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2013年3月14日 (木)

底魚の汚染(2013年1月のグラフ)

■ 底魚の最新のグラフ置き場です(そのうち、まとめなおす予定)。

コメントはご自由にどうぞ。

福島沖の底魚は、どの種類も生態学的半減期250日程度で低下しているように見える。

あくまで推論だが、底付近にある放射性Csの拡散速度と、有機物に付着したCsから無機鉱物に結合したCsへの転換速度が、

この速度を決めているのではないだろうか。

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福島沖のマコガレイ: 昨秋以降はっきりと低下して来ている。

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福島沖のヒラメ(30km圏外): マコガレイに比べると、非常にゆっくりと低下している

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福島沖のヒラメ(30km圏内): 30km圏外と同様に、非常にゆっくりと低下している。

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福島沖のババガレイ: ゆっくりと低下していることがわかる。

原発の北側と南側ではっきりと違いがあるから、ババガレイはあまり移動しないのだろう。

どのエリアでも、ND~10Bq/kg程度の低い値のものがいるのは、ババガレイの特徴。

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福島沖のコモンカスベ: どのエリアでもゆっくりと低下していることがわかる。

原発の北側と南側ではっきりと違いがあるから、コモンカスベはあまり移動しないのだろう。

おおまかな推定だが、生態学的半減期は、8ヶ月程度ではないだろうか。

福島沖ではNDが一件もないのが、コモンカスベの特徴。

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福島沖のメバル・カサゴ・ソイ(30km圏外): ゆっくり低下しているとはいえ、いわき市ではまだまだ高い。

沖合い40km以遠の深海で獲れるユメカサゴ(ノドグロ)は、ほとんどND<約15Bq/kg となっている。

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福島沖のメバル・カサゴ・ソイ(30km圏外): このエリアではまだほとんどが100Bq/kg以上だが、

それでもゆっくりと低下していることがわかる。

1F港湾内のメバル・ソイは桁違いに高い。

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福島沖のアイナメ(30km圏外): ゆっくり低下している。

130131_ainame2

福島沖のアイナメ(30km圏内): やはりゆっくりと低下している。

1F港湾内のアイナメは桁違いに高い。

130131_donko

福島沖のエゾイソアイナメ(ドンコ): 底魚の中では低下が早い。

福島沖のエゾイソアイナメのCs濃度の生態学的半減期は、100~150日程度だろうか。

(30km圏内の調査が少ないので注意。)

【ヒラメ】 東電による20km調査(2013/7/17公表分まで)

130717_hirame_20km

データpdf→ 「130717_hirame_20km.pdf」をダウンロード

【ババガレイ】 東電による20km調査(2013/7/17公表分まで)

130717_babagarei_20km

データpdf→ 「130717_babagarei_20km.pdf」をダウンロード

【マコガレイ】 東電による20km調査(2013/7/17公表分まで)

130717_makogarei_20km

データpdf→ 「130717_makogarei_20km.pdf」をダウンロード

【コモンカスベ】 東電による20km調査(2013/7/17公表分まで)

130717_komonkasube_20km

データpdf→ 「130717_komon-kasube_20km.pdf」をダウンロード

【アイナメ 東電による20km調査(2013/7/17公表分まで)

130717_ainame_20km

データpdf→ 「130717_ainame_20km.pdf」をダウンロード

【メバル・カサゴ・ソイ】 東電による20km調査(2013/7/17公表分まで)

130717_mebaru_20km

データpdf→ 「130717_mebaru_20km.pdf」をダウンロード

20km圏の水産物の検査結果(xls)「suisan_20km.xls」をダウンロード (2013/7/17公表分まで)(東京電力による)

20km圏の水産物のAg-110mとSr-90濃度(pdf) → 「130531_Ag_Sr_20km.pdf」をダウンロード (2013/5/31東電公表分まで)

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中禅寺湖の淡水魚: マス類はなかなか低下していない。

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渡良瀬川上流(日光市足尾)採取のイワナとヤマメ。

イワナとヤマメではっきり違いがあるが、これは、ヤマメ成魚の放流のためかもしれない。

130315_watarasegawa

渡良瀬川上流(日光市足尾)採取のイワナとヤマメ(一覧表、2013/3/14公表まで)。

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採取地点マップ

Iwana_yamame_abukuma

阿武隈水系(福島県内)のイワナ・ヤマメ中のセシウム濃度

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130331_agatsuma2

吾妻川流域の淡水魚の放射能濃度 (同上pdf→ 「130331_agatsuma.pdf」をダウンロード 

今でも100Bq/kgを超えるのは、四万川流域と榛名湖。

ヤマメよりイワナが高そうにも見えるが、せいぜい2倍程度の違いではないだろうか。

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コメント

お久しぶりです、ありんくりんさんとこで、お見かけしたものですから。

概ね、放射性セシウムの濃度、南高北低のような結果ですが、やはり、海流が関わっているんでしょうね。
それと、このグラフから得られることとして、放射性物質を含む餌を摂取することによる濃縮速度と、放射性物質の半減期とでは、全般的に、やはり、半減期の方が「効く」ってことなんでしょうか。
それなら、1F港湾内では、逆に、濃縮速度が「効く」っていうことも言えるのかもしれません。(無論、汚染水は、放出されていないという前提ですが。)

的外れなコメントであるやも知れません。ご容赦下さい。

 
Cowboy@ebino さん、ごぶさたしています。 今季はどうやら、鳥インフルも起きなさそうですね。

1Fの南が北より高いのは、主に海流の影響なのでしょうね。
(副次的には、底質の違いの影響などもあるそうです。)

魚の場合、Csの体内半減期は50日前後とされていますから、事故後1年も経たないうちに
平衡状態に達していると思います。

ですから、環境中の放射性Csの半減期が、魚の生態学的半減期を決めているのだろうと思います。

1F港湾内でも、恐らく、事情は変わらないと私は思っています。

  底質のCs濃度は、いわき市沖で数百Bq/kg。
  底魚の汚染は、いわき市沖で数百Bq/kg(最高数千Bq/kg)

  底質のCs濃度は、1F港湾内で数万Bq/kg。
  底魚の汚染は、1F港湾内で数万Bq/kg(最高数十万Bq/kg)

ですから、似たような関係かと思います。

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