) 水源:江戸川
「浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (7/19採取、6/14公表)
1,258 Bq/kg(上花輪浄水場)
鴨川市 浄水場発生土の放射能測定結果 (6/22採取、7/21公表)
4ヶ所の浄水場のうち1ヶ所で 10 Bq/kgの放射性セシウムを検出。他はND。
南房総市 浄水発生汚泥の放射性物質 (6/21採取、7/8公表)
108 Bq/kg (小向浄水場)
九十九里地域水道企業団 「浄水場における汚泥の放射線量」 (5/25検査、5/30公表)
「東金浄水場における汚泥の放射線量」 (6/1再検査、6/7公表)
【光浄水場】
361 Bq/kg (I-131 62 Bq/kg) 3/11以後発生分の汚泥
ND (I-131 ND) 3/11以前発生分の汚泥
【東金浄水場】
391 Bq/kg (I-131 143 Bq/kg) 3/11以後発生分の汚泥
474 Bq/kg (I-131 ND) 6/1再検査、3/11以前発生分の汚泥
846 Bq/kg (I-131 ND) 5/25当初検査、3/11以前発生分の汚泥
3/11以前発生の汚泥は、どこに保管されていたのだろうか?
東金浄水場だけ出て、ほかの2浄水場でNDの理由は?
【長柄浄水場】
222 Bq/kg (I-131 214 Bq/kg) 3/11以後発生分の汚泥
ND (I-131 ND) 3/11以前発生分の汚泥
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7/21 野田市(上花輪浄水場)7/19採取の結果が公表。(後日追加予定)
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■ 東京都 (11/8 update)
利根川(江戸川)、荒川、多摩川を水源とする何れの浄水場発生土のセシウム値も高い。
江戸川を水源とする金町浄水場の値が一番高いのは、埼玉、千葉と同様の傾向。
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7/13採取の検査結果が公表されています。(後日追加予定)
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■ 神奈川県
出典: 神奈川県「県営水道における浄水発生土の放射能濃度測定結果」
出典: 神奈川県「県営水道の浄水場における汚泥の放射能濃度測定結果」
出典: 神奈川県内広域水道事業団
多摩川を水源とする生田浄水場(工業用水)の発生土のセシウム値は高い。
相模川を水源とする浄水場発生土のセシウム値は、東京などに比べれば低いが、
下流部から取水している、寒川浄水場、綾瀬浄水場などの値が高い傾向にある。
但し、数値自体は、順調に減少していることがわかる。
*
7/26に、県広域水道事業団7/5,7/12,7/19採取の結果が公表。(後日追加予定)
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■ その他の地域
札幌市 「浄水発生土の測定結果」 (6/21採取)
ND (白川浄水場)
青森市 on Twitter (7/21) https://twitter.com/#!/aomorishi
「7月11日(月)に横内浄水場と堤川浄水場から採取した浄化発生土を検査した結果、
放射線物質は検出されませんでした。」
弘前市 「浄水発生土の放射能水準」 (6/20、6/27採取)
ND (2ヶ所とも: 樋の口浄水場、津軽広域水道企業団浄水場)
津軽広域水道企業団 「浄水汚泥の放射能水準について」 (6/20採取)
ND (津軽広域水道企業団津軽事業部 総合浄水場)
八戸市 「浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (6/29採取)
排砂池2ヶ所の放射性セシウムは、23 Bq/kg、99 Bq/kg。
天日乾燥床2検体の放射性セシウムは、37 Bq/kg、15 Bq/kg。
秋田市 「浄水発生土に含まれる放射性物質の調査」 (7/5,7/8採取、7/12公表)
36 Bq/kg、37 Bq/kg、42 Bq/kg (仁井田浄水場、3検体) 雄物川水源
83 Bq/kg、85 Bq/kg、73 Bq/kg (豊岩浄水場、3検体) 雄物川水源
山形県 「「広域水道浄水汚泥」中の放射性物質の測定」 (7/4採取)
20.99 Bq/kg (置賜広域水道笹野浄水場)
山形県 「「広域水道浄水汚泥」中の放射性物質の測定」 (7/12採取、7/19公表)
41 Bq/kg (村山広域水道西川浄水場)
ND Bq/kg (最上広域水道金山浄水場)
山形県 「「広域水道浄水汚泥」中の放射性物質の測定」 (7/19採取、7/27公表)
143 Bq/kg、20 Bq/kg、36 Bq/kg、440 Bq/kg、810 Bq/kg (置賜広域水道笹野浄水場)
水源:水窪ダム、綱木川ダム 笹野浄水場の地図
(吾妻連峰に降下したセシウム影響だろうか。)
7.3 Bq/kg、他の5検体はND (庄内広域水道朝日浄水場)
ND (庄内広域水道平田浄水場)
ND (酒田工業用水道遊摺部浄水場)
山形市 「「浄水汚泥」中の放射性物質の測定」 (7/14採取、7/20公表)
860 Bq/kg (見崎浄水場/山形市大字見崎(みさき)) 水源:最上川
(最上川取水場は、長崎大橋下流約700m(寒河江市中山町大字長崎)にある。)
山形県飯豊町 「浄水発生土における放射性物質」 (6/25採取)
19 Bq/kg
63 Bq/kg (小白川浄水場) (7/14採取、7/20公表)
甲府市 「平瀬浄水場脱水汚泥の放射性物質測定結果」 (6/20採取)
19 Bq/kg
静岡県企業局 「浄水場発生土の放射性物質の調査結果」 (7/8採取、7/14公表)
ND (寺谷浄水場/磐田市寺谷、厚原浄水場/富士市厚原 の2ヶ所とも)
静岡県大井川広域水道事業団 「相賀浄水場発生土の放射性物質の測定結果」(6/17採取)
全てND (検出限界: I-131 30 Bq/kg、Cs-134,Cs-137 20 Bq/kg)
静岡市 「水道の浄水発生土の放射性物質測定の結果」 (6/29採取)
136 Bq/kg (清水谷津浄水場/静岡市清水区) 興津川水源
長野県中野市 「浄水汚泥の放射能濃度の測定結果」 (7/4採取、7/13公表)
133 Bq/kg (栗和田浄水場) 水源:伊沢川
126 Bq/kg (倭北部浄水場) 水源:地下水 (7/13採取、7/25公表)
ND (田麦浄水場)
倭北部浄水場については、汚泥の乾燥中に雨水と共に混じった可能性がある。(信濃毎日)
長野県 (7/15 信濃毎日新聞)
ND 箕輪浄水場(上伊那郡箕輪町中箕輪) 7/13採取
ND 妙琴浄水場(飯田市鼎切石) 7/13採取
長野県 「県営水道施設における浄水発生土の放射能濃度の測定結果」
(7/25-26採取、8/5公表) (8/6 信濃毎日新聞)
51~340 Bq/kg (県営水道 諏訪形浄水場/上田市諏訪形)
長野県 「県営水道施設における浄水発生土の放射能濃度の測定結果」 (8/4採取、8/10公表)
ND (県営水道 本山浄水場/塩尻市宗賀)
愛知県 「愛知県企業庁の管理する浄水場発生土の放射性物質の測定結果」 (7/6, 7/8採取、7/15公表)
以下はND (10 Bq/kg未満) 7/6犬山浄水場(犬山市)、7/6尾張西部浄水場(稲沢市)、
7/8高蔵寺浄水場(春日井市)、7/8尾張東部浄水場(日進市)、上7/8野浄水場(東海市)、
7/8知多浄水場(知多市)、7/8豊田浄水場(豊田市)、7/6幸田浄水場(額田郡)
10 Bq/kg (7/6 安城浄水場/安城市) 機械脱水
54 Bq/kg (7/6 豊橋浄水場/豊橋市) 機械脱水、牟呂用水・豊川用水水源
29 Bq/kg (7/6 豊川浄水場/豊川市) 機械脱水、駒場池水源
71 Bq/kg (7/6 豊橋南部浄水場/豊橋市) 天日乾燥、大清水支線・万場調節池水源
18 Bq/kg (7/6 蒲郡浄水場/蒲郡市) 天日乾燥
豊橋付近までは、放射能雲が到達しただろうということは、お茶の分析とも一致する。
(参考) 「荒茶・製茶中のセシウムの放射能濃度(googleマップ)」
三重県 「浄水発生土の放射性物質の測定結果」 (7/25採取、8/3公表)
ND (9浄水場全て)
奈良県 「県営水道の浄水発生土の放射性物質測定結果」 (6/14採取)
ND (2ヶ所とも: 桜井浄水場、御所浄水場)
大阪府広域水道企業団 「浄水場発生土の放射能測定結果」 (5/30採取)
浄水場5ヶ所のうち1ヶ所で、9.5 Bq/kgのCs-137を検出。 他は全てND。
福井県 「浄水汚泥の放射性物質の測定結果」 (7/1採取、7/11公表)
全てND(4浄水場とも)
*
大阪府立公衆衛生研究所 「大阪府放射能水準調査」 (7/21公表)
6月29日に淀川(守口市大庭町)で採水した水道原水から、下記の通り放射性物質が
検出されました。
・放射性セシウム134 0.00033 Bq/L
・放射性セシウム137 0.00023 Bq/L
・放射性ヨウ素131 0.0010 Bq/L
セシウム137は昭和64年以降検出されていないこと、及びセシウム134は初めての
検出であることから、福島第一原子力発電所事故の影響があったものと考えられます。
なお、ヨウ素131は福島第一原子力発電所事故以前と同程度の値であり、医療用の
ものと推定されます。
水道原水100Lを蒸発、乾固したものについて8万秒(22.2時間)計測したものです。
*
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コメント
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初めまして。
上水道の浄水発生土は、とても気になっていました。
相当高い数値なので、私も各地の測定値を拾っていましたが、誰も気に留めないのが不思議でした。
こうしてまとめて分析して下さると、本当にわかりやすくなりますね。
汚水処理場のスラッジプラント然り、水のみならず、後処理に関しても、
微力ながら注視して行きたいと思います。
拙ブログを発見して下さって、ありがとうございます。
じゅんこ拝
投稿: じゅんこ | 2011年7月13日 (水) 00時02分
「女性セブン」(7/28号) より
http://www.news-postseven.com/archives/20110715_25769.html
放射線防護に詳しい立命館大学名誉教授の安斎育郎さんは、海洋にも周囲に比べて
汚染率が高い「ホットスポット」があると指摘する。
「福島沖周辺だけではありません。例えば、河口付近は、空気中に拡散した放射性物質を含む
雨が川に流れ込んで、汚染水、汚染泥が大量に集まります。また、海底にはその汚染泥がたまり、
放射能濃度が高いホットスポットになりやすい。陸と同じことが海でも起きているんです。
調査結果では、魚の種類や水揚げ地によって汚染濃度の差がありますが、そうしたホットスポットが
関係しているのではないでしょうか」
投稿: コンタン | 2011年7月19日 (火) 11時09分
134、137Csは一価カチオンでの海底での吸着も強固なはずです、脱着率がどのくらいになるかでしょうが、
農学関係では、吸着は強固であるとみています。ベントスへの移行はほぼないとみています。
当然に海水へのイオン化もほぼないとの見解です。
確かに河口部では、流下してきた土壌吸着Csが一時的にたまるでしょう。
CSはTrto違い、海底表面層に多く蓄積されるようですから。時間はかかりますが、表層部は沖に移動していくことになります。
魚類への濃縮はイオン化Csによる食物連鎖のこともでしょうが。
ただ今後生育の海草類とそれを捕食するウニ、一枚貝への問題は起こる可能性はでしょう。
ミミズで濃縮が起こっているとも聞きませんし。
投稿: omizo | 2011年7月19日 (火) 15時43分
omizo さま。
陸地の土壌では、Csは粘土と強く結合して、徐々にその場から動けなくなくなるようですね。
ところで、素人考えですが、粘土に取り込まれた状態のCsが、川によって海まで運ばれたとき、
海水中に豊富にある陽イオン(Na+、K+)と交換されてCs+として海水中に出てくることはないのでしょうか?
底泥からベントス(たとえばゴカイ類)への移行がないという研究はどこかにあるのでしょうか?
(あるいは、土壌からミミズへの移行がないという研究はどこかにあるのでしょうか?)
バクテリアやプランクトンを介して、底泥→ベントスへの移行、というのはありそうな気もするのですが。
もうひとつ、今までに調査された海産物のうち、アイナメ類のセシウム値が、かなり高いのが
気になっています。原因はわかりませんが、他の底魚よりは明らかにセシウムを集めやすそうです。
何らかの食性によるものだと思うのですが、底泥からの移行が関与しているのではないかと
疑っています。
投稿: コンタン | 2011年7月19日 (火) 18時50分
朝日新聞 7/20 「野球場からセシウム むつ市」
http://mytown.asahi.com/aomori/news.php?k_id=02000001107200001
むつ市は19日、むつ運動公園野球場(同市山田町)の内野グラウンドの土から放射性セシウムが検出された、
と発表した。同球場は改修工事中で、宮城県内の浄水場から出た汚泥が原料の土壌改良材を使っていた。
さらに、外野に張った茨城県産の芝生からもセシウムが検出された。
日本分析センターむつ分析科学研究所の分析では、グラウンド土壌からセシウム137が1キロ当たり1000ベクレル、
同134が890ベクレル検出され、芝の土からはそれぞれ760ベクレル、690ベクレルが確認された。
放射線量の年換算では0・538ミリシーベルトで、国際放射線防護委員会が勧告している年1ミリシーベルトを下回り、
「健康上問題となる放射線量レベルではない」と報告を受けているという。
市は6月に宮城県企業局から浄水場汚泥に放射性物質が含まれているという連絡を受け、また、速報値でも
セシウムが確認されていながら、公表しなかった。宮下順一郎市長は「直ちに発表するのは不安や混乱を招く。
しっかりと科学的根拠に基づいて発表するのが行政の立場」と述べた。
同野球場は昨年11月から続いていた改修工事をほぼ終えているが、引き続き立ち入り禁止とし、土と芝を撤去する。
搬出先などは未定という。
投稿: コンタン | 2011年7月20日 (水) 12時59分
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003320193
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnlabstract
ぐらいの文献ですが。
アイナメについても捕食、被捕食の関係です。
ひらめは濃縮が低いのは、成長スピード速いのが関係している可能性が。カレイの濃縮どを見てください。
イシダイが低いのもあります。
ゴカイは捕食者からわりだせます。 ミミズは文献不明ではありますが。
海洋学会がこの調査をやりたがってます。
投稿: omizo | 2011年7月20日 (水) 13時32分
笠松さんの論文では、主に魚食性のヒラメのほうが、動物プランクトンやマクロベントス(ゴカイなど)も食べる
マガレイよりも、濃縮係数が高くなっています。
ただ、ヒラメのほうがやや高次の捕食者だから、ということかもしれません。
海洋大あたりがベントスなどの調査もやっていると良いのですが。
公表されたデータでは、カレイ類とヒラメにさほどの差はありません。
アイナメはかなり雑食性で、小魚、ベントス、エビ、カニ、海藻などいろんなものを食べるようです。
食餌の何かが、影響を与えているのは間違いありませんが、それははっきりしていません。
投稿: コンタン | 2011年7月20日 (水) 14時25分
ひらめは30cmを超えると、アジなどの表層魚類を主に食しますから。この辺でしょう。
植物プランクトン→動物プランクトン→小型魚類、軟体生物、甲殻生物、貝類他→中型魚類、軟体生物、両生類
→大型魚類で濃縮がおこりますから。
マイクロベントスで濃縮が起こっていれば、主の捕食者である海底小型魚類、軟体生物、甲殻生物、でも起こるわけです。
海洋生物に場合は、海水中の100から120倍が最高値ですから、大気生物の割合より低いともいえますが、
塩分濃度により、生物学的半減期は変わるので差が出てくることがですが。
淡水魚では半減期は長くなるので、高くなることはありましょう。 鮎は1年魚ですから、イカなどと同等に低い値がでしょう。
うなぎは高値が出そうです。 天然うなぎなどほぼいませんが。
海水、淡水中のCsイオンから、エラのイオン交換取り入れより、食物連鎖の方が濃縮度は高いでしょうが。
投稿: omizo | 2011年7月20日 (水) 21時58分
TBCニュース(7/20)「セシウム汚泥、幼稚園の庭にも」
http://skip.tbc-sendai.co.jp/m/news_2/20110720_14021.htm
放射性セシウムが含まれた白石市の浄水場の汚泥が青森でグラウンドの土に再利用されていた問題で、
汚泥は、幼稚園の庭にも再利用されていたことが新たにわかりました。
この問題は、放射性セシウムが含まれた白石市の南部山浄水場の汚泥が青森県むつ市の野球場の
グラウンドの土に再利用されていたものです。
その後、汚泥は、ほかにも青森県と岩手県の2か所で幼稚園の庭などに再利用されていたことが
新たにわかりました。
宮城県では、「自治体が安全と判断しており、混乱を避けるため具体的な場所の公表は差し控える」としています。
県は、リサイクル業者に浄水場の泥を販売していて今回の汚泥は、放射性物質の検査の前に販売されたということです。
------------------------------------------------------------------------
白石市にある浄水場の発生土では、5/30採取で
31,976 Bq/kg の放射性セシウムを検出している。
この最初の検査の前に搬出されたものなら、もっと高い濃度だったかもしれない。
投稿: コンタン | 2011年7月21日 (木) 13時48分
仙台市、国見浄水場の放射性物質、不検出となっていますが、先ほど電話して聞いたら、
これは震災前の汚泥を調べた結果だそうです。
震災後の汚泥を調べるよういくらお願いしても、その予定はないの一点張り。
人口120万の仙台市のかなりの部分が国見浄水場の水です。
周辺地域がどれほど汚染されているかの目安になるのに、データを隠したいとしかおもえません。
投稿: ちょぐまい | 2011年7月22日 (金) 00時15分
7/21 秋田放送 「土壌改良剤を県内の公共工事でも使用」(秋田県)
http://www.teny.co.jp/nnn/news8611563.html
青森県内の野球場の土から、放射性物質が検出された問題で、この野球場で使われていた土壌改良剤が、
県内の公共工事でも使われていたことが、販売業者への取材でわかりました。
青森県では、むつ市と黒石市の野球場の土から、放射性セシウムが検出されました。
この野球場では、宮城県白石市の浄水場の汚泥を原料にした土壌改良剤が使われていて、原料の汚泥の中に
放射性物質が含まれていたと見られています。土壌改良剤の販売業者によりますと、秋田県内の工事現場には、
震災後の3月20日に、白石市の汚泥を原料にした土壌改良剤を納入したという事で、取材に対し、業者側は
「震災直後に納入したものなので放射能の濃度が高い汚泥が混ざりこんでいる可能性は低いと考えている」
と話しています。
ただ、今月初め、工事を発注した自治体の担当者も立会って周辺の放射線量の測定を行ったという事で、
数値に問題はなかったと話しています。県の放射能対策チームでは、「土壌改良剤の話は現段階で把握しておらず、
至急、事実確認に動きたい」と話しています。
宮城県では、秋田県内に搬入された後の5月24日に、業者に対して土壌改良剤の出荷停止を指示しています。
-----------------------------------------------------------
(参考)「宮城県グリーン製品」
http://www.pref.miyagi.jp/sigen/nintei/katarogu(NO.21).pdf
投稿: コンタン | 2011年7月22日 (金) 19時32分
白石市にある浄水場の発生土では、5/30採取で
31,976 Bq/kg の放射性セシウムを検出している>>>>>>
環境省は、8000ベクレルを、一応の基準にしているそうなので、31,976 Bq/kg のリサイクル?汚泥を流通させるのは、
問題なのではと思います。
それ以前に、仙台市が、放射線量を測定しないまま、放出すること自体、信じられない行為だと、思います。
ベントナイトは、基礎くい工事にも、摩擦係数を上げるために使いますが、くいの支持力が向上するのは、よいのですが、
放射性物質を吸着しやすい材料なので、困ったものです。
本来は、セメント工場から出荷するときの、運転手に渡す伝票に、測定放射線量を、記載してほしいものですね。
土木工事の入札要綱書に、受け入れる最大放射線量を記載して、入札しないと、いけない時代になったのですね。
投稿: りぼん。 | 2011年7月22日 (金) 19時49分
こんにちは、柳樹(りゅうじゅ)と申します。
エクセルファイルについてですが、ヨウ素131とセシウムを
別ファイルに分けたほうがよいかと思います。
すでにヨウ素131を測定していない箇所もありますし、
半減期を考慮すれば、ヨウ素131はもう気にしなくても良いでしょう。
投稿: 柳樹 | 2011年8月 6日 (土) 13時37分
柳樹 さま。
I-131はもう出ないに決まっているのですが、下水汚泥からは、医療用とおぼしきものが
ときどき若干出ているようです。
資料の作り方については、いろいろ悩ましいのですが、初期にI-131が出ていたことは
示しておきたいし…、という言い訳はともかく、省力化を図らないとブログ更新が追いつかない
というのが正直なところです。
ご指摘いただいたことは、宿題としてそのうち考えたいと思います。
投稿: コンタン | 2011年8月 6日 (土) 17時27分
新潟県 (8/3) ガソリンスタンド洗車場の汚泥から、最高 49,000 Bq/kgの放射性セシウム。
http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1312322550522.html
場所は、柏崎刈羽地域。
福島から帰ってきた東電関連の車が洗車したから?
投稿: コンタン | 2011年8月 6日 (土) 17時53分
東京新聞(8/12)「埼玉県、汚泥埋め立て認めず 5浄水場に1.4万トン超 処分のめど立たず」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20110812/CK2011081202000051.html
写真:遮水性のシートや土のうで飛散防止をした上で、屋外に積まれた浄水発生土=さいたま市桜区で
福島第一原発事故後、水道水をつくる過程で発生する土(浄水発生土)から放射性物質が検出
されている問題で、県営浄水場で処分できずに保管している大量の浄水発生土について、県が
最終処分場「県環境整備センター」(寄居町)への埋め立てを認めない方針を固めたことが十一日、
分かった。浄水場での保管量は七月末現在で一万四千トンを超えるが、処分のめどは立たなくなった。
(杉本慶一)
浄水発生土は、河川の水に含まれる泥を濃縮し、脱水させたもの。政府の原子力災害対策本部は六月、
放射性セシウムが一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル以下であれば、管理型処分場で埋め立て可能
との見解をまとめていた。
五カ所ある県営浄水場では五月以降、約二週間おきに浄水発生土の検査を実施。吉見浄水場(吉見町)
で五月中に最高値の七四〇〇ベクレルを検出したが、直近の七月十五日の検査では、五カ所で四三〇〇
~一二七〇ベクレルの範囲と低下傾向にある。
数値上は埋め立て可能だが、県は、政府見解で「埋め立て跡地を住宅地などに利用しない」との
条件も示された点を重視。環境整備センターの担当者は「将来的に埋め立て跡地は公園にするなどして、
人が利用する可能性がある。人への放射線の影響がないとは言い切れない」と、埋め立てを認めない
理由を説明している。
同センターは、唯一の県営最終処分場。これまでの埋め立て終了地のうち約四万平方メートルは
公園となり、陸上競技用トラックや子ども向け広場が整備されている。
県企業局によると、五カ所の県営浄水場では、一日計百十トンのペースで浄水発生土が増え続けている。
屋内の保管庫はいずれも既に“満杯”で、七月末現在で約千トンが屋外で保管されているという。
同局の担当者は「あと一年間は浄水場の敷地内で保管できる」とした上で、今後の処分については
「どうしていいか分からない。国は具体的な対応策を検討してほしい」と訴えている。
投稿: コンタン | 2011年8月12日 (金) 14時27分
新潟日報(8/25) 「セシウム汚泥、県内処分あり得ない」
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/26451.html
泉田知事、国・東電に対応要求
県内の浄水場などで発生している高濃度の放射性物質を含む汚泥の処理問題で、泉田裕彦知事は
25日午前の定例会見で「県内で処分場を見つけることはあり得ない」と述べ、国が処分場を設けて
処分すべきだと訴えた。汚泥問題は東京電力福島第1原発事故によって引き起こされたとして、東電
にも対応を求める考えを示した。
県内では、5月に新潟市秋葉区の満願寺浄水場で汚泥から1キログラム当たり4万ベクレル超の
放射性セシウムが検出されるなど、各地の浄水場や下水処理場、ガソリンスタンドなどで汚染汚泥が
発生。埋め立て処分が許容される国の基準値(同8000ベクレル)以下の汚泥も含めて、処分先や
保管場所が問題となっている。
投稿: コンタン | 2011年8月28日 (日) 11時57分
8/23 ブログ 武隈の里(たけくまの里、宮城県岩沼市) 「岩沼・玉前浄水場 汚泥 2万ベクレル超える。」
http://niwa-shigoto.blog.so-net.ne.jp/2011-08-23
岩沼市水道事業所に質問
質問1 8.23 かなりの量? 2箇所とは?
玉前浄水場内の汚泥を天日乾燥させたもので、今回測定した汚泥は今年の1月から
貯めているものとか(最近のものはどうなんのかな?)
質問2 セシウム134? セシウム137 ? 各々の値は?
セシウム134 12,107 ベクレル/kg
セシウム137 15,085 ベクレル/kg
(参考まで)
福島市内の土壌分析 セシウム134とセシウム137の放射線量は同じくらいで、
半減期はセシウム134は2年、セシウム137は30年!! )
質問3 8.11 飲料水結果は「セシウム137」だけ? 「セシウム」の合計?
検出限界は0.1くらいか?
(8月19日測定結果では、いずれも不検出)
質問4 蛇口とは具体的にどこ?
(玉前浄水場内の蛇口)
岩沼の水道は、南部山から6割、阿武隈川4割だから、半分には薄まる計算
南部山にかんしても18日測定では、いずれも不検出
投稿: コンタン | 2011年8月28日 (日) 12時02分
めちゃ遅い反応ですが、利府浄水場の件。
http://goo.gl/FXPll
どうも上のダムからも受水しているようですね。
8月浄水発生土ではNDに激減してるので、
受水したりしなかったりなのかも知れませんが。
投稿: shanghai_ii | 2011年9月14日 (水) 11時32分
@shanghai_ii さま。
あーなるほど。 おかげで疑問が解けました。
原発の近くでも地下水にはほとんどCsは出ていませんから、何か理由がある筈だと思っていました。
河川水/水道原水の測定値はほとんどND(検出限界をかなり低くしないと測れない)なので、
替わりに浄水発生土を見たら、河川の汚染の指標になると思ったのですが、
水道は、事業所の数も多いし、処理方法や配水系統などもややこしいので、
ちゃんと調べて解釈するのはなかなか大変だなぁ、というのが正直なところ。
投稿: コンタン | 2011年9月14日 (水) 11時47分
朝日新聞(9/29) 「浄水場の汚染残土、2カ月で倍増 14都県、厚労省発表」
http://www.asahi.com/national/update/0929/TKY201109290586.html
東日本各地の浄水場で放射性物質が検出された残土がたまっている問題で、厚生労働省は29日、14都県の浄水場
での処分状況(今月9日時点)を発表した。計7万9194トンが施設内に保管されており、前回調査(7月12日時点)の
3万7286トンから倍増していた。処分先は約75%が決まっていないという。
調査結果によると、処分するために放射性物質の検査をした残土は12万9316トンで、このうち処分・再利用できた
のは5万122トンだった。管理型の最終処分場への埋め立ては2万8855トンで、東京都が8割を占めた。セメントなどへ
再利用が2万1267トンだった。
このほか、検査をしていない状態で保管している残土は3万6820トンで、前回調査より1万7811トン減っていた。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
震災から6ヶ月以上経ってるのに計算が合わないよねぇ…。 多くの自治体では、発生土の検査は6月頃から。
3~5月の発生土は既に処分されちゃったのだろう。
投稿: コンタン | 2011年9月30日 (金) 11時01分
こんにちは。私は、ある自治体の議会の議事録おこしをしているんですが、
浄水発生土の放射能濃度測定について、水道の部長が答弁している言葉が、どうしてもわかりません、
検索していたら、以前より参考にしてきましたコンタンさんのブログにたどりつき、コメントを初めていたします。
下水汚泥は測定しないけど、これからも浄水発生土は測定はしていく、という話をした上で
「また浄水発生土につきましては、処理業者の依頼もございまして、?????において測定していくことといたしております」
と言っているんですが・・・「ハンシチジ」??とかというふうに聞こえるんですが、さっぱりわかりません。
もし、思い当たる単語がありましたら、教えていただきたく存じます。
投稿: K | 2012年6月18日 (月) 16時46分
K さま。
推測ですが、「搬出時」ではないでしょうか。
処理業者も、数字のわからないものは引き取れないから、外に出すときには測定する、ということかと。
投稿: コンタン | 2012年6月18日 (月) 17時05分
ありがとうございましたm(__)m
なるほど!意味がつながりますね。さすがコンタンさんですネ。
塩尻市6月議会2日目の、山崎哲夫水道事業部長の答弁でした。
投稿: K | 2012年6月19日 (火) 12時15分